レビューメディア「ジグソー」

中華性スマートウォッチにして腕時計型タブレット。安価ながら最新のAndroid OS+Wi-Fi+BT搭載で競合機よりも魅力的な端末に。

それ単体でAndroid 4.4端末として成立する中華スマートウォッチ

気になるものに入れていた「SmartQ Z Watch」、競合品のSony SmartWatch SW2Galaxy Gearと迷ったのですが、誕生日の5月10日についに購入しました。購入したのは中華デバイスなどを販売している「赤札天国」さんです。

この機種は中華タブレットを販売しているメーカー「SmartDevice」社が販売した、安価ながら基本機能はしっかりと押さえた中華スマートウォッチになります。

Z Watchといってもラインアップは二種類あって

SmartQ Z Watch(Wi-FI/BT内蔵 RAM 512MB ストレージ 4GB)

SmartQ Z Watch Lite(現時点では日本で輸入している業者なし。廉価版。 BT内蔵 RAM 256MB ストレージ 512MB)

が用意されています。

プレインストールOSはAndroid 4.4(KRT16i)のMIPS版。発売当初はAndroid 4.1ベースのROMを搭載していました。(SmartWatch公式ではAndroid 4.3搭載と記載されていますが、実際にはFW v2.xまではAndroid 4.1ベースになります。まぁ中華メーカーですし(ry)公式ROMではGoogle関連のアプリは一切入っておらず、設定メニューも制限のかかったサブセット版になっていますが、標準の状態でもadb経由か標準で用意されているファイラーを使用して転送したapkファイルをインストールすることにより、通常のAndroid端末としても利用することができます。これは同じAndroidベースになっているSony SmartWatch SW2ではできないことだと思います。(Galaxy Gearに関してはカスタムROMを導入することでBTしか搭載していないものの、通常のAndroid端末としての利用も可能になります)

Z Watchのスペックは以下の通り

CPU:Ingenic JZ4775 1Ghz(シングルコア MIPSプラットフォーム

RAM:512MB

内臓ストレージ:4GB

Blutooth:4.0 BLE対応

Wi-Fi:搭載 b/g/n対応

液晶:240x240 IPS液晶(非ゴリラグラスなので割とあっけなく傷がつきます。うちの子は購入一日で一本傷が入りましたorz/iPod nano 6th用のフィルムがぴったり…とはいわないものの、割といい感じで流用できます)

OS:Android 4.1ベース→Android 4.4(KRT16i)ベース

IPX7防水対応

バッテリー:300mAh

IngenicのJZ4775というCPUは主にスマートウォッチ向けのMIPS SoCで、タブレット向けJZ4770から3D関連の機能を削減してより省電力で動作するようにした製品のようです。

元のJZ4770のGPUは(例の、3Dゲーム向けでは全くない)VivanteのGC860が搭載されているのですが、JZ4775はGPUの記載がなく3D向けの機能は確かに削減されているようです。まぁそもそも240x240の画面でなおかつバッテリーが300mAhしか搭載していないスマートウォッチで3Dゲームをやりたいなんて人はいないと思うのでこれで正解だと思います。


 

スマートウォッチとして使えるように母艦スマホに連携アプリをインストールする

SmartQ ZWatchも曲りなりにスマートウォッチであるため、母艦のスマートフォンとBluetooth経由で連携して通知を画面に表示することができます。

これをセットアップするには「Z Watch Sync」Appを導入する必要があります。現在ではiOSにも対応しており、iOS版はApp Storeから、Android版に関しては公式サイトからダウンロード可能です。

なおうちの母艦環境は

になります。

 

これを導入し、Z Watchとペアリングすることで以下のことができるようになります。

Googleカレンダー、SMSメッセージ、連絡先、Android通知データの同期(時刻や天気の情報も同期されます)

