レビューメディア「ジグソー」

アコースティックギターの心地よさ

所持する音楽データに対する私利私欲...イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。スムーズジャズというジャンルがある。耳に心地よい、イージーリスニングに近いフュージョンをそう言うらしい。それって聞き流してしまえると言うことかとネガティブに考えるのも、耳に心地よいサウンドであるとポジティブに考えるのも自由。そんなスムーズな音を奏でるギタリストをご紹介します。

Peter White。スムーズジャズではかなり知られた顔だ。アルバムも比較的好セールスで、全米1位こそないものの、ビルボードのコンテンポラリージャズ、アルバム部門で最高位一桁前半の常連である。そんな彼のメジャー契約での初アルバムが1996年のこの作品。このアルバムもビルボード5位のセールス。アコースティックギター(エレアコ)中心に激しない音楽。でも楽曲の質もプレイの質も高い。
セピア色のジャケットが、曲調とマッチ
セピア色のジャケットが、曲調とマッチ

1曲目「Caravan Of Dreams」。比較的無表情のJoel RosenblattのドラムスにPeterのギターの旋律に寄り添うようにオブリガードを奏でるBoney Jamesのテナー。Peterのアコギは切なく優しい。ラスト30秒のほとんどバックが消えてピアニッシモで緩やかに流れるサックスとの絡みが良い。つづく「Together Again」は黒人男性のボーカルでも聞こえてきそうなブラコンナンバー。ここではむしろBoneyのソプラノの方がメインで、Peterのアコギが従の様だ。

6曲目の「Just Another Day」ではBASIAの特徴ある歌声が聞こえる。そう、BASIAと行動を共にしているDanny WhiteとはPeterの実弟。同じバンド(マット・ビアンコ)に属していたこともあり、Peterも

にはギタリストとして参加している。このゆったりと流れる曲では彼女の深い声が聴ける。「Cafe Mystique」ではジプシーの血を受け継ぐスパニッシュギターの名手Marc Antoineの掛け合いが聴かれる。激してはいないが、力のある演奏だ。

あまり日本では知られていない彼だが、アコギにフォーカスして聴かせるスムーズジャズの第一人者として本国では人気が高い。もっと評価されて良いアーティストだと、思います。

【収録曲】
1. Caravan Of Dreams
2. Together Again
3. Venice Beach
4. Soul Embrace
5. Long Ride Home
6. Just Another Day
7. City Of Lights
8. Cafe Mystique
9. Bittersweet
10. Lullaby

「Caravan Of Dreams」


Peter White Officialsite
  • 購入金額

    2,500円

  • 購入日

    1996年頃

  • 購入場所

14人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • kazさん

    2011/07/07

    只今、Amazonで視聴してますが、すごくイイ!
    メローな旋律が耳に心地良いですね。
  • cybercatさん

    2011/07/07

    kazさん、コメントありがとうございます!
    そう..メロウ..、ばっちりの表現ですね!
    アコギの音が心地よいんですよ。

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