さてさて、タイトルが不穏ですねw
出落ちみたいなタイトルなので、評価の程は分かると思いますが、しばし、お付き合い下さいませ。
アイテム情報、写真が無かったので、私の購入したものの写真で失礼します。
上記が、パッケージ裏側ですね。
購入した商品は、クイックレファレンス、キャラクターシート二種、TMBクレジット、紙幣、コンバットボード、6面ダイスが欠品。
ユニットコマや、装備、NPCカードは、多分、あるんじゃないかな、位の感じです。
箱のダメージ感は、経年数相応なんじゃないかなあ。
コンディションで不満はありませんよ?
あ、今更ですが、付属シナリオのネタバレとかありますので、これからGMする人は、プレイヤーの皆さんが、このレビューを読まないようにお気を付けくださいませ。
TRPG紹介記事のクォリティを左右するのは、プレイする人間であって、システムの完成度では無かった。
このゲームの紹介記事は、RPGマガジンに載っていたような気がします。
私の購買雑誌がドラゴンマガジン、RPGマガジン、コンプティークだけだったはずなので、多分。
レビュータイトル、この見出し、と低評価を前提とした言葉を重ねるのは何故か?
少なくとも、私が入手した状態のこの作品は、TRPGとして、いえ、ボードゲームとしても。
完成度が低い。
同人誌レベルでは無いかと思われる完成度であったからです。
付属品のコマや、メンバーズカードなど、当時のボードゲームのクォリティとしては、十分なレベルのものはあります。
しかしながら、肝心のシステム、世界設定などの練り込みが不十分。
では、私が感じた不満点を挙げたいと思います。
・システムと世界観の詰め、及び、その説明が甘い。
能力値はオーソドックスな2D6(D○=○面体ダイス、先頭の数字は転がす個数)、判定方法は、目標値に対して、能力値+○D6で上回るか、どれだけ超えたか、を参照。
全ての判定は、能力値の違い、武器や技能の修正の有無の違い程度でシンプルで良いと思います。
これ自体には不満はあんまりない。
世界観には、言いたいことがある。
「東京を未曽有の災害が襲った、それは異世界からの干渉、『融点』というゲートから怪物たちが侵入したり、環境が変わったり、色々して混乱中。異世界の品 物、生物に含まれるものはこちら側では夢物語の成分や機能があるので、駆逐して回収すると儲けが出るので協会を設立して討伐、探索しているよ」という情報 だけで、核心部分(異世界ってそもそも何? 融点の仕組みは? モンスターや異世界の品物が儲けになる仕組みは? 協会はどの程度の権限を持っているのか?等々)の説明が無い。
付属のシナリオをプレイする分には、不足はないかもしれないですが、自分でシナリオ、モンスターなどを作るには情報不足過ぎる。
そして、ルールブックの作り方がオカシイ。
プレイヤー用マニュアルという名前の世界観読本や、キャラクタージェネレーションという作成ルール、判定チェック用のクイックレファレンスが独立しているのは良いと思います。
ゲームマスターだけが知っていれば良い情報まで読まれると、面白さが減る可能性がありますからね。
しかし、ですよ。
ゲームマスター用のルールブックには、上記三種の独立冊子の内容は収録されておりません。
世界観についての詳細は、プレイヤー用マニュアルを読むしかありません。
=ゲームマスターも世界についての知識がプレイヤーレベルという事になります。
同梱シナリオ以外の場所やモンスター、世界などは独自に設定してください、と書いてありますが、無理じゃね?