同期する通知内容は選択できるので必要なアプリだけ選択すると○。全部選択してもいいのですがこれをやるとシステムUIが吐いてくるGPS検索中の通知まで同期されるので非常にうざいことになります。最低限GMail、Twitter、Forusquareくらいにしておくと非常に便利だと思います。(うちはこれに加えて2ちゃんねるブラウザの2ch Mate、Yahoo!知恵袋、システムクリーンアップツールのCleanMaster、ビジュアルアーツのゲームストアアプリアニゲマ、家計簿ソフトのMoneyFowardの通知を有効にしました)

母艦のキーボード経由でZ Watchに文字入力

公式ファームウェアアップデート

通知に関してはAndroidの通知バーの内容をそのまま垂れ流しているようですが、メールの簡易チェックやツイッターの新規ツイートの確認はしっかり行えます。

 


 

パッケージの中身について

紹介が前後してしまいましたが、Z Watch本体とZ Watch付属品について軽く紹介しておきたいと思います。

 

 ほぼ同価格帯のCASIO G-Shockの箱がこんな感じですしあまり中華メーカーっぽくない感じが○

付属品

英文のクイックガイド同期用USBケーブル(イヤホンジャックコネクタに接続するちょっと特殊なタイプ)が付属しています。ほかのサイトのレビュー記事を見ると中華パッドによくある合格証がついているようですが、うちが購入したものには付属していませんでした。クイックガイドも英文のみですしもしかしたら中国国内向けではなく輸出向け仕様なんでしょうか。

USBケーブルはえらく特殊なので断線したり紛失したら終わりそうです。予備どこかで入手できないかなこれ…

本体

左側は同期コネクタも兼ねているイヤホンジャック。一応キャップレス防水仕様になっています。ちなみに本体にはスピーカーが内蔵されていないのでこれで音楽を聴きたい場合はイヤホン必須になります。バッテリーがそんなに持たなくなるのでこれで音楽を聴きたいがどうかは別にして(ぉ

そして右側は電源ボタンと戻るボタン。戻るボタンは長押しするとホームスクリーンに相当する時計画面に戻ります。ただし標準FWではタスクキルはやっていないようなのでバックグラウンドでアプリが立ち上げっぱなしになっているようです。


 

標準ROMでできることについて

標準ROMでできることはあくまでスマートウォッチなのでかなり限定されています。

  • 中華検索アプリらしきもの(Wi-Fi必須。よくわかりませんが検索アプリらしいです。後述するカスタムROMではバッサリカットされていましたw)
  • アラーム(そのまんまアラーム機能。時計には必須ですねw)
  • カレンダー(母艦のカレンダーと同期できるカレンダーアプリ)
  • 通話履歴(母艦スマートフォンの通話履歴の観覧)

  • 連絡先(同期した母艦スマートフォンの連絡先を表示)
  • ファイラー(まんまファイラー。転送した.apkファイルのインストールはこちらから)
  • フィットネス(健康管理アプリ。万歩計機能ですが最初に入力した身長・体重のデータから消費カロリーなども表示してくれてちょっと便利。とはいえこれと同期するソフトがないのでこれ単体で終わってしまっているのはちょっと残念…)
  • ミュージック(Z Watchに転送した音楽ファイルを再生するアプリ。前述の通りZ Watchにはスピーカーは搭載されていないのでイヤホン必須)

  • 通知(母艦スマートフォンの通知を同期して表示。表示する内容は前述の通りZ Watch Syncから選択可能)
  • レコーダー(ボイスレコーダー。マイクは内蔵されています)
  • 設定
  • Sleep(睡眠タイマー的なもの)

  • SMS(母艦のGoogle Hangout SMSメッセージの確認が可能)
  • Timer(ストップウォッチ)
  • 天気(米Yahoo!の天気データを母艦からBT経由でダウンロードして表示)
  • WeChat(チャットアプリ?詳細不明)

  • 時計(メインスクリーン。そりゃ時計ですからw時刻は母艦から同期可能で標準ROM出は14種類、後述するカスタムROMではさらに2つ増えて合計16種類の時計デザインを選択可能。デジタル時計はYahoo.comから同期した天気と気温の表示も可能)

