レビューメディア「ジグソー」

名車アルファスッドの後継車でありながら 時代に翻弄され歴史に埋もれた ALFA33 写真追加

ただいまZIGSOWさんでは

 

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今回は自分にとって初めての輸入車であり 

初めての縦置きエンジン車であり 

初めての手動チョーク付きキャブレター車であり

(5ドアですが)初めての4ドア車

 

Alfa Romeo33 それを登録先をヘインズのマニュアル本という形を借りて書きたいと思います

 

12/18追記 当時のカタログと 

      新車として紹介記事が掲載されていた1984年5月号モーターマガジンを発掘したので

      追加掲載します

 

 

更新: 2019/12/18
実用性

4ドアの 運転の楽しい マニュアルトランスミッション車が欲しかった

アコード プレリュード インテグラ いずれもホンダの2ドアMT車を乗り継いできましたが

子供が生まれることを機に 4枚ドアのクルマに買い換えようという話になりました

 

でも その時 ホンダに4ドアMT車は無かったんです

 

ちょうどその時 このアルファをランチアテーマ8.32に買い換える知り合いがおりまして

ディーラーを通す形で 譲り受けることになりました

 

新婚旅行で行ったマレーシアのリゾートホテルのエントランスに この33の赤と出会ってます

その時は33などというレア車の存在など知る由もなく、ただ小さなアルファがあるな 程度にしか

感じていなかったのですが 写真に収めた記憶があります

 

なにやら縁が有ったのかもしれません

 

全長4メートル強 同時期のカローラセダンとほぼ同サイズです

ボルボにもよく似た外観の小型車がありました 確か440 あれも珍車の仲間かもしれません

 

オリーブメタリック 下半身はチャコール・ブラック アルミホイールはスペアタイアにも

内装はオープンカーのスパイダーと共通部品を持つ独特なもの

椅子はブラウンファブリック シーリング材もベージュ系の布張り オシャレでした

ノンパワーステアリング フロントドアのみパワーウィンドウ装備

 

欧州車らしくフロントシートの角度はダイヤル式で微調整が可能なものでしたが 走行中にそれを行うことはほぼ不可能 

流用設計なのか 壁と椅子のダイヤルの間に手が入らないお粗末な配置でした

 

ハッチバックですがリアワイパーは未装備

後付触媒のためどうしてもマフラーには水が溜まるので錆びて腐ってしまいます

後にアンサー製に交換

標準ダンパーは日本の気候に合わず、同じ純正部品に変えても無駄なのでKONIのスポーツショップに替えました

ラゲッジサイドに収まるジャッキも素晴らしいデザインだったんです 写真が無いのが残念

お見せしたかった

 

 

 

 

更新: 2019/12/18
性能

名車アルファスッドの後継車だが 先代が持っていたスポーツカー的な味わいは薄かった

 

掲載したかったヘインズのマニュアル本は、当該車を手放す時に 次のオーナーの役に立つならと考えて助手席の上に乗せて送り出しました。

デジカメの時代ならいくつかのファイルとして残せてあげられたのに、少し残念な気持ちです

1988年頃 CGに掲載されていた通販サイトから5,000円ほどで購入した覚えがあります。

 

手元にあるのは、正規ディーラー・アレーゼ京都(現アルファロメオ京都)からクリスマスプレゼントとしていただいた 分厚い写真資料集

ここからアルファロメオ33のページを抜粋しながら そのクルマなりをお伝えします

 

右ページに掲載されているのが まさに私が所有していた アルファロメオ33 色も仕様も同じ

左ページに掲載されている赤い3ドア車は33の直接のご先祖である アルファスッドです

 

 

 

アルファスッドは松任谷正隆氏にとって最初の輸入車であること

CG初代編集長小林彰太郎先生が絶賛した小型乗用車としても知られています

日本初のFWD車であるスバルFF1000を研究して、多くの部分を参考に設計されたと言われている

水冷水平対向エンジンを縦置きにしたFWD車です

そのレイアウトは、フロントのインボードディスクブレーキシステムという普通の乗用車は決して採用しない凝った部分まで同じです。 そう思うとスバルはすごいな、あの時代に。

 

今 アルファロメオ33 と検索すると この生産車とは似ても似つかないレーシングカーが出ます

その33も水平対向エンジンを搭載していたんです 勝利に勝利を重ねた名車です

 

