レビューメディア「ジグソー」

あなたのノート、これを読んでSSD化しませんか?

[はじめに]
 このレビューはMSI製ネットブック「Wind Netbook U100 Extra」に、Intel製SSD「X25-M G2 80GB」を導入する手順をまとめたものです。このレビューの目的は、初心者の方でも不安なくこのSSDを導入できるようにすることにあります。そのため既存の環境を引き継ぐことはせず、一から環境を再構築することにしています。
 このレビューによって一人でも多くの方がSSD(特にIntel製)の素晴らしさに気付き、導入を決心してくれることを願っています。

[このレビューについて]
 このレビューは大きく分けて3部で構成されています。第1部が準備編、第2部が改造編、第3部が設定編です。読者の方自身が理解できていると感じる部分は、読み飛ばして頂いて問題ないと思います。

~第1部:準備編~
・必要なものを準備する
・現在の環境を保存する

~第2部:改造編~
・分解できるようにする
・パソコンを分解する
・HDDとSSDを取り替える
・分解したパソコンを元に戻す

~第3部:設定~
・作業をはじめる前に
・WindowsXPをインストールする
・AHCIドライバを組み込む

[レビュー]
 それでは早速、レビューを行います。

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~第1部:準備編~
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・必要なものを準備する
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 はじめに今回の作業で必要になるものを準備しましょう。必要なものを予めきちんと準備しておいた方が、作業をスムーズに進めることが出来るからです。もし準備をしないで作業を開始すると、多くの場合、何らかのトラブルが発生します。予想していない事態が何度も発生することになるのですから当然ですね。

今回の作業で必要なものは以下の通りです。

・MSI Wind Netbook U100 Extra
U100EX.JPG
U100EX.JPG

 これがないと始まりません。今回、「患者」となるネットブックです。このネットブックには少しだけスペックなどを変えた姉妹機がたくさんあり、このレビューはその姉妹機(U100やU100Vogue)にも適用可能だと思います、たぶん。

・Intel X25-M G2
SSD_3.JPG
SSD_3.JPG

 今回のレビューの主役です。SSDは振動などの外部刺激にHDDよりも強いですが、電子部品であることに変わりありません。静電気には十分注意をして取り扱いましょう。

・外付けDVDドライブ
dvsm-pn58u2v-bk_m1.jpg
dvsm-pn58u2v-bk_m1.jpg

 SSDに交換後のリカバリー作業で使用します。今回使用するU100EXには光学ドライブが付いていないので、必須になります。このレビューではイレギュラーな方法を用いて、即席外付けDVDドライブを作っていますが、あまり褒められるものではないので真似しないでください。通常は電気屋さんでポータブルDVDドライブを購入することになると思います。大体6000円~8000円くらいで購入出来ます。
例:DVRP-U8E(アイ・オー・データ機器)・DVSM-PN58U2V(バッファロー)

・プラスドライバー
プラスドライバー.JPG
プラスドライバー.JPG

 工作の基本道具ですね。今回はパソコンの裏蓋を開けたり、HDDの固定を解いたりするのに使用します。100円ショップで売っている安いドライバーでも大丈夫ですが、500円程度でなかなか良いドライバーを買うこともできるので、もし購入するのであればホームセンターなどで実物を確認してから、購入をオススメします。
 ちなみに私は精密ドライバーを使うことになりました。写真のドライバーだと大きすぎてネジを回せませんでしたw

・リカバリーDVD
リカバリーDVD.JPG
リカバリーDVD.JPG

 パソコンの付属品として持っているはずです。U100EXの場合はWindowsのメディアとドライバのメディアが分かれており、合計で2枚のメディアがあると思います。
 ちなみにU100EXはリカバリーディスク作成機能があるので、その機能を利用して作成したリカバリーディスクを使用しても問題ないと思います。(ただし、レビューはその方法を解説しません。というか、作成してないので出来ませんw)

・購入後に入れたソフトウェアのインストールメディア
 ウイルス対策ソフトやOfficeはリカバリー後に再インストールをしなければならない可能性が高いです。インストール作業に必要なインストールメディアとライセンスキーは準備しておきましょう。

