レビューメディア「ジグソー」

見たこともない大容量。それを贅沢に「予備」として使います。 ※9月2日 追記

このたびはジグソープレミアムレビュー「インテル(R)SSD 520をオーバープロビジョニングでチューンナップ!」レビューアーに選出いただきましてありがとうございます。 

 

SSDの新しい着眼点、オーバープロビジョニングについてのレビューを仰せつかりましたので、実際に設定しながらその方法をお送りします。


そもそも「オーバープロビジョニング」とは

 

オーバープロビジョニングとは、SSDの中に我々ユーザーが使用する領域とは別のスペア領域を設定すること。ある一定の値までユーザーの任意で増やすことができ、SSDの動作を速くすることができるほか、正常域が万が一障害で利用できなくなっても、予備領域でカバーするという信頼性向上にも役立つもの。ちなみにインテルR SSDシリーズは、120GB240GBという独自容量になっているが、これは予めスペア領域が設定されているから(例:128GBのうち 8GBはスペア領域で、120GBがユーザーが使用可能な領域)。
パソコンの快適動作に欠かせないインテルR SSDに、オーバープロビジョニングを施して、スペア領域をさらに拡大することにより、より快適で安全な環境を構築することが可能となる。

 

ということで、SSDの容量を一部占有することで性能を向上させる機能だそうです。

 

さて、IntelSSDをレビューさせていただくのは今回で4枚目なのですが、今まではすべて茶箱でした。果たして、今回は

ということで、いつものように開封の議から。

 今回は、リテールパッケージ品でした。初めてのことです。

 

パッケージを開けると

SSDの登場です。相変わらずのデザインで、古くささよりもむしろ安心を感じます。

7mm厚の本体に黒いスペーサーが取付けられており、最近のUltraBookなどの7mm厚しか搭載できないモデルでも工夫すればなんとか搭載できます。ちなみに、SamsungSSD7mm厚となっていました。

IntelSSDは随分と昔から7mm厚前提で作られていたんですね。

敢えて言えば、スペーサーを取り外す際の短いネジが付属しているとよかったと思います。 

 ほかにはステッカー、説明書、CD-ROMが付属しています。

 

下段には

3.5インチマウンタ、電源用変換ケーブル、ラッチつきSATAケーブル、SSD固定用ネジ、マウンタ固定用ネジが入っています。

うちのメインパソコンは、前面から2.5インチストレージが出し入れできる便利なやつ

がありますので、これらは今回は使いません。箱の中へ大事にしまっておきます。 

 

さて、今回のSSDはお題が決め打ちとなっています。 

 

下記の項目について、必ず写真を用いて詳しくレビューしてください。
1.
インテル 520シリーズでオーバープロビジョニングする手順を詳しく紹介してください(Secure EraseBIOSの設定等も含む)。
2.
インテル 520シリーズでオーバープロビジョニングをする前後で書き込み速度の向上にどれくらい効果があるか測定してください(ソフトウェアのインストール、巨大なzipファイルの展開、データベースの速度、並列コンパイル、RAW現像等)。
3.
オーバープロビジョニングをする前後で CrystalDiskMark Nano Pico Edition を使って、スコアを比較してください。

 

4.《可能ならレビューしてください》その他以下のようなテーマについて:
HDAT2 以外のツールを使ってオーバープロビジョニングする手順を調べる

Windows 以外の環境でオーバープロビジョニングする手順を調べる
RAIDと組み合わせてみる
④インテル スマート・レスポンス・テクノロジーと組み合わせてみる
⑤外付けドライブとして使った場合の効果を調べてみる

 

となります。

 

1.」については、スクリーンショットと写真を組み合わせてお送りします。

 

2.」については、単一の大きなファイルを扱ったときの速度として「TMPGEnc Mpeg Editor 3」を使い、スマートレンダリングの速度を比較してみます。オーバープロビジョニングの前後と、比較対象として「Crucial M4 64GB」「Samsung SSD 830 128GB」を使います。

もう一つ、大量の小ファイルを扱ったときの速度としてRARファイルの作成をやってみます。デジカメで撮影した写真のJpegファイルを464枚、サイズにして2.26GBを単一のRARファイルへと変換します。

 

3.」については、比較対象のSSDも一緒にお送りします。

 

ということで

 

1.オーバープロビジョニングの設定方法

 