 

アルファスッドの スッドはイタリア語で南を意味します

イタリアの北 ミラノを本拠地とするアルファロメオ 

当時は国営企業でしたので、経済的に格差のあった南部地方を助けるために工場を新設したんですね。 その工場で作る車だから アルファスッドと名付けられていました。

軽量なモノコックボディに低重心の水平対向エンジンを縦置き ブレーキはインボードディスク

とにかくよく曲がるクルマで、特に下り坂では倍以上の排気量を持つクルマをゆうゆうと追い回せることで有名になっていました

但し当時のアルファロメオは防錆処理が悪くて 湿度の高い日本ではフロントスクリーンがぐさっと

落ちるなどの 笑い話のようなことが起こったそうです

アルファを買うことはサビを買うことと同義である などと陰口も叩かれたそうです

 

 

そこでドイツ製アウディやVWを参考に 徹底的な防錆処理を行うことになります

 

折しもニッサンとアルファロメオが技術提携をした時代に世に出たアルファ33

下の写真はアルナと呼ばれていた珍車です

アルファのアルとニッサンのNを混ぜたネーミング

昭和のニッサンにあったパルサーというクルマをご存知でしょうか?

パルサーにアルファロメオ製の水平対向エンジンを搭載したFWD小型車で 少ない数ですが日本にも輸入されていたそうです

また本家ニッサンパルサーにも 内装に緑色をあしらったミラノX1という特装車も存在してました

 

そのニッサンが、アルファ33に施されていたフルジンクロメッキ処理を見て、こんなことしてるから儲からないんだ ここまでする必要はない と言ったそうです

 

後に私は その防錆処理に助けられることになるのですが それには後ほど触れることにします。

 

 

 

 

 

名車アルファスッドからOHC水平対向エンジンを縦置きにした前輪駆動というレイアウトは継承した

ものの、バネ下重量を軽減するインボードディスクは不採用となりました

 

前マクファーソンストラット 後ろ半固定アクスルにドラムブレーキ 変速機は5段マニュアル

 

ストライキの多さを想定していたアルファロメオは、キャブレターにデロルト、ソレックス、ウェーバーのいずれかが搭載されていますが アルファスッドの時はツインキャブ仕様も存在したのに

33はダウンドラフトのシングルと劣化しておりました

 

 

因みに私の33にはウェーバー それも手動チョーク式のものが採用されています 

 

スパークプラグはロッジというイタリア製の円周部から火花を飛ばす不思議な形状のものが採用されていましたが 私はNGKに換装してました

 

また標準のダンパーは日本の気候に合わず 2万キロを待たずにオイル漏れを起こしていたようで

KONIのスポーツショップに換装 バネは標準をそのまま使ってました

 

現地カタログと車検証を比べると、車高が数センチ高くなっていました

理由は日本で後付されたセンターマフラー部にある触媒装置のロードクリアランスを稼ぐためだと思われます

少し腰高感が出ますが、当時頻繁に訪れていたゲレンデ近くでは その最低地上高の高さ故に

かなり楽ができました

また、左右対称の水平対向エンジンレイアウトもその助けになります

 

レオーネと異母兄弟 とにかく雪に強いクルマでした

 

雪上行時にはミシュランのスタッドレスタイヤS+100を愛用 サイズは175R13・70

 

 

 

 

 

 

更新: 2019/12/18
使用感

アンダーしか出ない

スロットルで姿勢を如何様にもコントロールできた初代プレリュード

打って変わって常に弱アンダーを示す初代クイントインテグラ 

そのインテグラでもスロットルを戻すと コーナリングラインは明確に内側に寄る

それがFWD車のセオリーだと思ってました 

33と出会うまでは

 

しかし重たい水平対向エンジンをフロントアクスルの前にドンと載せた33は 常に強アンダーしか示してくれません

中央高速道路を茅野インターから西へ向かうと、ずっと下り坂が続くのですが、とにかく重いステアリングを切りましながらという作業の繰り返し

スロットルを戻しても 速度が落ちるだけなんです

 

もちろんもっと速度が低い、そしてRの強いコーナーが続く峠道でも同じ。

 

アルファスッドが持っていただろうミズスマシ感とは縁遠い

良く言えば安全な 悪く言えば退屈なハンドリングに終止するクルマでした

 