また、必須ではありませんが用意すると便利なものを紹介します。
・静電気防止手袋(またはリストバンド)
sb-03_s.jpg
sb-03_s.jpg

 画像はアイネックスのSB-03です。パソコンの内部をイジる時には静電気に気を付けることが必須になります。この手袋は静電気のリスクを減らしてくれますので、安心して作業を進めたい方は購入しましょう。ケガの防止にも役立ちます。

・小物入れ


 分解を行うと細かな部品が色々と出てきます。机の上に置いておくと、いつの間にかどこかに行ってしまうので、小物入れなどでしっかりと管理をするとトラブルを防止できます。

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・現在の環境を保存する
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 万が一に備えて、現在の環境に含まれるデータをバックアップします。今回の作業ではHDDをSSDに交換するので、取り外したHDDをそのまま保管すれば大丈夫なのですが、取り外す際に誤って壊してしまう可能性がありますし、新環境にデータを戻すことが難しくなる場合がありますので、予めデータを別の記録媒体にコピーしておきましょう。

 記録媒体はデータが収まればHDDでもDVDでもUSBメモリでもOKですが、私は外付けHDDをオススメします。理由は2つです。SSDを導入することによって減少するストレージ容量を補完できること、そして、データの転送が比較的高速なことです。バックアップ用途だけでなく、その後の使い方を考えるとベストな選択だと思います。
 
 記録媒体を用意したら、それにデータをコピーしましょう。購入後に追加したデータはすべてバックアップすることをオススメします。具体的にはご自身で作られた文章ファイルや撮られた画像・動画、Webブラウザのお気に入り、メールソフトの設定などです。この部分は読者の方によって大幅に作業内容が変わってしまうので細かく記述できませんが、なくなったら困るものはすべてコピーしておきましょう。後に不必要とわかったら消せばいいのです。

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~第2部:改造編~
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・分解できるようにする
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 データのバックアップが済み、後顧の憂いなくパソコンを「壊す」準備はできましたか?第二部からはパソコンを壊す可能性のある作業に取り掛かります。慎重に作業をすればパソコンを壊してしまう可能性はほとんどありませんが、備えは必要です。気を引き締めて取り掛かりましょう。

 それでは早速分解……と言いたいところですが、念のために分解が出来る状態にパソコンがあるかを確認しましょう。意外に見落としている部分があるかもしれないので、初心者の方はバカにせず一つづつ確認することをおすすめします。(ちなみに注意点はこれだけでない可能性があります。)

1.パソコンをシャットダウンする
 えっ?と思う方がほとんどだと思います。電源を付けたままで分解を行おうとする奇特な方はあまり多くないはずですから。しかし、ごく稀にスリープ状態にしたのを忘れて分解をし始める人もいます。最終的にはバッテリパックを外すので問題ないのですが、念のためシャットダウンされているかしっかりと確認しましょう。
 写真の緑色のランプが点滅していると、それはパソコンがスリープ状態になっていますよ。
スリープ.JPG
スリープ.JPG


2.周辺機器を取り外す
 ネットブックだと購入してから現在まで途切れなく、無線マウスの超小型レシーバーや超小型USBメモリを挿したままで利用している方が少なくないと思います。これも外さないとパソコンが必ず壊れるという訳ではありませんが、分解作業中に邪魔になったり、何かを引っ掛けてしまうなどのトラブルの原因になります。念のために取り外しておきましょう。準備した小物入れに収納すると、私のように汚い机の上で作業しても無くさずに済みます。
USBメモリ.JPG
USBメモリ.JPG
SDカード.JPG
SDカード.JPG


3.バッテリパックを取り外す
 これがもっとも重要な作業です。最悪、上記の2つの作業は飛ばしても大丈夫ですが、バッテリパックは取り外すのを忘れると、悲惨なことになる可能性がとても高いです。パソコンが壊れて使えなくなるのはまだマシで、体で痛い目をみる可能性もありますのでご注意を。



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・パソコンを分解する
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 バッテリパックをきちんと取り外したら、早速分解作業に入ります。分解とは言っても、裏ブタと部品を少々取り外すだけですので安心してください。スムーズに進めば、15分程度で終わります。

 はじめに体の静電気を逃がしましょう。静電気で中の電子部品を壊さないようにするためです。基本的には手で机の金属でできた部分などを触れば自然と逃げてくれます。それで心配なら、静電気防止手袋やリストバンドを使いましょう。

