アメリカのSORAA社製LED電球（スポットライト）です。

スポットタイプなので、発光部は球面ではなく平らになっています。

SORAA社はアメリカのLEDベンチャーで、中村修二氏が共同設立者として名を連ねています。中村修二氏といえば青色LEDの開発で話題になり、ノーベル物理学賞を受賞されたことで有名ですが、SORAA社のLEDランプは青色LEDではなく紫色LEDを使っているところが大きな特徴となっています。

SORAAは「ソラ」と読むらしいです。
紫色LEDだからなのか紫色のパッケージが印象的です。

ここ数年でかなり普及した感のあるLED照明、照明用の白色LEDは青色LEDに黄色い蛍光体を掛け合わせて白色を表現するタイプのものがほとんどすが、SORAA社のLEDは紫色LED素子にRGBそれぞれの蛍光体を組み合わせて作られているそうです。

レンズがあるのでLEDチップ自体は見れませんでした...

そうすることで、可視レベルの波長域の全ての光を出力できるようになり、波長に偏りのある青色LEDベースの白色よりも演色性が高く、自然光に近い白色を出せるようになったとのこと。

特徴的なヒートシンク、ロゴの「O」の絵柄に似ています。

温かみのある色
今回、サンプルで入手したものは色温度が3,000K（ケルビン）のいわゆる電球色で、食材を美味しそうに見せるのに向いていそうな温かみのある光色です。

製品ラインナップには2,700K、3,000K、4,000Kの三種類があります。

従来の電球色のLED電球（青色LEDベース）だと平均演色評価数がRa70〜85くらいで、頑張ってもRa90がイイところでしたが、本製品はなんとRa95という高い数値が出ています。

自宅の廊下のペンダントに入れてみましたが、違和感がハンパないw

ピカーッ！光ってしまえば違和感はありません^_^;

試しにRa84の蛍光灯（パルックボール スパイラル）と比較してみました。DICの色見本帳で色の再現性を見てみたところ、Ra95のほうは全体の色かぶりはあるとしても、割と自然光で見た印象と近い見え方になっているという印象です。

左は電球タイプの蛍光灯、右が本製品

一方、Ra84のほうは全体にオレンジがかった印象が強く、黄色が若干くすんで見えたり、青や赤が暗めに濁った感じになっていました。まぁ、正確さはともかく大抵の色はきちんと認識できるので、住宅用の照明としてはRa84であれば十分だと感じました。

こちらは自然光で撮影したDICの色見本帳（色補正なし）

蛍光灯（Ra84）の場合、全体にオレンジがかっています（色補正なし）

本製品（Ra95）は割と鮮やかな印象、黄色オレンジが重い？（色補正なし）

オフィスのLED照明（Ra不明）赤と青が沈む感じ（色補正なし）

スポットライト...

本製品はスポットタイプなので限られた狭い部分しか照らすことができません。オプションとしてランプの前面に照射角を変更するレンズやフィルターのようなものを取り付けることができるようですが、さすがに本製品1灯で電球のように広範囲を照らすのは無理でしょう。。。

従来の電球型蛍光灯の場合、割と広範囲に照らせています。

本製品だとこんな感じ。何となくドラマチックではありますね^_^;

実は発光部の中心にマグネットが埋め込まれていて、
ここにオプション類を装着する仕組みになっています。

ということで、このLED電球は家庭向きではない気がします。おそらく商業施設などに使ったほうが効果的かと思われますが、今後この紫色LEDベースの白色LED照明がもっと普及してくれれば良いなぁと思いました。