まずは準備ということで、必要なアプリケーションを準備します。

 

オーバープロビジョニングの実行は、使用済みSSDではできません。そして、今回は「オーバープロビジョニング実行の前後で比較」とあります。
ということは、使用後に処置が必要となります。

 

そこで、Intelのアプリケーション「Intel SSD Toolbox」の出番です。Intelのダウンロードセンターで調べてみると

手持ちのアプリはv3.0.2でしたが、公開されている最新版はv3.0.3。こちらをダウンロードします。インストールは、別段難しいことはないので省略します。

 

次に、オーバープロビジョニングを設定するためのツール、「HDAT2」。

英語のサイトに行き左側の「Download」を選択、「CD/DVD Boot ISO image」から「HDAT2ISO_481.EXE」を実行します。

 

こちらは、インストールするアプリではありません。

まず、exeファイルを実行すると解凍されたファイルの置き場所を指定して「OK」をクリック。

 するとhdat2_v49b1_lite.iso」というイメージファイルができます。これをCD-Rに焼けば完成。

 このアプリはWindowsで動くアプリケーションではなく、CDから起動する必要があります。この手順で、起動ディスクを作ったことになります。


それでは、準備が整ったので「オーバープロビジョニング」の手順を。

 

まず、SSDを初期化されていないクリーンな状態に戻す必要があります。購入時であればこの手順は不要ですが、一度でも使用するとそのままではオーバープロビジョニング設定ができません。

 

そこで、SSDを接続した状態で「Intel SSD Toolbox」を起動します。

 

左の欄から「Secure Erase」を選択します。


「消去」をクリックすると、初期化される前の状態に

 

戻りません。というか「消去」のボタンがグレーアウトしています。

まず、パーティションを削除しないと実行できないそうです。

 

コンピュータのアイコンを右クリック、「管理」から「ディスクの管理」と進んでいき、パーティションを削除します。

 これで、ようやく準備ができました。

再び「Intel SSD Toolbox」を起動し、「消去」をクリックします。

消去できません。

Security Frozen」の状態だそうです。解除するためには、このままケーブルの抜き差しをしろ、と。
文面通り読めば、起動した状態で通電したままケーブルの抜き差しをすることになります。うちのマザーはホットスワップに対応しているので、アクセスLEDが消えているタイミングであれば問題ないと思います。が、かなりのリスクを伴うでしょう。

 

Intel 520の電源コネクタを抜き差しして、認識が無事に終わるのを確認して再度「Intel SSD Toolbox」から実行。

だめでした。この状態は再起動をしても変わりません。

 

私だけの問題なのか、使っているマザーボード「GIGABYTE Z68XP-UD4」の問題なのか。

ともかく、現状では解決しないので別の手段を。

 

ということで、出番なのが「Acronis Disk Director」です。

 愛用しているアプリケーション「Acronis TrueImage」と同じシリーズで、HDDSSDの設定、パーティションなどを自在に操作できる優れたヤツです。

 再起動を伴いますが、システムドライブの容量すらも変更できます。

 これを使い、SSDを初期の状態に戻します。

 

まず、「Disk Director」を起動し、該当のSSDをクリックします。

 そこで右クリックし「ディスクのクリア」を選択します。

 

実は、この状態ではまだ実行されていません。予約をしただけです。なので

 

画面左上、チェッカーフラッグをクリックして予約した動作を実行します。これでバッチリです。

 

初期化を実行すると

 

「ディスクの管理」を起動した途端、初期化ウィザードが立ち上がります。

やっと、オーバープロビジョニングの準備が整いました。

 

一旦シャットダウンし、間違えないように別のSSDHDDSATAケーブルを外します。ただし、光学ドライブは起動のために必要なのでそのままです。

※今回は、設定画面をお見せするので敢えてHDDを外していません。本来は、ミスを防ぐためにも外しておいたほうが無難だと思います。

 

その後、電源を入れるのですがそのままでは「HDAT2」が使えません。SATAのモードを「AHCI」から「IDE」に戻す必要があります。

 

SSDを使ってWindows7をインストールしている場合、ほとんどの人が「AHCI」モードで使っていると思います。この組み合わせだと、SSDを快適に使うことができる「TRIMコマンド」が自動で行われるのでひと手間減ります。Windows XPVistaだと、これを手動で定期的に行う必要があるんです。

