日本のソウルディーヴァ、MISIAの9thアルバム。．．．というか不覚にもこの作品、オリジナルアルバムと思っておらず入手が遅れた。タイトルは“JUST BALLADE”。MISIAはダンス～ヒップホップ～ソウル～ブラコンあたりのフィールドで活躍するアーティスト。一時期ビート系に振ったことがあったが、現在は伸びのある声と広い音域、ダイナミクスの広さや発声の多彩さで感情を込めやすいソウル系バラードが最も中心となる分野。周りも彼女に期待する点はそのあたりのようで、ドラマの主題歌やCFソングでの採用でもその系統の曲が多い。
本作“JUST BALLADE”もタイアップが多く、TVドラマ、映画の主題歌・挿入歌、CF曲、イメージソングが目白押しで、全14曲中10曲が何らかのタイアップをしているというものすごさ（一部の曲は複数タイアップもある）。
そんな「聴いたことがある」曲が多く、タイトルも「バラード選曲」とも取れなくもない題名だったので、てっきり分野限定ベストだと勘違いしていたが、実はオリジナルアルバムだった。
聴くとさすがにバラード系楽曲は声にも合い、表現力も遺憾なく発揮されてスバラシイ。でもcybercatってひねくれてンのよね。
．．．ということでタイアップが入っていない曲を中心にｗ
「Call me Love me」は渡辺香津美のスパニッシュテイストの生ギターの刻みとソロが印象的な情熱的な曲。良く動くウッドベースとティンパレスの響きが印象的な速めの曲だが、MISIAはそれ半テンに取るような朗々とした歌い方で、空を飛んでいるような伸びやかさ。これはイイ曲！
つづく「So Beautiful」は、音使いがスバラシイ。寄せては返すストリングスに絡むウォームなオルガン、彩るエレピ、サビを支えるシタールのような音．．．その上でMISIAの声が伸びる！ヴォイスコントールが素晴らしく、強弱で語っている。MISIAらしい曲だなー．．と思ったらギターとストリングス以外の全楽器とアレンジがMISIAのツアーバンマス重実徹。つきあい長いのでさすが、「判ってる」。
「Yes Forever」はタイアップ曲の一つだが、厳密には「Piano Version」でアレンジ違い。シングルアレンジは導入後比較的早期にリズムが入り、1コーラス目はむしろギターが目立つ伴奏。その後ストリングスとピアノが大きくなるが無機質なリズムは最後まで通しで入る。ただこれに関しては、彼女のアジアツアーでフィーチャリングされた曲で、そこでのライヴアレンジのイントロがフリーリズムでのピアノ伴奏だったので、ピアノの印象が強くこちらの方が好き。ライヴアレンジでは後半はリズムインするが、本アレンジは前述の重実のピアノと弦楽ユニットだけで最後まで貫き、MISIAの歌声が堪能できる。
初回特典のDVDはシングルのMV（．．．なので「Yes Forever」はCDに入っている「Piano Version」ではないオリジナルヴァージョンが収められる）。その中で異色なのがMISIAの作詞作曲の「バオバヴの木の下で」。アフリカンテイストのある淡々とした曲で、アフリカテイストに寄っていた一時期の久保田利伸のようなイメージの曲。第5回アフリカ開発会議名誉大使も務めるMISIAが現地の人々と混ざって、井戸の水質を見たり歓談したりする様子が静止画で紙芝居のように送られる動画。派手な演出やCGにはない素朴さが良いな。
さすがアフリカ開発会議名誉大使、この馴染み方
初回限定盤（A）はゴールドに輝くスリーブケース入り
【収録曲】
<CD>
1. 少しずつ 大切に
2. 逢いたくていま
3. Work It Out
4. 地平線の向こう側へ
5. Call me Love me
6. So Beautiful
7. 唇と唇
8. バオバヴの木の下で
9. 約束の翼
10. 僕のきもち
11. Yes Forever (Piano Version)
12. 星のように…
13. 銀河
14. いつまでも
<DVD>
1. バオバヴの木の下で (MUSIC CLIP)
2. 星のように… (MUSIC CLIP)
3. 逢いたくていま (MUSIC CLIP)
4. 銀河 (MUSIC CLIP)
5. Yes Forever (MUSIC CLIP)
6. 約束の翼 (MUSIC CLIP)
「Yes Forever」（公式：アルバム収録の「Piano Version」ではなくDVD収録のシングル版）
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購入金額
3,900円
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購入日
2010年頃
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購入場所
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