レビューメディア「ジグソー」

中域寄りのエネルギーバランス

以前から何度か導入している、シェルリード工房KS-Remasta製のリード線です。

 

先日掲載したMCカートリッジ、ADC MC1.5の予備を購入した時点で、当初は音質評価用に定番のaudio-technica AT6101を組み合わせていたのですが、常用するとなるとやはりグレードアップしておきたいと考え、以前からちょっと気になっていた、ヤフオク出品名「研ぎ澄まされたアナログサウンドのAET6N-OFC導体シェルリード線」という製品を購入することにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ヤフオク落札後のやりとりの中で、比較用の試聴機を貸していただけるという話になりましたので、今回はKS-Remasta製シェルリード線の大きなポイントである、ハンダの違いを体感してみたいと思い、落札した製品と同じAET 6N-OFC導体を使っていてハンダだけが違うという製品2種を同時に送っていただくことにしました。

 

 

 

 

 

 

 

今回は基本モデルとなるKS-LW-6100ver.aetを取り上げることにします。

 

導体は説明にある通りaet製の6N OFCで、リードチップとの接合用ハンダにはaetブランドで発売されていたDCT MIL-RMAという無鉛ハンダを採用しています。もっとも、このDCT MIL-RMAという型番のハンダは楽器メーカーのFERNANDESからも発売されていた記録があり、いずれもAllPartsJapanという楽器用部品を手がけるメーカーから供給されていたようです。価格も3m巻きで1,800円(税別)で同じでした。

 

まあ、素性の方はその程度にしてリード線本体の方を見ていきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以前購入した、同じく6N-OFCを採用するKS-LW-6000と同じく青い皮膜ですが、こちらの方が少し細身という印象を受けます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッドシェルはストックしておいたaudio-technica AT-LH18/OCCを利用します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりに硬いリード線を取り付けたので、少し不格好になってしまいました…。

更新: 2021/02/22
音質

ドンシャリ系カートリッジに合いそう

それでは音質の方に触れていきましょう。

 

以前一斉比較試聴を行った際には、「Babylon Sisters / Steely Dan」をひたすら聴いたのですが、今回は聴き慣れている「CWF2 / Champlin Ailliams Friestedt」のA面3曲目までをソースとして比べることにします。

 

 

 

 

 

 

ターンテーブルは当然Technics SL-1200G、カートリッジは前述の通りADC MC1.5、フォノイコライザーはPhasemation EA-200という、カートリッジ以外はいつも通りの構成です。

 

また、今回用意した3本だけでは他との比較が出来ないことから、audio-technica AT6101と、PC-Triple Cを採用したKS-Remasta KS-LW-1500EVO.Iも試聴に加えます。これにより、aet 6N-OFC導体の音と、3種類のハンダの違いの双方を比べてみようという訳です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まず、一般的に使われることが多いAT6101で聴いた後、KS-LW-6100ver.aetの音を聴きます。

 

まず第一印象としては、水平方向・垂直方向ともに音場が一気に広がるということです。AT6101の音もそれだけ聴いていればなかなか良いのですが、空間表現が二次元的で立体感がありません。KS-LW-6100ver.aetでは空間に高さが感じられるようになり、また左右の広さが出るとともに空間の隅々まで見通しの良いものとなります。AT6101では隅の方に明瞭さがありません。

 

ヴォーカルの質感もまるで違っていてKS-LW-6100ver.aetの声が目の前で歌っているものとすれば、AT6101では厚手のカーテンの向こうで歌っているという程度にリアリティーが違います。

 

オーディオ的に見た場合、ローエンド方向が出きっていないAT6101に対して、KS-LW-6100ver.aetではもう少し低い方まできちんと再現されます。ただ、意外なことに低域の量感はさほど変わりません。PC-Triple CのKS-LW-1500EVO.Iの方が、明確に厚みが感じられました。

 

高域方向はそこそこ緻密ではありますが、ハイハットの金属感がやや不足気味でしょうか。これもKS-LW-1500EVO.Iの方が明確に金属の音です。フラット傾向かつHi-Fi系のKS-LW-1500EVO.Iと比べると、中域方向の濃さが印象的で、エコー成分や間接音が多めに表現されます。これはKS-LW-1500EVO.IよりははっきりとKS-LW-6100ver.aet自体が明確なキャラクターを持っているということになります。

 

KS-LW-1500EVO.Iのレビューのまとめとして「良くも悪くも素直で、キャラクターの付け足しのような効果は期待できない」という趣旨を書いたかと思いますが、逆にKS-LW-6100ver.aetは明確に中域重視型のキャラクターが感じ取れます。このキャラクターがうまく合致するカートリッジとの組み合わせであれば、おそらく価格を遙かに超えるだけのパフォーマンスを見せてくれるでしょう。ただ、今回組み合わせたADC MC1.5は、元々中低域が豊かなタイプであり、少しバランスを欠いてしまう部分があります。

 

次回以降でKS-Remastaオリジナルハンダを採用した2つの製品を取り上げますので、ハンダの違いがどこまで音に影響するのかはそこで結論を出したいと思います。

  • 購入金額

    6,600円

  • 購入日

    2021年02月19日

  • 購入場所

    KS-Remasta

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