 

ほかにも「NCQ」などのメリットもあるので、特に理由がなければ「AHCI」で使っているひとが多いでしょう。

 

そこで、起動時にBIOS設定から「IDE」に切り替える必要があります。

 

マザーボードによって違いますが、電源を入れてからディスクが起動するまでの間に特定のキーを押すことでBIOS設定画面へと入ることができます。

 

多くのマザーはF2キー、もしくはDelキーではないでしょうか。今までもこのどちらかでしたし、今のマザーはDelキーでBIOSに入ることができます。

 

実際の設定項目ですが、マザーボードによって違いますので省略します。「大項目」から詳細な項目を見ていくと、すぐにわかると思います。

 

設定項目が「AHCI」となっている箇所を探すだけです。もしくは「IDE」のままか。

場合によっては「RAID」となっている人もいるでしょうが、RAIDやインテル スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)を構築している人なら説明は不要でしょう。

 長々と続きましたが、ようやく本当の意味での準備が整いました。「設定保存」となるF10キーを押してBIOSを抜けます。

 

そして、光学ドライブに先ほど焼いたディスクを入れ、CDから起動します。これで「HDAT2」が起動します。

 もし、画面に「A disk error occurred」などと表示された場合は、光学ドライブではなくSSDから起動しようとしています。空のSSDなので、起動できなくて当然です。

 

そこで光学ドライブから起動するためにBIOSの起動優先順位を変更してもいいのですが、普通Windowsを構築して使っていると光学ドライブから起動することはあまりありません。少しでも起動を早くするため、起動順位の1番がSSDの方が都合はイイ。

 最近のマザーボードは、そんなときのために「Boot Menu」が用意されているものも多くあります。

 うちのマザーボードであれば、起動時にF12キーを押すと「Boot Menu」が立ち上がります。今までの経験では、AsusのマザーボードはF8キーのことが多かったですね。

この「Boot Menu」をうまく使えば、お互いに依存しない完全に独立した複数のOSを使い分けることができます。普通に複数のOSをそれぞれのストレージにインストールすると、MBRに「主」と「従」ができます。「従」のSSDからWindowsを起動するために、「主」となるSSDが必要となるんです。ということは「主」のSSDが壊れたら「従」のSSDからも起動できなくなるという…。

 こんなときも「Boot Menu」を使えば、完全に独立したOSを簡単に切り替えながら活用できます。

 それぞれ1枚だけ接続した状態でOSを構築し、もう片方のOSから起動するためにはF12キーを押して別のSSDを選ぶだけ。

 余っているVistaなどがあって、それを検証用OSにしたい時などはこの方法が大活躍します。

 

さて、余談はこれくらいにして「HDAT2」の起動です。

 

起動時にF12キーを連打して「Boot Mneu」を表示させます。

 

その中から光学ドライブを選択してEnterキーを押せば、ディスクから起動します。

起動する、といってもコマンドプロンプトが立ち上がるだけです。

 

ここで「HDAT2」と入力し、Enterキー。これで立ち上がります。

 

立ち上がったら、メニューから実施したいデバイスを選択します。

 

黄色い文字の「SSD」を選択します。

迷わないように、HDDなど外せるデバイスは外しておいたほうがいいでしょう。

 

デバイスを選択すると

 

次の画面に移ります。

ここから「SET MAX(HPA) menu」を選択します。

 

すると

 

こんな画面になるので、設定開始です。

「New Hidden」のところが設定項目で、ここに予備領域としたいサイズを入力します。

Insertキーを押すと、数値入力モードになります。

数字を打ち込み、Enterキーを押すと右側にKB(GB)換算された数値が出るのでそれを目安にサイズを決定します。

 

レビューアー募集のページには

「512GBから予備領域を取って480GB」みたいなことが書いてあったので

 

倍の64GBとなるよう、32GBに設定してみました。

数字を入力してEnterキーを押すと、右側に「32.00GB」と表示されました。

ここでSキーを押して確定させます。

 

画面下にこのような確認メッセージがでるので、Yキーを押して完了です。

あとは、光学ドライブからCDを取り出してWindowsを起動します。

 

 

ですが

 

 

よくある失敗。そのままだとブルースクリーンを拝むか、再起動ループに陥ることがあります。

 

