インテルR アンチセフト・テクノロジーとはIntel vProテクノロジの一つで、モバイルPCが盗難・紛失にあった際に、ハードディスク内のデータを悪用されないようにセキュリティをかけるものである。
・近年の市場変化によるセキュリティの重要性
近年UltraBookのような非常に薄く軽い形状でありながら1世代前のハイエンドPCに匹敵するほどの処理能力を備え、今までのようなモバイルPCのように数十万を軽く上回る価格ではなく、たった数万円で買えるようなノートブックPCが多く出まわるようになった。よって、一般の人でも手軽にPCも外出先に持ち出すようになっていると考えられる。
そのような、企業内で強固なセキュリティ管理がなされていないため、盗難・紛失した場合、HDD内のデータはUSBメモリ並に手軽に利用することができる。そこで、IntelのIntel vProテクノロジCPUが搭載されているPCであれば、たとえ紛失・盗難された場合も状況によってHDD内のデータに対して暗号化を行う。これが、盗難・紛失時のデータ流失リスクの軽減である。
・「盗難」そのものの利益の無効化による対策
初心に戻って盗難に関して考えてみようと思う。なぜ、盗難されるのか。盗難に合うためには盗難されるためのPC、そして盗難する人が必要である。そして、盗難する目的は主に2つ考えられ、1つがストレージ内にあるデータ、そしてもう1つがPCそのものの価値である。この2つの目的を持って犯罪者はPCを盗むと考えられる。よって、その2つによって得られる利益が無効化されてしまえば盗難する意味がなくなる。裏を返せば、盗難に合う確率が0に等しくなる。前者に関しては前述したとおり有効な暗号化という対応策がある。今まで困難であった後者に対し、このvProテクノロジを利用することで実現することが手軽にできるようになった。vProテクノロジはCPU内にあるTMPチップによって実現されている。そのため、そのPCは盗難にあったという状況を認識した時点でハードウェア自体にロックを掛け、そもそも起動しないようにしてしまう。今まではBiosロック等で対策していたが、起動の際に毎回パスワードを打たなくてはならず、更に某PCメーカ数社のノートPCはそのパスワードを解析または無効化するためのツールすら存在していた。それらが、vProテクノロジの登場によってCPUメーカであるIntelが公式的に実装したものであり、可用性・信頼性ともに信用できるものと考えられる。
◎まとめると、盗難・紛失後のデータ流失リスクの軽減はより強固なものに、そしてデータの抽出、PCの価値双方を共に無効化すつことによる盗難する必要性の否定をIntel社製CPUに搭載されているvProテクノロジによって実現することができる。