また峠道ではブレーキのフェードにも気をつける必要があるクルマでした

でも ここ一発の急制動 それも高速道路の法定速度を超えたところからの急制動時には

ホンダ車では味わえなかった安定感を保ちながら減速〜停止が可能でした

 

そのあたりは設計時の想定速度の違いがあるのだろうな と感じてました

 

 

 

現在のアルファロメオには存在しない アルファ乗りの儀式があったんです

知る限り75までは存在しておりましたが、155では不要になっていた儀式

 

それは停止から1速にギアを入れる時に、いちど2速ゲートを「舐める」こと

 

具体的には一度下に少し下げて、カウンターギアを回してから上に上げて1速に入れるんです

この作業を怠ると、MTミッション時代のバスのような「ガリッ」というギア鳴りが出ます

 

あくまでもカウンターギアを回すことが目的なので、走行中に3速〜2速〜1速とシフトダウンする時は強力なシンクロの効果を得ることができます。 スパッと入るんですがね。

 

 

チョークを使うのは、原付バイク以来のこと。

 

夏場はチョークを引かず、左手で回すキーを使い、セルモーターの音を確認しながらジワッと

アクセルを開けつつのエンジン始動

 

冬場はチョークをいっぱいまで引いてアクセルを2度ほど深く踏み込みます

次にアクセルを踏まずにセルモーターを回します エンジンがかかればその回転は2000回転ほど

暖気の様子を見ながら徐々にチョークノブを戻すという手法です

 

残念ながら この写真は後期モデル おそらく1.7Lのインジェクションモデルだと思います

私が乗っていた1.5Lキャブレターモデルは、助手席側グラブボックス下には吊り下げ式クーラー

ステアリングはアルファスパイダーと共用の3本スポークウッドリム

中央に3つ左右に各1の丸形エアアウトレットもスパイダーと共通部品です

また左右のエアアウトレットは、シュノーケル式でして直にホイールハウスの中に繋がっております

新品タイヤの慣らしが終わらぬ間に高速走行を行うと ゴムの焦げた匂いが車内に充満しました

 

アンダー一辺倒のつまらないハンドリングだと断罪しておりますが

その反面 ホンダ車には無かった欧州車らしい 良いシャシー性能を感じたこともあるんです

たとえば自動車専用道路に入る時、螺旋状に回り込みながら登る そんな状況下で

道路の継ぎ目を越える時

ホンダの各車は ダンっと継ぎ目を越えるたびにクルマが横っ飛びします

33で同じ速度でアプローチすると、よく伸びる内側サス 踏みこたえる外側サスが見事に調和して

ステアリングが狙ったラインを外さないんです

ただ速度が上げすぎるとじわじわとアンダーステアが顔を出す そんな塩梅でした

 

ジャッキを使ってタイヤチェーンをはめる時 そんな時もホンダ車よりジャッキに多くの仕事をさえないとタイヤが地面と離れない

サスペンションストロークの差を感じることが多かったです

 

 

これはエンジンとラジエーター ヒータコア 各種センサーの配置を示す図面

運転席側画から見て右側のシリンダーヘッドに水温センサーが備わります

それ故大きく左に回り込むコーナーでは水温が下がり その逆では水温が上がっていると

水温計がいちいち反応してました

燃料系のそれも平均値を演算して表示するという手法が取られていないようで、登坂路では

上りと下りでひとメモリの上下がありました  大雑把ですわ。

 

縦置きエンジンとギアボックスが生む等長ドライブシャフトはスバルと同じ

路面の条件が悪くなればなるほど その利点を感じることができました

 

但しロッドリンケージのシフトノブ側に問題が発生したことがあります

大晦日の午前零時ころ 久居市までしか伸びていなかった伊勢自動車道を降りて国道を目指し

保線橋を超えたところで 突然脱臼 

シフトは4速にはいったまま ブランブランしてます

とにかく路肩に寄せて 自分の脚で公衆電話を探しJAFを呼びました

レッカーを待つ間 簡単な造りのコンソールをばらして シフトノブの付け根のゴムブーツを剥がしリンケージが破断していることを発見

車載工具のマイナスドライバーをリンケージに突っ込んで とにかくニュートラルにすることに成功

なんとか3速と4速とニュートラルを選択することが可能な状態を確認しました

JAFの方と打ち合わせを行い、停車場所から数キロ先にあった工場へ自力走行したんです

半クラッチを駆使してね

1時間後に戻ってきてくれた係の方が 破断したボルトを確認

新しいボルトをバーナーで焼き そして冷水で冷まし焼入れ作業

数十分で治してくださりました 

 

