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「アンシャープマスク」は被写体の輪郭を立たせて物をはっきりと見せる効果があることは「中級2」で説明しましたが、中級を締めくくるこのページでは「アンシャープマスクの逆がけ」を披露します。原理を簡単に説明すると、色の外側に効果を作って輪郭を立たせるのではなく、被写体の色そのものに明暗を作って立体的に見せるテクニックです。これによって全体的に色の抜けが良くなって透明感が出てくるのです。
まずは「調整」からプルダウンして「シャープネス」→「アンシャープマスク」と進みます。作業ウインドウが出たら「半径」100.00、「強度」50、「クリッピング」0と設定します。「中級2」では「半径」3.0、「強度」100、「クリッピング」12としましたから、数値で見ると逆がけの意味が分かると思います。「変更前」「変更後」のプレビューで比べると、被写体が浮き上がり奥の山々も鮮明に見えてきました。少々ぼやけて見えていたの湖の水面が締まった感じになったことで空気に透明感が出たのも分かると思います。細かいところでは、左側の手前にある半島のような島影がよりはっきりして、雲の模様の凸凹がまるで動いているかのような効果が出ました。
長時間露光や高感度にした画像では、ざらついたノイズが出やすい傾向があるので、このサンプル写真の仕上げには「調整」→「自動ノイズ除去」を適用します。全体的に滑らかになって一段ときれいな画像になったのではないでしょうか。補正前の画像と並べて見ると一目瞭然で違いが分かります。まるでフィルターを一枚取り去ったかのようなクリアな画像に生まれ変わりました。
選んだ画像にもよりますが、「アンシャープマスク」を上手に使うことで撮影だけでは表現できなかったことも実現するのです。表現の幅を広げて自分らしい作品を作りたいですね。