さきほど、SATAを「IDE」モードにしているので「AHCI」に戻さなければ起動しません。

コレ、よくやってしまいます。

 

さて、無事にWindowsが起動したら「ディスクの管理」を開きます。

 

ここでも初期化を促すメッセージが出ますが、とりあえずキャンセルしてディスクを見ると

 

(実施前)

 

(実施後

 

ちゃんと容量が減っているのがわかります。

これで、オーバープロビジョニングの設定が完了しました。

 

 

2.速度比較

 

さて、設定が終わったところで速度の検証に入ります。

実は、設定する前に速度は計測してありますので、設定後に改めて速度を計測するという流れになります。

 

書き込みのベンチマークということで、大きく「単一の大容量ファイルのやりとり」「多数の小ファイルのやりとり」という2種類をお送りします。

そして、比較対象に手持ちのSSDとして

 

 

 

 

のベンチマークも取りました。

 

まずは「単一の大容量ファイルのやり取り」から。

 

録画したテレビ番組です。TSファイルで30分。

 

これを「TMPGEnc Mpeg Editor3」を使い、無劣化編集します。

冒頭の余分、途中のCM、そして最後の余分をカット。音声はAACから変換されますが、映像はカット部分のみの編集となるいわゆる「スマートレンダリング」です。

元ファイルをSSDに置き、完成ファイルもSSDに置きます。もともと3GBほどもあるファイルで、完成ファイルも2.5GBほどのサイズがあるので大容量なファイル操作の代表、といったところです。

「読み」と「書き」が同時に行われるので、ストレージ速度に非常に影響を受けると思います。

 

それでは、まずはIntel SSD 520のデフォルト状態から。

 

実は、この操作を単一のHDDで行うと3分以上かかります。なので、普段は5400回転の1TBから7200回転の1TBへと転送するようにしているんです。

同じストレージから読み出して、同じストレージへと書き込んでいるのにこの速さはさすがです。

これで「読み書きの寿命」さえなければ…

次に、オーバープロビジョニング後のベンチ。

 

えっと…

むしろ、遅くなってしまいました。まぁ、わずかな差なので「誤差」といったところでしょう。

 

気を取り直して、今度はSAMSUNG 830。

 

やはり速い。

Intel SSD 520のデフォルトとオーバープロビジョニングの中間、という結果になりました。

 

最後は、Crucial M4。

 

やっぱり速いですね。

ですが、さすがに容量が64GBと少ないため、同時アクセスチャネル数の違いなのか両者には負けるという結果になりました。

 

 

 

さてさて、次は「多数の小容量ファイルの操作」ということで、464枚のJpeg写真を圧縮して1ファイルへと変換します。

作業用フォルダのプロパティは

 

こんな感じです。

圧縮に使うアプリケーションは、WinRARです。コレを使いRARファイルへと変換します。

 

まずは、Intel SSD 520デフォルトから。

 

この進捗画面ですが、作業が完了すると消えてしまいます。なので「残り1秒」のところで一時停止した画面を載せています。

「4分18秒」というのが速いのか遅いのか、なんとも判断つきません。

 

次は、オーバープロビジョニング後。

 

結果は「4分15秒」。

これも誤差の範囲でしょうが、若干速くなっています。

 

続いて、SAMSUNG 830。

 

結果は「4分17秒」。

面白いことに、またもやIntel SSD 520のデフォルトとオーバープロビジョニングの中間、という結果になりました。

 

そして、Crucial M4。

 

 

結果は「4分21秒」。

やはり一番遅くなりました。

 

 

ということで、私の検証した結果ではオーバープロビジョニングによる明確な優劣はつきませんでした。

 

 

3.速度検証

 

次は、お題になっている「CrystalDiskMark Nano Pico Edition」を使ったベンチマーク比較です。

これも使い慣れたアプリケーションなので、サクサクっと測定していきます。

 

まず、Intel SSD 520デフォルトから。

 

シーケンシャルのWriteが、思ったほど伸びていません。設定は標準の

「ランダム」です。

 

さて、これがオーバープロビジョニングを実行すると

 

こうなります。シーケンシャルWriteに限っては伸びています。

ですが、全体的に誤差の範囲といった感じの差異でした。

 

設定した容量が悪いのでしょうか?

