そして数日後、KLIMAX DSが我が家に届いた。本来ならば、こういった製品は販売店の方やLINNスタッフに納品セッティングをお願いするところだ。しかし、未知の装置に対する好奇心からすべてのセットアップを自分でしようと思った。さて、早速箱から本体を取り出す。箱を動かした段階ですでに感じてはいたが、やはり想像以上にズッシリとした重量がある。そして、ほかのKLIMAXやCD12と同様の確かな存在感。テーブルの上に置いて、色々な角度から眺めてみる。先程感じた重量が嘘のように思えるほど、金属の塊が持つ、独特の無骨さや圧迫感をまったく感じさせないところは、さすがはLINNといったところだろう。もともとLINNはターンテーブルのプラッター精密加工から始まり、オーディオブランドとしては唯一の英国王室御用達にまで登りつめたメーカーであり、精密機械加工に関しては並々ならぬ情熱とプライドを持ち続けていると聞く。そのLINNが最大級の情熱を傾けて世に送り出したものがこのKLIMAXシリーズなのだ。本能的に指をなぞらせたくなるKLIMAX DSの肌理細かなボディの質感は、往年の(というには少々早過ぎるが)CD12をも凌駕したのでは、と感じさせるほどだ。
ここでKLIMAX DSを使用するに当たって用意するものを確認するとしよう。Windows系パソコン、ルーター、NAS、接続用LANケーブル、ACケーブルなど。これらのほかに接続用ケーブルが必要。PCに関し、現時点ではソフトウェアの問題によりMacOS Xは使用できないそうで、Windows系PCが必要だ。こうして眺めてみると、なんとオーディオシグナルに優しくなさそうなノイズ発生源たちだろう。分厚いアルミの鎧を纏ったKLIMAX DSはともかく、他の機器に関してはノイズに相当の配慮が必要になってくるだろう。
DSをラックに慎重に納めて、まずはKLIMAX DSとルーターをLANケーブルで接続。KLIMAX DSとプリアンプ(マークレビンソン)をLINEケーブル(stereovox)で接続し、そして最後に電源ケーブル(とりあえず付属品を使用)を繋いで接続完了。思ったよりシンプルだ。