 次にパソコンの裏ブタを取り外します。U100EXは9つのプラスネジにてフタが固定されており、これらを取ってしまえば簡単にフタを外せます。作業自体はとても簡単です。しかし、ここであなたは選択をしなくてはなりません。それは保証を捨てるという選択です。
裏蓋_ネジ位置.jpg
裏蓋_ネジ位置.jpg


 フタを固定しているネジですが、9つのうち8つはすぐに見つけられるでしょう。しかし残りの1つはなかなか見つけられないかもしれません。なぜなら、そのネジ穴が保証シールの下に隠されているからです。つまり、フタを開けるには保証シールを破らなければならないのです。製品の発売時期から考えて、無償保障期間である1年間は過ぎているかと思いますので、そこまで深く考える必要はないのですが、保証シールを破ったことで発生する結果は自己責任です。ご注意を。
裏蓋_ネジ位置_隠れたネジ.png
裏蓋_ネジ位置_隠れたネジ.png


 保証を捨てる覚悟を決めてネジを9ヵ所分外し終わったら、フタを取り外します。映像のようにサイドから慎重に取り外しましょう。取り外した際にセキュリティーワイヤー用の金具が落ちてくることがありますが、フタを戻すときに一緒に戻せば大丈夫です。



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・HDDとSSDを取り替える
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 フタを取り外したら、遂にHDDとSSDの交換です。U100EXの場合はHDDを取り外すために、一度無線LANカードを取り外す必要があります。HDDを固定しているネジが無線LANカードの下に隠れているからです。

 無線LANカードは写真の○部分の部品のことです。ネジで1ヶ所固定されているので、他の部分を傷つけないように、慎重に取り外しましょう。
無線LANカード_位置.jpg
無線LANカード_位置.jpg



 無線LANカードの下にネジが見えてきましたか。それがHDDを固定しているネジです。このネジも周囲に気をつけて取り外しましょう。取り外せたらHDDはM/Bのコネクタにくっついているだけなので、抜き出してください。



 HDDを取り外したら、パソコン本体は少し端っこに置きましょう。次はHDDに付いている金具(マウンタ)をSSDに移植します。固定はネジだけですので、落ち着いてネジを外し、マウンタを外しましょう。そして、取り外したマウンタをSSDに取り付けましょう。



 マウンタをSSDに移植したら、SSDをパソコン本体に固定しましょう。基本的には取り外した手順と逆手順になります。HDDをパソコン本体に挿し固定し、無線LANカードを元に戻します。SSDもカードも差込口にしっかりと挿し込まないと正常に動きませんので、最後までしっかりと挿し込みましょう。



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・分解したパソコンを元に戻す
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 パーツをすべてセットし終えましたか?次は開けた裏ブタを閉める作業です。基本的には開けた時の逆手順で問題なく閉じることができます。



 ただここで注意すべき点があります。それはフタを閉める際に色々なものを挟んでいないかをチェックすることです。下の画像では無線LANのアンテナ線を挟んでしまっています。こういう細かいところが後々面倒なトラブルを引き起こすことになりますので、面倒がらずにチェックしてくださいね。
裏ブタを戻すときは気をつけよう.jpg
裏ブタを戻すときは気をつけよう.jpg


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~第3部:設定~
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・作業をはじめる前に
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 SSDへの交換作業が終了したら、次はOSインストールなどの新しい環境を構築する作業に入ります。ここから先の作業は基本的にSSDでもHDDでも同じ手順になります。そのため、細かい解説は省かせてもらいます。
 以下では、通常のリカバリーではサポートされないAHCIの導入について詳しく解説します。AHCIを導入するとパフォーマンス上有利な機能が色々と使用可能になります。その反面、トラブルの原因になる場合もあります。安定性重視な方はそのままで、遊びたい方はAHCIに挑戦してみてください。

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・WindowsXPをインストールする
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 早速、AHCIを導入する手順を説明します。WindowsXPでAHCIを使用できるようにするためには、AHCIドライバというものが必要になります。Vista/7には予めこれが組み込まれているのですが、XPにはありません。その為、別途組み込む作業が必要になります。
 この組み込みを行う方法は複数あるのですが、今回はXPをインストール後にAHCIドライバを無理やり組み込む方法を採用します。本当はもっと安全性の高い別の方法を採用する予定だったのですが、私の環境ではどうしてもうまく動作しなかったので断念しました。今回採用した方法にも、余計なハードが不要であるというメリットがありますので許してください。