 

次に、SAMSUNG 830。

 

これはおなじみの数値です。

 

そして、最後はCrucial M4です。

 

私の手持ちで、初めてのSATA3対応のSSD。そして、シーケンシャルのReadが500MB/sを超えたのも衝撃的でした。

しかし、やはり容量からくるものなのか書き込みの性能差は隠し切れません。

まったく問題ない性能のM4なのですが、上記2種類を使うと差は感じてしまいます。

 

4.まとめ

 

さて、与えられたお題にのっとりお送りしたレビューでしたが、本来の目的である「オーバープロビジョニング」こそ達成したものの、専用ツールを使った「Secure Erase」ができないなど不満の残る結果となりました。

たまたま、代わりとなるアプリケーションを入れていたので難なくクリアできましたが、若干の不安を感じる内容でした。

 

そして、速度変化に至っては、明確なメリットが見出せない結果となってしまいました。

多少変えても変化がないと思い、一気に32GBも割り当ててしまったのがいけなかったのか。

もう少し、情報を集めてみようと思います。

 

まだ「可能であれば…」という項目もあるので、それも含めて情報を集めてみます。

なにか有益な情報が集まり次第、追記という形で足していきます。

 

そして、コレがSSD単体性能になると話は変わります。

今、メインでSAMSUNG 830を使っているのですが、ためしに同じOSを複製して起動してみましたが、明らかにSAMSUNG 830より起動もシャットダウンも早くなりました。

容量からくる余裕なのか、新しい製品ゆえの優位さなのか。

 

これだけの容量、速度があればデータ用のHDDすらもいらない人は多いでしょう。

初めて買ったSSDは「32GB、12,000円、プチフリつき」という今からするとありえないほどの低性能でした。

しかし、それと同じ容量を「予備領域」とするほどに容量単価は下がり、性能は劇的に向上しています。

 

現状に満足することなく、新しい技術やシステムを考えている人たちに敬意を表して、長く使わせてもらおうと思いました。

 

(8月28日 追記)

どうしても気になったので、設定を変えてベンチマークを測定しなおしました。

まず、Intel SSD 520デフォルト。

 

設定を0x00にしています。

シーケンシャルのWriteは倍近くになりました。これは、コントローラの性能なのでしょうか?

ほかの方のベンチマークも見てみたいです。

 

そして、オーバープロビジョニング後。

 

こうなりました。

これまた、ほぼ誤差の範囲です。

 

オーバープロビジョニングに期待し、多くの方がレビューに申し込まれたと思います。

その中で選出いただいたのに、皆様の期待に応えるような結果が出ないのは非常に申し訳なく思います。

もう少し、設定に関する情報を集めてみます。

 

 

 

 

( 9月2日 追記 )

 

本レビューのコメントにて、リクエストをいただきましたので追加検証してみました。

 

まず、本レビューの結果が

「デフォルトの32GBであるオーバープロビジョニング領域を増やしても効果がないのでは?」

となったのが発端です。

IntelのSSDは、ほかのSSDからすると中途半端なサイズになっています。

 

「128GB」ではなく「120GB」

「256GB」ではなく「240GB」

「512GB」ではなく「480GB」

 

となっているのは、それぞれ

 

「8GB」

「16GB」

「32GB」

 

を最初からオーバープロビジョニング領域として確保しているからだそうです。

そして、それを倍の「64GB」まで増やしても、結果は誤差の範囲でしかなかったのです。

 

この結果から

 

「Intelで最良と思われる容量を最初から当てているのでは?」

 

との結論に達し、そこから

 

「じゃあ、一般的なSSDにオーバープロビジョニング領域を追加するとどうなるのか?」

 

という疑問がわき上がりました。

 

 

 

 

そこで、追加検証。

 

普通のSSDにオーバープロビジョニング領域を設定したら、どうなるのか?