キャラクター作成ルールの中に、「この能力の詳細はPCが知る必要はない、マスター用ルールブック6ページを参照」と書かれている部分がありますが、それなら、マスター用マニュアルにも同じ作成ルールを収録してそっちにだけ書いてあれば良いことだと思います。
さらに言うと、クイックレファレンスを見ないと作成ルールだけではキャラクター作成出来ない構成、これも、何か、こう、やるせないです。(購入品に欠品しているから言うんじゃあ、ないですよ)
構成について。
60ページ中、40ページがリプレイ。
この時点で何とも言えない感じがしました。しかも、このリプレイ、ゲーム概要、用意すべきもの、簡単な流れの解説、に続いて掲載されています。
主要ルールは巻末に収録。
判定方法や仕組みが提示されないままに流れや、何故、そういう流れにしようとしたのかを解説されても、ピンと来ません。
そういう中で、突然始まるリプレイ記事です。
どこに集まったとか、誰がプレイするか、とか、どうでも良い話から始まりまして、一応、キャラクター作成や冒険の準備、判定方法などが時折、太字で書かれている読み物になっているのですけれども…。
主要ルールはそもそも、初見ではこのリプレイの後に読む感じの収録をされていますので、何をしているのか分かり難いです。(その上、リプレイにしか書いていないルール運用の仕方がある)
当然の事ながら、レビュータイトルに挙げている「良い語り部は云々」はこのリプレイの事ではありません、残念。
能力値の内、「発動レベル」の扱い、いや、世界設定などの重要部分が、購入者に丸投げ。
「発動レベル」はPCが知る必要が無い、とされた能力です。
ルールブックで決められているのは、このレベルに応じてシナリオ中PCの能力が毎回ランダムに密かに上がるという事と、シナリオ終了後に上昇するかどうかの判定をする、という事です。
解説ページには、
「異変、異界に適応する事で目覚めた潜在能力です、経験値レベルに近いです」
「このレベルが上がり過ぎると「人間」でいられなくなるかもしれず、最終的な選択を強いられる局面があることを警告しておきます」
ときまして、
「異世界の根源、融点とは何か、発動レベルによる変化、協会及びそれを設立した者たちの野望、これらはGMの想像力に委ねたいと思います」
との事。
これは酷い!
小説を買ったら、本文が殆どなくて、「導入部書いたんで、後は想像力にお任せします。え? 設定? それも想像力にお任せしますよ」と言われているようなものだと思います。
キャンペーンシナリオということで、6話構成。
駆け出し>そこそこ経験積む(2-4話)>協会本部襲撃されて本部長暗殺(5話)>異界へ(最終話)
GMですら、PCの所属する協会の概要、世界、モンスター発生のメカニズムをPCと同じ視点でしか知らない状態なので、シナリオブックには1-3話の解説はあるものの、後半4-6話が大筋だけ書かれていて「皆さんの考えるシナリオを邪魔したくないので、あとはアレンジしてください」という紙一枚だったりするので、手探りです。
驚異の展開ですよね。
これで、ルールブックなどで、世界設定が詳しく説明されていたなら、異界突入後の展開などをオリジナルで考える事も出来たけれど。
TRPG初心者に向けて、とマニュアルやそこに収録のリプレイには書いてありますが、到底、初心者では広げようがないと思いました。
ボードにコマを載せて、戦闘して終わり、な中途半端なボードゲームな感じでしょうか。
後、「融点」調査報酬50万、破壊なら10万って書いてあるシナリオがあるけど、そもそも、「融点」を破壊する事が出来るって、ルールブックにも書いていないのですが、どうすればいいのか。
(シナリオ2に登場する融点はスターボウを起こしているもののような現象で内部が亜光速だっていう話です。それって破壊できるものなんでしょうかねぇ)
RPGマガジン掲載のリプレイでは、とても魅力的な近未来RPGとして、入手を渇望したものですけれども。
定価4850円で、購入していたら、私は後悔していたと思います。(欠品アイテムで全体を把握しきれいない可能性はありますが)
まあ、RPGマガジン上で魅力的だったので、そう感じてしまうのは、私の想像(創造)力が圧倒的に足りないのでしょうけれどもw
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購入金額
910円
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購入日
2016年07月25日
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購入場所
駿河屋
L2さん
2016/07/25
けれども、それにしたって、ざっくりしすぎている。
ボックスセットの意味が分からないですよ…。