  • BT、バックライトのオンオフ、設定、バイブレーターのONOFFを切り替えられるウィジェット

バッテリーモニター。ちなみにWi-FI:Off/BT:ONの環境だと基本スリープ状態なこと(ジャイロセンサーを内蔵しているので腕を動かせば一定時間のみ画面ONになりますので時計としてはちゃんと機能します。念のため)もあって大体9時間くらいは持ちます。3D機能削ってまで省電力化したプロセッサ搭載だけあってこれは予想外でした。

  • この画面は最初見たとき何なのかさっぱりわからなかったのですが、タップすると母艦の着信音を鳴らすことができます。何のための機能なのかは不明(逆に母艦のZ Watch SyncからZ Watchのバイブを機能させる機能もあります)

 

  • 音楽プレイヤーのウィジェット。まんまですね。

Z WatchをAndroid端末として覚醒させるカスタムROMを導入してみる

前述のとおり純正ROMの状態でもADB経由(Android SDK Toolsに含まれています。ADBも本来はデバック用コマンドですが非root環境でバックアップできるコマンドラインがあったりいろいろ便利なのでAndroid端末をお使いの方はいれておくことをお勧めします)か.apkファイルを転送して標準ファイラーでインストールすることで、通常のAndroidアプリをインストールすることは可能ですが、よりAndroidっぽく使いたいのであればカスタムROMの導入をお勧めします。

PDA時代から存在するモバイル機器のGeekたちが集まるXDA DevelopersでもさまざまなカスタムROMが存在します。

SmartQ Z smart watch XDA Developers

そのほか「勝手にあんどろいどZ」のQazさんがカスタムしたROMも存在しており、こちらは日本人の方がカスタムしているので日本向けアプリがシステムアプリとして含まれているのでうちはこちらを導入しています。なおカスタムROMのインストール方法は

  1. (Qazさんが配布しているカスタムROMの場合)ファイル名をUpdate.zipにリネームする
  2. マスストレージとして認識させてZ Watchのルートに転送するか、adb pushでZ WatchのルートフォルダにUpdate.zipを転送する。(Win8.1 x64環境下ではマスストレージとして認識されないのでUSBデバックを有効にしたうえでadbでファイル転送しました。この機種のデバックモードの有効/無効化はSettings→Aboutで表示されるModel Numberを連打になります。)
  3. Settings→Aboutから純正FWと同様「Firmware Update」を実行する

という手順になります。

なおカスタムROMを導入するとGoogle Mobile Service関連のアプリも導入されるのでGoogle Play Store軽油でのアプリ導入も可能になります。

Qazさん配布のカスタムROMの場合、追加アプリとして

ドルフィンブラウザ

AppInstaller

Button Savior(仮想バーチャルボタンアプリ)

Evernote

Google Keybord(AOSPベースのキーボード)

Sidebar

Line

Perfect Viewer

More Locale 2

などのアプリがシステムアプリとして追加されます。


FlixEngine版クドわふ体験版も動いた…が…

標準システムアプリのほか、個人的に

QuickOffice

CCleaner For Android

アニゲマ

クドわふたー FlixEngine版(体験版)

 を追加してインストールしてみました。インストールしたアプリは全部無事動作することを確認。かつてMIPSの中華Androidタブレットは互換性の問題であまり普及しなかったのをはっきりと覚えているのですが、Kitkatあたりになるとそこらへんの互換性のほうも何とか解決しているようです。240x240という解像度ゆえ広告が出るようなアプリはアウトですが、それ以外は”意外と”動くような感じです。QuickOfficeすら動くのでさすがにこれで文章編集は無理でしょうが簡易オフィスビューアとしても活躍できる…かもしれません。後で

