レビューメディア「ジグソー」

噂通りの高性能。RAID-0では順次読み出し500MB/s超え。

このたび、『zigsow 40daysダイナマイトレビュー「X25-M G2 160GB×2」』に当選いたしました。
関係各位に厚く御礼申し上げます。

さて、今回は単なるSSDのレビューではなく、2枚のSSDをRAID-0構成で使用した場合の状況についてレポートせよ、ということで、製品が到着するまでの間、検証してみたい項目についてあれこれと考えを巡らせておりました。

ちなみに、送られてきた製品は型番が「SSDSA2MH160G2C1」であり、「SSDSA2MH160G2R5」のバルク品となります。付属品や梱包が簡素化されていますが、本体は同じ物です。なお、ファームウェアは「2CV102G9」であり、TRIMコマンドには非対応です。TRIMコマンドに対応させるにはファームウェアのアップデートが必要です。ただし、ファームウェアの書き換えの手順が複雑なので、ここでは割愛させて頂きます。
Crystal Disk Info
Crystal Disk Info


余談ですが、あくまでも今のうちはテストですので、こんな荒技もやりました。
要は、新たに配線するのがただ面倒だっただけですw
禁断のホットスワップ基板直付け。支えに割り箸www
禁断のホットスワップ基板直付け。支えに割り箸www



まずは、検証に使ったPCの主な仕様についてご紹介します。

●CPU : Intel Corei7-860(3.50GHzにオーバークロック)
●マザーボード : GIGABYTE GA-P55-DS3R(BIOS F5)
●メモリ : DDR3-1333 12GB(メイン3.5GB、RAMDISK8.5GB)
●VGA : GeForce GTX275
●システムディスク : OCZ Vertex30GB×3(RAID-0)→ファームウェア 00.P97/1275
●比較用システムディスク : Seagate ST3500320AS
(SSDから作成したクローンディスクです)
●ケース : ZALMAN GS1000
●電源 : ZALMAN ZM750-HP
●OS : WindowsXP Pro SP3

ご覧のように、既に1年前からSSDを導入済みです。しかし、今となっては比較的低速な「Vertex30G」を3台でRAID-0で運用した場合と、速度面で定評のある「X25-M G2」を2台でRAID-0で運用した場合で、パフォーマンスにどのような違いが見られるかが大変興味深いところであり、一般的なHDDで運用したケースも含め、様々なテストで比較検証してみたいと思います。

さて、前置きはこのくらいにして、本題に入ります。
検証に際して、不確定要素をできるだけ排除するため、次の点に留意しました。

●HDDおよび「X25-M G2」のパフォーマンス検証時は、
現行システム(Vertex)を丸ごとコピー(クローン化)して比較。
●別チップを介して接続しているSATAポート(eSATA、GSATA)は使用せず、
P55チップセット直結のSATAポートのみを使用。
●RAID構成SSDのライトバックキャッシュは「無効」で統一。
●メインメモリをフル搭載し、仮想メモリを無しにしてスワップの発生を防止。
●アプリケーションは各々のドライブ(HDD・Vertex・X25-M G2)にインストールした状態で実行。


第1章 定番のベンチマーク(Crystal Disk Mark 2.2)

まとめるとこんな感じ。


グラフを見ても明らかですが、HDDとSSDの速度差はあえて言及するまでもないでしょう。順次読み込みではX25-M G2が突出しており、単体でも270MB/sと、非常に高い性能を発揮しています。また、ランダム書き込みが90MB/sを超えており、RAMDISKに匹敵する速度をたたき出しています。

一方で、単体同士の対決では明らかに分が悪いVertexですが、RAID-0構成だと総合的にX25-M G2を上回る性能を発揮しています。ここはやはり3枚組という数の差が奏功している物と推測できます。ただ実際には、通常の使い方をしている限り、Vertex×3とX25-M G2×2の性能差はほとんど体感できるレベルではありませんでした。どちらも非常に快適に動作してくれます。


第2章 OSの起動速度について

PCの電源をONにしてからOSの起動が完了するまでの時間を比較してみます。ここでは、POST画面からWindowsに切り替わった時点をOS起動プロセスの開始、デスクトップ画面が表示された時点をOS起動、その後、常駐ソフトが全て起動し終わった状態を起動完了としています。

起動時間の比較


HDDに比べてSSDの方が起動が速いことは容易に想像がつきますが、意外にもVertex、X25-M G2共に起動時間に大きな差はありませんでした。起動時は順次読み出し、ランダム読み出しが多くなるはずですが、必ずしもCrystal Disk Markの結果と連動しない点が興味深いですね。

グラフだけでは分かりにくいかもしれないので、常駐アプリ(私は結構沢山入れてます)の起動状況を動画にしてみました。これだけでも如何にSSDが速いかということが実感できるはずです。上下の動画を同時に再生してみると一層分かりやすいかもしれません。

HDDによる起動



SSD(X25-M G2×2 RAID-0)





