レビューメディア「ジグソー」

30年以上前のレンズながら、静物撮りなら十分優秀

普段Canon EOSシリーズのカメラで使っている標準ズームレンズは、EF 24-105mm F4L IS USMや、EF 17-40mm F4L USMといった、比較的低価格帯のLレンズです。

 

 

 

 

 

 

ただ、これらは率直に言って、より高価なLレンズと比べると精度感が甘かったりするなど、安いなりと感じられてしまう部分があります。特に高画素化が進んでいる最近のデジタルカメラでは、結構粗が目立つことがありました。

 

勿論、より高価なレンズを買えばある程度解決する問題であることは間違いありません。しかし、カメラも一応商売道具ではあるものの、あくまでたまに必要になる程度でそこまで本気で取り組んでいるわけでは無く、そこまで予算が回りません。

 

最近は格安中古やジャンク扱いで面白いものを見つけたら試してみる程度ですが、その中でもなかなか使えるものを引き当てることはあります。

 

 

 

 

 

 

 

今回購入した、Canon EF 28-80mm F2.8-4Lも、ズームリングが固く使いにくいということでジャンク扱いとなっていた品を購入したものです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

購入時点でCanon純正のプロテクターが装着済みだったため、そのまま使うことにします。ただ、このプロテクターの縁に打痕があることから、ぶつけたか落としたかということでしょう。もっとも、ズームリングの固さはそれとはあまり関係なく、グリス切れかグリス固化が原因ではないかと思われます。

 

 

 

 

 

 

 

その部分を除けば外装は年式を考えれば美品といえるレベルでしょう。意外と文字欠けなどもありません。

 

 

 

 

 

 

 

プロテクターには埃などがありますが、光学系は予想以上に綺麗でした。本当にズームリングだけの理由でジャンクとなっていたようです。

 

更新: 2020/05/21
画質

室内撮りならほぼ不満なし

少しだけですが室内で撮影してみましたので、そちらをご覧ください。いずれもボディはEOS 7Dと組み合わせています。

 

 

 

 

 

 

▲EF 28-80mm F2.8-4L 70mm 1/20 F4 ISO2000で撮影
▲EF 28-80mm F2.8-4L 70mm 1/20 F4 ISO2000で撮影

 

 

 

思いのほかボケが綺麗です。率直に言って、同じように撮影したEF 24-105mm F4L IS USMの作例と比較しても、ボケ味や色のトーンはこちらの方が好みでした。

 

 

 

 

▲EF 28-80mm F2.8-4L 35mm F3.2 1/20 ISO2000で撮影
▲EF 28-80mm F2.8-4L 35mm F3.2 1/20 ISO2000で撮影

 

 

 

この2枚はいずれもその焦点距離の絞り開放で撮影しているのですが、30年前のレンズでありながら解像感や精度感も悪くありません。ただし、2枚とも若干手ぶれが出てしまっていて、本来の解像感は発揮できていないことはご了承ください。最近手の後遺症が結構出ていて左手が震える状態であり、スローシャッターが思うように切れないのです…。

 

更新: 2020/05/21
総評

色々と難はあるが、この価格でこの画が撮れれば十分

画質については、購入価格からすれば文句ありません。

 

ただ、それ以外の点では弱点も目立ちます。このレンズの詳細については、キヤノンカメラミュージアムに詳細資料が掲載されていますので、そちらをご覧いただければと思います。

 

まず、発売は1989年1月であり、何と初代EOS-1よりも先行して発売されています。当然30年以上前のレンズですから、既にキヤノンのサポートは一切受けられません。修理どころか調整すら断られます。

 

また、上記の資料でご確認いただければ判ると思うのですが、さほど大きなレンズでは無いにもかかわらず、重量が945g、すなわち1kg弱というほどの重さです。大きさはEF 24-105mm F4L IS USMの方が大きいのですが、手に持ったときの重量感は圧倒的にEF 28-80mm F2.8-4Lの方が上です。手元にあるカメラでは、EOS 5DやEOS 7Dであればまだ受け止められる重量ですが、アダプター経由のミラーレスカメラ利用時などはマウントへの負荷が心配になるレベルです。

 

また、このレンズの大きな弱点となるのがフォーカス調整機構です。一般的なEFレンズと同様にAFとMFはスイッチで切り替えるようになっているのですが、実はMF時にはフォーカスリングを回すとその回転が検知され、AFモーターを使ってレンズを動かすという電子マニュアルフォーカス機構が採用されているのです。一般的にAF対応レンズはAF機構が故障しても、MFに切り替えれば手動調整が可能なはずですが、この方式ではMFでもAF用のモーターで動かしているため、AFが故障した時点でフォーカス調整が出来ないレンズとなってしまう可能性が高いのです。

 

この後の世代からはAF駆動用にUSM(超音波モーター)が使われるようになり、フルタイムMFに対応するようになったためこの問題は解消しています。EFマウント初期ならではの仕様なのですが、これが結構壊れやすいというのも不安材料ではあります。

 

それでも、この価格で買えるレンズとしては望外の画質(屋内撮影時や屋外でも順光時)ですが、重さや故障のリスクと付き合える人だけに勧められるレンズといえそうです。

  • 購入金額

    16,500円

  • 購入日

    2020年05月20日

  • 購入場所

    HARD OFF

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