>>今回の「Intel AMT」を利用して遠隔操作をする場合は、クライアントPCの電源をONOFFできるのが特徴です。
今回の遠隔操作では、「Intel AMT」を利用して電源のONOFFをしてみたいと思います。
検証開始
利用環境(クライアント側)
・OS:Windows 8 Pro 64bit
・CPU:Intel Core i7 3770
・マザーボード:Intel Desktop Board DQ77MK
・メモリ:CFD PRO 8GB*2
・SSD:Samsung SSD 840 Pro Series 128GB
・HDD:Western Digital WD Blue 1TB
・グラフィックボード:ELSA GeForce GTX 680S.A.C
・電源:玄人志向 700W 80Plus Silver
利用環境(遠隔操作側)
クライアント側の設定
1:初めに、BIOSの設定からしていきます。
起動時、「CTRL+P」を押し、「Intel Management Engine BIOS Extension」に入ります。
「Intel Management Engine BIOS Extension」が起動されたら、「MEBx Log in」を選択します。
2:パスワードが要求されるので、初期パスワードの「admin」を入力し、エンターキーを押します。
3:すると、新しいパスワードを設定するように求められるので、アルファベットの大文字小文字、数字、記号が最低限1つずつ混ざったパスワードを設定します。
1度打ち込むと、確認のために再度パスワードを要求されるので、それも入力し、エンターキーを押します。
4:「Intel ME General Setting」と「Intel AMT Configuration」の2つの設定が有効になったので、「Intel AMT Configuration」を選択します。
5:次の階層にある、「Active Network Access」を選択します。
6:すると、なんやら注意書きみたいなものが出てくるので、とりあえず「Y」を押して進めます。
(外部から接続できるようになるだけです。押さないとAMTが使えません。)
7:そのまま「Y」を押すと、設定項目から「Active Network Access」が消えます。
これが有効化された合図になります。
今後にBIOSの設定は使わないので、ESCキーを連打してBIOSを終了します。
ここまででクライアント側の設定は終わりです。
遠隔操作側の設定
1:今回は遠隔操作側に「Manageability Commander Tool」を使おうと思うので、検索してダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを開くと、インストーラーが起動されるので、「Next」をクリックします。
2:「ライセンスに同意しますか?」の画面が出てくるので、「I Agree」にチェックをして「Next」をクリックします。
3:なんだかよくわからないのでそのまま「Next」をクリックします。
(エラーが起きなかったので結果的にOKでした。)
4:保存場所の選択をすることができます。選択する場合は「Browse」から変更します。
今回は変更せずに「Next」をクリックします。
5:インストール開始の画面になるので、「Next」をクリックします。
完了後、「Close」をクリックしてウィザードを終了します。
これで、遠隔操作側の設定が終わりました。
遠隔操作側で動作検証
1:先ほどインストールした「Manageability Commander Tool」を起動します。
2:すると、次の画面が表示されるので、「既知のコンピュータを追加」をクリックします。
3:ウィンドウが表示されるので、赤丸の部分にクライアントPCのIPアドレスを、青丸のところにはクライアント側のBIOSで設定したパスワードを入力します。「Username」はadminのままで大丈夫です。
クライアント側のIPアドレスは、コマンドプロンプトでipconfigを打ち込めば調べることができます。
入力したら、「OK」をクリックします。
4:ネットワークに追加されるので、それをクリックします。
「接続とコントロール」の画面が表示されるので、クライアント側に接続するために「接続」をクリックします。
5:すると、先ほどの画面の「接続」が「切断」に変わります。これでクライアント側と遠隔操作側が接続されました。
下部に存在する「Web URL」をクリックします。
6:すると、ブラウザでクライアント側にログオンする画面になります。
「Log On」をクリックします。
7:認証が必要なので、クライアント側のBIOSで設定したパスワードを入力します。
ユーザー名は今回も「admin」でOKです。
入力が完了したら、「ログイン」をクリックします。
8:すると、認証が完了されてIntel AMTの画面が表示されます。
検証するのは遠隔操作でクライアント側の電源をONOFFしてみることなので、左の「Remote Control」をクリックします。
9:今のクライアント側の状態と、それに伴う電源操作が表示されました。
これで、遠隔操作の準備ができました。
実際にやってみた。
実際に上図の状態からIntel AMTを用い、クライアント側の電源をONOFFしてみました。
動画中 左側:遠隔操作側 右側:クライアント側
<簡単な解説>
最初にクライアント側の電源ON状態をAMTで電源OFFコマンドを流し、電源OFFにします。
↓
その後、AMTが連続動作を受け付けないので少し待機。
↓
待機が終了したので、AMTで電源ONコマンドを流しました。
↓
それによりクライアント側の電源ONになりました。
感想およびまとめ
従来の遠隔操作では、クライアントに接続するために常時電源をONにしておく必要がありました。ですが、今回のIntel AMTを利用すれば電源のONOFFが可能なので、常時電源をONにしておく必要性がなくなります。
さらに、常時電源がONである必要がないので、電力の消費が抑えられることにつながります。
(家庭でも利用できますが、これを企業レベルでやれば非常に効果が大きいと思います。)
これを利用すれば、Intel AMTでクライアントの起動→Intel TXTで改ざんをチェック→起動したらIntel VTの恩恵を受けた仮想マシンを動作という流れを作ることができます。
インテルが「企業のために」といった意味がやっと理解できました。
まだ残り2つの機能が待ってますが、あとはどのような機能なのでしょうか。
頑張っていきたいと思います。