第3章 ファイルコピーのパフォーマンス

ここでは、ファイルサイズが4KB~1.3MBの写真ファイル計2.25GB相当を、HDDやSSDに書き込み、また読み出しさせ、その時間を計りました。読み出し時は各ドライブからRAMDISKへコピー、書き込み時は逆にRAMDISKからドライブへのコピーを行ない、それぞれの所要時間を計りました。結果が下の図です。



ここでも意外なことに、SSD勢はシングル使用・RAID共に大きな差が認められませんでした。でも、HDDに比べたらいずれも格段に速いことは一目瞭然ですね。読み出しで約2倍、書き込みで約3倍という結果はさすがSSDといったところ。


第4章 動画の結合をやってみた

ここでは、ファイルサイズ2.5MB~557MBの10個の動画ファイル(WMV形式)を「Unitemovie」というソフトで結合してみました。これはRAMDISKを介さず、元データの読み出し・結合作業・結合済みデータの書き込みを各々のドライブ内で行い、あえてランダムアクセスを発生させました。




この作業では、X25-M G2の優れたランダムアクセスの性能がハッキリと数字に出ていますね。動画編集に限らず、細かい単位でのランダムアクセスが大量に発生するような重い作業は、VertexよりもX25-M G2の方が向いていると言えそうです。

ちなみに、RAMDISKで要した時間はたったの6秒です。HDDの実に12倍、X25-M G2 RAID-0と比べても約5倍の処理速度です。恐るべしRAMDISK・・・・。


第5章 フライトシミュレータの起動

私が普段使っているアプリケーションのなかで、もっとも起動に時間がかかるのが「Microsoft Flight Simulator 2002」です。これをHDDから起動させていた頃はいつまでも「カリカリ」とデータを読み出す音が続いてイライラしていた覚えがあります。



ここでも、SSDの圧倒的な速さを見せつけられました。HDDの約半分の時間で起動できます。ただし、ここでもSSD勢が軒並み20秒前後と、綺麗に揃っています。不思議ですね。あくまでも想像の域を出ませんが、SSD以外のどこかがボトルネック(処理待ち)となって速度が頭打ちになっているのかな、という気もします。(それでも十分に速いですが)


第6章 総評

ある程度予測は付いていましたが、HDDとSSDの性能は雲泥の差です。今回テストした限りでは、よほど重い作業でもない限り、X25-M G2単体でも十分に速いパソコンになることは間違いありません。

Vertex×3とX25-M G2×2のRAID環境では、順次・ランダムそれぞれの速度が勝ったり負けたりで、総合的にはほぼ互角の戦いとなりました。正確に言えば「互角」というよりも、作業内容によってそれぞれに得手不得手があると考えるのが妥当でしょう。SSDの性格はコントロールチップの種類やキャッシュ容量などによっても大きく左右されるので、SSD導入の際はその点も考慮に入れた方が良さそうです。

ただし、大量のファイルコピーや動画編集などの重い処理を除けば、Vertex-RAIDとX25-M G2-RAIDはいずれも十分快適に動作し、動作速度の違いを体感することはほとんどありませんでした。

単に速度を追求するならば、SSD単体の性能を突き詰めるより、容量を減らしてでもRAID-0の構成台数を増やした方がよい結果が出るようです。もしX25-M G2が3枚や4枚となれば、さらに驚異的なスピードを体感できると思います。(財布には厳しいですが)


今回の検証では、必ずしもベンチの結果と体感速度は連動しない物であることを学びました。重い作業をしないのであれば、わざわざRAIDを組むまでもなく、1個のSSDで十分に速いパソコンに変身できると思います。ただし、動画編集などの重い作業を軽くしたいと考えるならば、迷わずRAID-0でいきましょう。

また、一つ気付いたのですが、X25-M G2単体での順次読み込みが270MB/sという結果が出ました。現行のSATA2では300MB/sが限界ですのでもう9割の速度が出ていることになります。これを見ると、X25-M G2のデータ転送が頭打ちになっている可能性も考えなければならないのかな、という気がします。先の検証で、Vertex-RAIDとX25-M単体、そしてX25-M RAID-0の場合で有意差が認められなかったことにも関わりがあるような気がしています。X25-M G2の持つ特性をフルに発揮したいと思うのであれば、SATA3のインターフェイスの利用も考えた方が良さそうですね。


まずはこんなところです。
また何か気付いたことがあれば、その都度追記します。

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (28)

  • anzuさん

    2010/05/28

    うちのはファームウェア2CV1-02HAでtrim対応でした。ロットが違うんですねー…。

    02HA以降のファームウェアで書き込み速度が上がっているとのことなので、アップデートするとまた1段パフォーマンスが上がるかもしれませんね!
  • GORO助さん

    2010/05/28

    anzuさん

    箱を見ると、「PACK DATE:28 AUG 09」って書いてあります。
    去年の8月に出荷された物でしょう。だとすれば旧ファームというのも頷けるような。

    ファムウェアのアップは一応試しました。
    速度は、うーん、ちょっと上がっている気もするけれど、
    誤差の範囲ではないでしょうかね・・・・。
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