レビューメディア「ジグソー」

シンプルデザインかつ基本が押さえられたBluetoothモバイルキーボード


初版:2012/09/23
追記:2016/08/13(使用環境の変化)

今回レビューの機会を頂いたのはMicrosoftが国内で9月に発売した、スレートPCやタブレット
端末での利用を想定したWedgeシリーズのモバイルキーボード「Wedge Mobile Keyboard」と
マウス「Wedge Touch Mouse」です。まずはキーボードのほうからレビューしていきます。

■まずは箱から

このようなカラーリングの外装箱にキーボードは納められています。モバイルキーボードという
ことで、大きさはコンパクトでした。会社帰りに量販店で買って帰ってもさほどかさばらない
くらいです。結構前からMicrosoftの入力デバイスは赤と白のカラーリングの外装箱に入って
売られていましたが、今回は基本は変わらないもののWindows8の登場を見据えてシンプル
な表記になっている感じです。きちんとMicrosoftロゴは先日変更された新しいものになって
いました。

箱には特徴も記載されていて、上から薄型コンパクトサイズ/バッテリステータスインジケータ/
3年保証/Bluetooth/タブレットスタンドにもなるカバー付き/Windows8ショートカットキー/
多くのタブレットで使用可能、となっています。側面には

各プラットフォームのロゴが。ここにAndroidのロゴが入っているのは珍しいですね。そして
Windows8のロゴはかなりカクカクしているんだなーと。これがプリインストールPCのパーム
レストや筐体に貼られるのでしょうか。

裏面は使用例やキー配置の特徴が記載されています。必要システムにすでにWindows8や
Windows RTが載っているあたり、発売がもうすぐなんだなーと実感します。MacOS Xの場合
10.6x~10.7x環境が必要とされています。

iPad/Androidタブレットで使用する場合は製品やOSバージョンによってキーボードが対応
していない場合があるのと、入力方法が異なる特殊記号があるようです。ちなみにAndroid
タブレットの場合、BluetoothのHIDプロファイルに対応している必要がありますので概ね
Android 3.0以降を搭載したものであればOS側で対応されているため、使用できるようです。
逆に2.3以前だと端末メーカーによって独自に実装されているかどうかで使えるか使えないか
が決まりますので、要確認です。iPadであれば特に問題無くBluetoothキーボードを使える
ようです。

箱を開けるとこんな感じに製品が入っています。スマートフォンなどの個装箱のようになか
なかしっかりしていて高級感があります。見づらいですが開いた上蓋の内側にMicrosoft
ロゴがきちんと入っています。付属品は

キーボード本体とカバー・単4電池2本とユーザーズガイドとシンプルです。ドライバディスク
が付かないのは時代らしいというか、タブレット端末だとドライバをインストールできない
ので必要無いですしね。ちなみにMicrosoftのキーボードやマウスのWindowsやMacOS X
環境でのドライバはMicrosoftのサイトからダウンロードできますが、このキーボードで
使用できるかどうかは分かりません。Windows8でテストを行うときに確認してみます。

■そして本体を見る


なかなかスリークなデザインの本体で無駄なところがありません。この手のモバイルキー
ボードによくある、折りたたみ機構やスタンドの調整機能がないためシンプルに仕上がって
ますね。AppleのPCに付属しているキーボードのデザインもすっきりしていますが、こちらも
負けず劣らずと言ったところかと。見ての通りキー配列もオーソドックスで、右下のカーソル
キー周りが詰まっているのはネットブックのキーボードとだいたい同じです。ネットブックや
ミニノートに慣れている人ならもちろん、万人に使いやすいキー配列です。