 

コンソールをJAFがバラすことはできないがオーナーがそれをしてくれたからこその作業だったようです このあと二度と脱臼することはありませんでしたよ

今は任意保険でJAF相当のサービスを受けることができますが JAFさんとの契約は続けてます

ありがとうJAFさん

 

右下のパネルのモデルでしたが 速度計と距離計はよく停止してました

全ての計器は電気式なんですが とにかく接触不良なのか静電気の悪さなのか よく止まりました

昭和のテレビのように 走行中に叩いたり メーターパネルの裏蓋を外してコネクターを弄りました

 

 

更新: 2019/12/18
総評

若かったから トラブルを楽しむことができた

これはウェブ上で拾える無料のワークショップマニュアル

昔はこんなものありませんでした

古い車 日本に千台も走っていない珍車 それをなんとかなだめすかすためにヘインズのマニュアル本を買ったんです

 

それがあったから 真冬の車山高原スキー場からの帰り道 自動車道の料金所で 一度下げた窓ガラスが上がらなくなった時も スイッチをバラして直結することで難を回避しました

ウィンドウォッシャータンクが壊れた時も廃車置場から取ってきた(有償ですよ)マークツーのそれを移植しました

後席2点式だったシートベルトは、軽自動車のフロント用3点式を移植しました

 

構造が簡単だから まだ内装が簡単だったから あれやこれやとDIYすることが出来ました

 

当時の国産車として同クラスのどれよりも振動の少ない音の小さいアイドリングを誇っていた

ホンダ車と比べると、火が入ったらすぐに自己を主張するアルファロメオのエンジン

粗暴だけど 俺は生きてるよ そうクルマが言っているような気がしてました

 色々なことがあったけど 若かったから それを楽しめたんだと思います

 

 

亜鉛めっき鋼板 フルジンクロボディに助けられたエピソード

 

 

子供が小さい頃 タミヤのミニ四駆が流行っていた頃

 

家内の実家 南伊勢町の広い石浜で ミニ四駆を走らせて子供を楽しませていました

 

固い石浜 フラットな石浜だったので リアルミニ四駆や とばかりにダート走行を楽しんだんです

 

盆地育ちの悲しさよ 家内が一緒だったら大丈夫だったのかもしれませんが やがて満潮に

 

あんなに硬かった石浜が 少しづつゆるくなってきていたことに気づけませんでした

 

そうして海にフロントを向けた状態でスタック 前重フラット4アクスルの下の前輪は

さながら潮干狩りの重機の体を晒しだします

 

通りすがりの方が牽引してくださりましたが、到底引き上げることは無理

今からJAFをを呼んでも 到着する頃には手遅れか と諦めかけていたのですが

その時 義父が軽トラで駆けつけてくれ、船小屋にあるウインチを利用して漁船を引き上げる要領で

グイグイと助けてくれたんです

 

それでもフロアパンもフロントマスクも潮を被ったイタリア車の行末は、、、

でも 

前述の ニッサンが無駄と断罪したフルジンクロ全面亜鉛めっき鋼板のボディシェルは

その後もサビを出すことが無かったんです

 

 

ただし日本車なら当然軽合金製であるはずの、ブレーキマスターシリンダーやリアドラムシリンダーは鋳鉄製だったので 潮を浴びようと浴びまいと 日本の湿度には耐えられないものだったようです

 

ブレーキマスターシリンダーはクラッチマスターシリンダーと共用で 先にクラッチが切れなくなるので 有る意味フールプルーフ設計とも言えますが 

仏作って魂入れずではありませんが ボディだけ亜鉛めっき鋼板を採用しても 機構部分が錆びてしまったらなんにもなりません 

過渡期だった といえばそれまでですが イタリア娘との国際結婚はトラブル続きでありました

 

 

 

  • 購入金額

    1,500,000円

  • 購入日

    1988年頃

  • 購入場所

    アレーぜ京都

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