BAユニット搭載のイヤフォンは、Final Audio DesignのHeaven-Sを持っていましたが、こちらはシングルBAに真鍮製ハウジングということもあってか、かなり刺さるサウンドでした。

ハマるソースだと痺れるような音を奏でますが、汎用性がないというか。

なんというか、音作りがかなり個性的なこともあって、楽器に近いというような感じでしょうか。

Fidelio L1のレビューの際に、初音ミクのリンリンシグナルを聴いてみたところ、頭にサ行が脳みそに突き刺さりまくる、サ行のマシンガン状態に。

BAユニットの特性でしょうがないのかなぁ、と思っていたのですが、SE535の音を聞いて一発でBAユニットの評価ががらりと変わりました。

SE535の音は、フラット感の強い、モニターサウンドな印象が強いです。

Heaven-Sとはきわめて対照的。

低域はデュアルBAユニットではあるもののやはり弱いのは如何ともしがたい（ダイナミック型ユニットと口径がそもそもまったく違う）のですが、BAにしては頑張っている方かと。

高遮音性という性質もあり、きちんと装着すると不足感はありません。

BA型の特徴である粒の細かさというか繊細さ、高域の伸びはやはり素晴らしく、圧倒的な情報量です。

購入したものはリケーブル品ですが、このケーブルの傾向が柔らかめのサウンドということもあってか、かなりまろやかな味付けになっています。

標準ケーブルで聴いたことがないので比較は出来ませんが、聴いていて疲れない、というのは音楽を楽しむ上でとても重要かと思います。

モニター的なサウンドなので、もっと個性が強いイヤフォンを探している人には物足りないような気もします。

個性的なモデルがずらりと揃う5万円前後のイヤフォンの中では、個性という意味では弱そうかも。

このあたりが、他のレビューなどを見ていても評価が分かれるところかもしれません。

SHUREのイヤフォンはケーブルが上方に出ており、耳の上を通して裏側から下に流します。

いわゆるSHUREがけという装着方法なのですが、この方法に違和感があるとNGです。

私の場合、耳の形がイヤフォンに適しておらず、耳珠と対珠と呼ばれる、耳の穴の手前にある出っ張りがとても小さいため、インナーイヤー型は歩くだけで抜け落ちます(泣

さらに、外耳通と呼ばれる鼓膜に繋がる穴の入口も急に穴が小さくなる？ためカナル型に適してないようで、Heaven-Sなんか奥まで差し込めず、なにもしてなくても抜け落ちます(泣

まあ、Heaevn-Sは真鍮製なのでそのものが重たい、っていうこともあるんですけどね…

その点、耳の上にケーブルを通すSHUREがけはとても便利で、まず抜け落ちません。
装着感が安定することは、音質の均一化にも繋がりますので重要です。

SE102-K-Jでも安定した装着感でしたが、SE535は遙かに密着感があり、高遮音性も際立っています。

SHUREならではの高い遮音性は健在で、装着して音楽を聴いていると外の音はほぼ聞こえません。

電車内ではアナウンスも聞こえないレベルですので、外のノイズが入らないのはいいものの、たとえば遅延などのアナウンスがまったく聞こえないのもちょいと問題。

外のノイズが無い分、音楽に没頭できるというのは良いことだと思います。