裏側はこれまたシンプル、金属の質感が美しく注意事項のシールの類などは貼られておらず
この辺りはUltrabookなどに通じる昨今のトレンドかと。Microsoftロゴが入っています。
側面を見てみると

iPadと組み合わせても違和感が無いような質感の高さです。上部の太い筒のよう
になっている部分は電池ケースで、


サイドから押し込むとケースが飛び出すのでここに電池を装填します。反対側は

Bluetoothでのペアリングに使用するボタンがあります。両サイドが押せるようになっている
シンメトリーなデザインです。もちろんこの黒い部分はラバー加工されていますので滑り止め
の役割も果たしています。付属のキーボードカバーですが、ハードタイプなので持ち運び時の
キートップ保護の役割を果たしています。また、これをかぶせることでキーボードの電源も
切れ、カバーを外すと電源が入るので電源操作も楽ですし。電源を手動でON/OFFすること
もでき、この場合はFnキーとEscキーで操作できます。このカバー、カバーとして使う以外にも

このような形で間にタブレット端末を宛がいスタンドとして利用できます。キーボードで使用
する場合はスタンドに端末をセットした方が見やすく使いやすいですし、スタンドだけ持ち歩く
のもかさばるのでキーボードカバーと機能が統合されているのはモバイルする際に荷物が
減って良いです。

■実際に使ってみる

今回のレビューに応募した際のテーマは「数年前手放したネットブックの変わりにタブレット
を活用できるようになるか」で、


数年前まではネットブックを家庭内モバイル端末として使用していました。ただ、やはりIntel
AtomプロセッサでフルスペックのWindows Vista/7を使うとなるとやはり重たく、他にもノート
PCがあったのでパワーが必要な作業はそっちで・・・とやっているといつの間にかネットブック
の使い道が無くなってしまい処分してしまったんですよね。それからしばらくしてから、iPadを
購入しネットブックと同様にWebブラウジングなどに使っていましたが、今度はキーボードが
足りないと。常時スリープモードとなるため、立ち上げが高速という利点から使い勝手は
上がりましたが長文を打ち込むのにソフトウェアキーボードだと、結構ミスタイプが多かった
です。それに画面の半分くらい覆ってしまうので、長文だと文章の体裁もいちいちソフトウェア
キーボードを消して確認しないといけなかったりするのも面倒でした。そこに今回キーボード
を追加することで、

あっけなく弱点が解消されてしまい拍子抜けです。iPadとのペアリングはキーボードの電源が
入った状態で設定画面からBluetoothをONにし、見つかったWedge Mobile Keyboardをタップ
するとパスコードが表示されるのでそれをキーボードで入力してEnterを叩くだけと簡単ですし。
手始めに長いテキストが作成できるアプリを導入して文章を作成してみましたが、
Click to Zoom
Click to Zoom

ノートPCと近い使い勝手となったため入力が捗ります。ソフトウェアキーボードが表示されない
ので、画面を広く使えますしミスタイプもソフトウェアキーボードの比ではないです。まぁ慣れの
問題なのかもしれませんが・・・。キーボード周囲のフレームがかなり細いため、エンターキー
と間違えてフレームを叩くようなこともなく快適です。打鍵感もネットブックよりもしっかりしていま
すし、似たコンセプトのBluetoothキーボードと比べても恐らく良いのではないかと。なかなか
プレーンなキーボードなので、慣れてしまえばデスクトップPCでの使用もアリかもしれません。

その場合、Bluetoothが内蔵されていないマシンではアダプタを増設する必要があるのと
BIOSが弄れない可能性があることを留意しないといけませんが。
Click to Zoom
Click to Zoom

入力が捗るのでTwitterでのつぶやきもサクサク入力でき、シビアなタイミングが要求される(!)
実況にもPCに近い使い勝手を得られるためよさそうです。ちなみにiPadで使用する場合、配列
が英語キーボードとなるようで半角/全角キーなどがキートップの表記と異なる挙動となります。
また、英語/日本語入力の切り替えはShift+スペースなので少なくともWindowsに慣れていると
まごつきます。このキーボードの特性というわけではなく他のBluetoothキーボードでも同様の
挙動でしたので、まぁiPadでBluetoothキーボードを使う場合は仕方ないのでしょうね。
上部のファンクションキー兼用のメディアコントロールキーはiPadでも音量・再生/一時停止が
効いてびっくりです。再生操作にわざわざホームボタンダブルクリックが必要無くなりましたね。