 

をお送りします。

先の検証で一番低い性能だった「Crucial M4 64GB」を使い、Intel SSD 520 480GBと同じサイズのオーバープロビジョニング領域を設定した前後での結果を検証してみます。

 

さて、今回用意したSSDは

Crucial M4 64GBです。

 

シーケンシャルReadで500MB/Secを超えるほどの性能を有しており、普及帯のSSDとしてはコストパフォーマンスに優れる逸品です。

 

しかし、昨今のSSDに起きている「価格破壊」「容量インフレ」に伴い、一線級の性能ではなくなりました。

そこに、オーバープロビジョニング領域を設けることでどれだけ性能アップするのか。

 

期待を込めて検証します。

 

まず、パーティションを削除します

このとおり、64GBのSSDです。

 

ですが、このままではオーバープロビジョニング設定ツールである「HDAT2」では設定できません。

 

そのため「Acronis Disk Director」を使いSSDを初期化前の状態に戻します。

 

「Acronis Disk Director」を起動し、ディスクをクリアすると

このようになります。

 

この後、BIOSからSATAモードを「IDE」にしてCD-Rから起動します。

そして、32GBをオーバープロビジョニングに設定。

 

BIOS設定を戻して、Windows7を起動すると

「ディスクの管理」で表示されるのはこの通り。32GBのSSDとして認識されています。

 

さて、検証開始です。

 

本編に準拠して、性能を検証します。

ただし、数日前にBIOSのメジャーアップデートをしており、BIOSからUEFIへと変更されています。なので、純粋な比較とはいえない部分もあるので改めて

 

「オーバープロビジョニング前」

「オーバープロビジョニング後」

 

のデータを集めました。

 

まずは、連続書き込みの代表

Mpegファイルのスマートレンダリングです。

 

「TMPGEnc Mpeg Editor」を使い、同SSDから読み出して同SSDへと書き込む時間を測定します。

 

これが、結果

オーバープロビジョニング後で、1秒ほど時間が短くなりました。

誤差かもしれませんが、期待どおりの結果となってます。

 

 

 

次に、ランダム読み書きの代表

多数ファイルのRAR圧縮です。464個のJpegファイルを、単一のRARへと圧縮します。

もちろん、SSD上に置いてあるファイルをSSD上のRARファイルへと圧縮します。

 

使うアプリケーションは「WinRAR」です。

 

例によって、圧縮が完了すると進捗ウインドウは消えてしまうので「残り1秒」のスクリーンショットでお送りします。

 

さて、結果は

なんと、5秒も縮みました。

これは誤差とは言うには大きい結果です。どこかの記事でも「ランダムアクセスが速くなる」という記載を見た気がしますが、そうなのかもしれません。

 

そして、最後はベンチマーク。「CrystalDiskMark Nano Pico Edition」の設定を変えて3パターン、ベンチマーク結果をお送りします。

 

まずは、デフォルト設定。

いや、なんとも…

ほぼ同じです。

 

そして「0x00」。

これまた、ほぼ同じ。

 

最後は「0xFF」。

もう、ここまでくると予想通りですね。

 

追加検証の結果

 

これまた、微妙な結果となりました。

 

3つの検証をした結果、ハッキリと結果が出たのはひとつだけ「ランダム読み書き」の項目だけでした。

 

ですが、やはりオーバープロビジョニングは多少なりとも効果あることがわかりました。

もしかしたら、長期運用によりもっと具体的な差がでるかもしれませんが、それをココのレビューでお送りするのは困難なため今回はお送りします。

実際、Samsungの純正SSDツールでも「未使用領域」を10%ほど設定する項目が用意されています。確かに効果があるという証拠なのでしょう。

 

今までもプチフリ対策としていろいろと設定を施してきたSSDの運用ですが、その中に「オーバープロビジョニング」を含めてみるのも一興かもしれません。

コメント (13)

  • kumagumiさん

    2012/08/29

    レビューお疲れ様です^^
    私はボチボチとやってるのですが
    「Secure Erase」私も同じ問題に引っかかりました・・・
    使用しているマザーは ASUSのP755Dなのですが、
    理由はIDEコントローラーが古かったため・・・のようでした。
    ドライバ更新により、無事いけました^^

    ひょっとしたらドライバがSATA AHCI対応でないかもしれないですね^^
    (外していたらすいません・・・)
    よかったらお試しください・・・

    では
  • 稲蔵さん

    2012/08/29

    kumagumi さん

    コメントありがとうございます。

    IDEドライバ、ですか。AHCIモードで使っているので、気にもしませんでした。
    ドライバの更新、次の機会に検証してみます。

    わざわざの情報、ありがとうございます。
  • TakOnuさん

    2012/09/02

    Intelは、もともと32GBもスペア領域として当ててますからね……。
    実はそれがもっとも最適なスペア領域なのかもしれません。
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