レビューメディア「ジグソー」

比較的安価に"5mm厚"を稼げる

私が愛用しているレコードプレイヤー(ターンテーブル)は普段から度々紹介している通り、Technics SL-1200Gです。

 

 

 

 

 

 

SL-1200Gを入手して以来、より良い再生環境を求めて色々とアクセサリーを試してきました。現在は紆余曲折を経てターンテーブルシートにACOUSTIC REVIVE RTS-30を使うようになり、ここはもう替えなくても良いかなと思える程度の満足感が得られています。

 

 

 

 

 

 

本体下にSUNSHINE製オールマグネシウムボード、AMB50を追加したことで、RTS-30と相まってSL-1200Gとしては低域方向の充実度などもかなり良くなったと思っています。

 

 

 

 

 

 

しかし、私が買ったときと比べるとACOUSTIC REVIVE RTS-30は実売価格がかなり上がってしまいました。RTS-30は単純な音質向上だけではなく、約5mmという厚みによってSL-1200Gのトーンアームの高さ調整幅の狭さを補うというメリットもあるのですが、仮に下位のSL-1200MK7やSL-1200GRを入手した時に、RTS-30を買い足すのは費用面で負担が大きくなります。そこで以前から注目していたのが英国のFunk Firmというメーカーが発売している「Achromat」シリーズでした。

 

Achromatは3mm仕様、5mm仕様の他にTechnics SL-1200専用というバリエーションが用意されているのです。基本的には5mm厚らしいのですが、SL-1200シリーズのプラッター形状にフィットするよう工夫されているらしいです。Funk Firmは「SL-1200はG/GRや上位SL-1000Rも含めて素晴らしいモーターシステムであるが、プラッター構造が少なからずその実力を損ねている」と指摘しています。その弱点をAchromatが帳消しにしてくれると説明しています。

 

そこで本来であれば「Achromat SL1200」という製品を買うべきではあるのですが、中古品を見つけたのが汎用の「Achromat II 5mm」でした。それでも雰囲気は掴めるだろうということで、これを試してみることにしました・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詳細は説明されていませんが、発泡素材で作られているとされています。持ってみると意外と軽く、表面は少しザラザラしていますが硬めです。

 

 

 

 

 

 

 

裏面は完全に平らに作られています。新品で購入した場合には、プラッターとの兼ね合いで滑るときには添付の両面テープで固定するよう指示されているようですが、今回はテープがありませんので置くだけとなります。

更新: 2023/03/06
総評

悪くはないがRTS-30と比べてしまうと…

試聴のためにRTS-30と交換してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レコードを置くとこんな感じになります。

 

 

 

 

 

 

 

 

丁度RTS-30とほぼ同じ厚みで収まっているようです。本来ならばトーンアームの高さは微調整するべきですが、RTS-30でもまだ厳密に言えば0.1~0.2mm程度厚みが足りない程度ですので、厳密に合わせる意味は薄いだろうということでそのまま比較試聴してみます。カートリッジはaudio-technica AT-OC9/III、ヘッドシェルはAT-LH15/OCC、シェルリード線はKS-Remasta KS-Stage621EVO.I/VKを使います。

 

楽曲は「Babylon Sistrers / Steely Dan」(LP「Gaucho」収録)を聴いてみましょう。

 

まずAchromat II 5mmの音ですが、ターンテーブルシートとしては軽量ではあるのですが、音の方は意外と低域方向の密度はしっかりと出ます。ただ、ドナルド・フェイゲンのヴォーカルがやや細く、残響音などが控えめに感じられます。SL-1200G付属のゴムマットはそもそもトーンアームの高さが全く合わないので参考程度でしかありませんが、付属マットよりは音が締まる傾向が感じられます。

 

これをRTS-30に戻すとどうなるかですが、まずレンジが特に低域方向に広がる感があります。音場も一回り広がりますし、残響音も大幅に豊かに出るようになりました。さらにドナルド・フェイゲンのヴォーカルも声がやや太くなり説得力が出てきます。

 

 

RTS-30は試聴した結果惚れ込んで買ったターンテーブルシートですし、さすがに価格にも2倍以上の開きがあるだけに、実力差は明らかでした。とはいえ、Achromat IIも恐らく多くのプレイヤーで、標準添付のターンテーブルシートと交換すれば情報量や解像度で大きく改善が見られそうな印象を受けます。

 

今となってはSL-1200系列で望ましい5mm程度の厚みを持つターンテーブルシートとしては格安な製品ですので、それなりに存在意義はあるものと思います。

 

なお、現在日本国内ではAchromatシリーズの入手性が悪くなっていますが、Funk Firmの公式サイトでワールドワイドシッピング対応と記載されていますので、興味のある方は直接取り寄せてみても良いでしょう。

  • 購入金額

    3,180円

  • 購入日

    2023年02月11日

  • 購入場所

    オーディオユニオンお茶の水アクセサリー館

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