キーボードの入力が捗るようにはなったものの、iPadはBluetoothマウスが使用できないため
一緒に届いているWedge Touch Mouseなどが使用できず、Tabキーでボタンのフォーカスを
切り替えたりホーム画面を操作したりできないので完全にタッチ操作レスで使えないのが
惜しいところです。試しにAndroid 4.0搭載スマートフォンにもペアリングして使ってみましたが、

こちらだとTabキーでのフォーカス切り替えやホーム画面操作もできたため、Androidタブレット
ならもう少し使い勝手が良いんじゃないかなと。それと日本語変換は結局標準の物を使う
ことになるので、iOS 5の変換システムの精度を考えるとキーボード使用時のメリットが
多少なりスポイルされます。英文しか入力しない場合なら問題無いですが。これもAndroid
なら好きな日本語変換アプリを利用できるので、だいぶ使い勝手が上がるかと思います。

そんな感じでiPadで使うとソフトウェアキーボードの欠点を補うことができるものの、痒いところ
に手が届かないので個人的には他のタブレットで使ってみたいなと思いましたね。使用している
iPadが初代でiOS 6に対応していないため、買い替えを予定していますし今度はAndroidタブレット
にしようかなと。もしくはWindows RT端末でしょうが、まだ出ていないですしその辺はこのキー
ボードとの組み合わせを考えつつ検討してみようと思います。結論としてはネットブックを軽い
Webブラウジングや文書作成程度に使っていた場合、タブレットとこれの組み合わせで代替
できなくはないですがそれはタブレットのプラットフォームによるかな、という感じかと。

で、当日中にWindows8搭載PCとの組み合わせを試してみました。

Windows8はまだMSDN以外で発売されていないので、正式版ではなくRelease Previewを
用いてVMware Player上で動作させています。BluetoothモジュールをVMware側で使うよう
設定すると仮想環境のWindows8からBluetoothが使えるようになったのでデバイスをあとは
ペアリングするだけです。ドライバはダウンロードしてきて入れましたが当たらないので要ら
ないようです。仕様通り、ショートカットキーでWindows8の各チャームを呼べるようになりました。
マウスだと右角上にポインタを持って行かないといけないので、それがワンタッチで呼べるの
はWindows8ではなかなか便利ですね。スタートメニューがだいぶ変わってしまったので、
検索メニューを呼ぶキーはスタートメニューの代わりにも使えますし。ただしファンクション
キーがロックできず通常はショートカットキーとして機能するので、PCでこのキーボードを
使う際はファンクションキーを多用する場合注意が必要かと思います。

追記:2016/08/13

しばらく会社に置いておいたのですが、Apple Wireless Keyboardを宛がったので
こちらを引き上げてきて手持ちのiPad mini 2で使用しています。iOS 9から言語
切り替えのショートカットキー組み合わせが変更になりましたが、iPad用キーボード
の一部のようなControlキーの省略がこちらはないので、特に問題無くiOS 9以降も
使用できています。初代iPadとの組み合わせだと本体とキーボードがほぼ同じサイズ
でしっくり来たのですが、iPad mini 2だとキーボードが大きく感じられます。
ノートPCを持ち歩くより軽いので、こちらでたびたび物書きするようになりました。

28人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • aoidiskさん

    2012/09/23

    きっちりきちきちに入っているキートップ

    ちょっと、打ちにくさを想定させながらも 実は、そんなことないなんて

    薄さといい いいですね。キーボードと言うより、キーをもっていくような

    このスタイル 

    Bluetoothというのもいいな 対応製品が多いですものね。
  • i-ji-さん

    2012/09/23

    コメントありがとうございます。

    モバイル機器用のBluetoothキーボードというと、
    配列が変則的だったり折りたたみにするために
    剛性感に欠けていたりするものだと思っていたので
    すが、こちらはベースが金属と言うこともあってか
    意外としっかりしていてキー配列も概ね普通だった
    ので使いやすかったです。多少重めではあります
    が、安心感を考えるとこれくらいのほうがモバイル
    にはいいのかもしれません。

    それでは。
  • つきさん

    2012/09/23

    かばんに入れたときに電池のでっぱりが気になるのですが、強度はいかがでしょうか?
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