 それでは最初にXPのインストールを行ってください。今回の方法ではXP上からドライバを更新することでAHCIを導入するので、とにかくXPが動作する状況にしなくてはなりません。
 U100Extraには様々なリカバリー手段がありますが、このレビューでは購入時に付属してきたリカバリメディアを使用しました。リカバリーメディアなら誰でも同じ作業手順でAHCIの導入が行なえますからね。ちなみに試していないのですが、おそらく他のリカバリー方法でもAHCIを導入できないことはないと思います。ただ、どんなトラブルが起こるかはわかりませんのであしからず。

 XPのインストールが終了したら、各種ドライバのインストールとWindowsUpdateを済ませてください。原因は不明ですが、WindowsUpdateを終えないでドライバを更新すると(私の環境では)うまくいきませんでした。

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・AHCIドライバを組み込む
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 次はAHCIドライバの導入です。はじめにインターネットからドライバを入手しましょう。ドライバはIntelからダウンロードが可能です。ファイルは圧縮されているので、展開してデスクトップなどの分かりやすい場所に展開しておいてください。ちなみに展開すると以下のようなファイルが見えるはずです。
AHCIドライバ_5.png
AHCIドライバ_5.png


 ドライバの準備が出来たら、更新作業を行ないます。次に掲載する画像のとおりに作業を進めてください。
AHCIドライバ更新_01.PNG
AHCIドライバ更新_01.PNG

AHCIドライバ更新_02.PNG
AHCIドライバ更新_02.PNG

AHCIドライバ更新_03.PNG
AHCIドライバ更新_03.PNG

AHCIドライバ更新_04.PNG
AHCIドライバ更新_04.PNG

AHCIドライバ更新_05.PNG
AHCIドライバ更新_05.PNG

AHCIドライバ更新_06.PNG
AHCIドライバ更新_06.PNG

AHCIドライバ更新_07.PNG
AHCIドライバ更新_07.PNG

AHCIドライバ更新_08.PNG
AHCIドライバ更新_08.PNG

AHCIドライバ更新_09.PNG
AHCIドライバ更新_09.PNG

AHCIドライバ更新_10.PNG
AHCIドライバ更新_10.PNG

AHCIドライバ更新_11.PNG
AHCIドライバ更新_11.PNG

AHCIドライバ更新_12.PNG
AHCIドライバ更新_12.PNG

AHCIドライバ更新_13.PNG
AHCIドライバ更新_13.PNG

AHCIドライバ更新_14.PNG
AHCIドライバ更新_14.PNG

AHCIドライバ更新_15.PNG
AHCIドライバ更新_15.PNG

AHCIドライバ更新_16.PNG
AHCIドライバ更新_16.PNG

AHCIドライバ更新_17.PNG
AHCIドライバ更新_17.PNG

 この作業が終了しウィンドウを閉じるとWindowsが再起動を求めてきます。その求めに従って再起動をしましょう。
 再起動するときにBIOSを立ち上げて、AHCIモードに切り替えることを忘れないでください。

 無事にAHCIドライバが導入されると、デバイスマネージャの欄が以下のように更新されていますので確認してください。
AHCIドライバ更新_18.PNG
AHCIドライバ更新_18.PNG

15人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (3)

  • エビスさん

    2010/07/09

    とても解りやすく、見やすい手順だと思います。
  • ぽんさん

    2010/07/11

    分解するのに、やや骨のありそうなPCみたいですね♪
    続きも楽しみにしてます!
  • チョロさん

    2010/07/20

    コメントを頂いていたのに、リプライが遅れてしまい申し訳ありません。

    >エビスさん
    お褒めいただきありがとうございます。
    今回は、手順ごとに動画を分割してみました。
    作業者のレベルにもよりますが、今回の作業は一通りの流れを見て作業を行うというものではなく、一つずつの作業を動画と付きあわせながらするものであると考えたからです。
    ……と言いつつ、見直すと改善の余地がたくさん見つかりますがw

    >ぽんさん
    新しいパソコンと比べると、分解は面倒な部類ですね。
    でも、こういうパソコンのほうが楽しいです。
    なんか改造した感がありますw

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