も導入できるかどうかちょっと確認してみたいと思います。

追記:Google Play Storeからの直接ダウンロードは対応端末ではないということでインストールできませんでしたが、apkファイルをダウンロードしてadbコマンドでインストールすることで実行することはできました。できたのですが、解像度の問題から初期チュートリアル(例のグレックさんも健在のアレ)からMicrosoftアカウントログインの画面に進むことができずこのままだとセットアップできません。

一応adb backupで別の端末から作成したバックアップデータをリストアするかTitanium Backupでリストアしてあげれば使えるかもしれません。

ビジュアルアーツのエロゲ配信アプリアニゲマも無事動作。ということでクドフィリア的には

のAndroid版も入れないとだめだろうということでFlixEngine(ビジュアルアーツのiOS/Android用ゲームエンジンの名前。ビジュアルアーツ・マーケットがアニゲマにリニューアルした際はじめてこのエンジンの名前が公になりました。)版を入れてみました。データファイルのインストール後起動はしたのですが

解像度が狭いゆえに画面がすべてテキストで覆いつくされるうえにどうもCGのほうは描画すらされていないような感じです。前述のとおりZ Watch搭載のJZ4775は3D関連の機能はバッサリと削減しているようなのですが、どうも2D関連の描画も弱くなってる…?

むろんこの解像度だともともと800x600前提で作られてるゲームのCGを表示するのは無理ではあるのですが…

とはいえテキストと音声、音楽は出力されているのでシナリオビューアとして割り切ればこれはこれで楽しめると思います。R-18なCGも描画されないので電車でこっそりプレイするには最適ですネ(ぉ 

 


結論

というわけでカスタムROMを導入して小さなAndroid 4.4端末としても利用できる状態になっているZ Watchですが、本来の

「メインのスマホと連携するスマートウォッチ」

としての機能が非常に便利すぎてすでに手放せない存在になっています。電話を着信すればちゃんと通知してくれますし、専用アプリが用意されているSony SmartWatch SW2と比べればAndroidの通知領域の内容をまんま垂れ流しているだけなので簡易的になるとはいえ新着メールの確認も即座に行えるので非常に便利です。

かつての中華タブといえば

のように質的にもアレなものが多かったのですが、Z Watchに関してはしっかりした作りになっており、なおかつちゃんとキャップレス防水にもなっているのは素晴らしい進化だと思います。

競合機のSmartWatch SW2がXperiaシリーズとの、Samsung GearシリーズがGalaxy Sシリーズとの連携前提(Gearに至っては素の状態だとGalaxy専用)であることに対し、Z Watchは基本的にBluetooth搭載Android機であればどの機種でも連携できますし、何より価格がかなり安価なことになっているのでスマートウォッチ入門機としてもおすすめな一台になっています。

何よりこれは腕に巻いていつでもどこでもいっしょに使える小さな小さなAndroid 4.4"KitKat"タブレットでもある端末なのですから…

 

  • 購入金額

    12,980円

  • 購入日

    2014年05月10日

  • 購入場所

    赤札天国

24人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • jakeさん

    2014/05/20

    無意味に鳴らす機能ですが、「ケータイはどこやったっけ?」というときに使うんではないでしょうか。

    家の電話からケータイへかけて着信音を手がかりに探す、という人を知っています。
  • クドフィリアやってるガジェ獣かのあゆさん

    2014/05/20

    >>jakeさん
    よくよく考えたらこれたぶんそのための機能なんでしょうね。
    確かに携帯を自宅内で失くした時はマナーモードオンでも着信音鳴らしてくれるので便利そうです。
  • Qazさん

    2014/06/10

    勝手にAndroidZ、ご紹介ありがとうございます。
    専用usbケーブルですが、iPodシャッフル用はNGです。…が、
    秋月電子で販売しているUSBメス→3.5mmミニジャック変換コネクタ(一体型)が結線マッチしてるので、USBオスオス変換コネクタと組み合わせれば使用可能です。
    ttp://goo.gl/ekiRyX
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