レビューメディア「ジグソー」

色のりは良いが、TVとの相性が微妙

元々私はTVやビデオの画質にそれほどこだわりがあるわけでは無く、オーディオ製品のケーブルにはある程度の金をかけるもののTVと映像機器を接続するケーブルはこだわり無く必要な長さで安いものという観点だけで選んでいました。

 

その中で、唯一例外といえるほど高価(元の価格が)なHDMIケーブルを持っています。それがSAEC SH-820です。

 

 

 

 

 

 

ただ、このケーブルも結局手頃な使い途が見つからず、しばらく放置され続けた結果、何とPCとディスプレイの間の接続に使われてしまっています。

 

具体的にはGeForce GTX 1070TiとHYUNDAI W240D(TNパネルのWUXGAディスプレイ)の間で使っているのですが、これが今までのDVI-D接続とはまるで別物の画質となって驚いたのです。遙かに発色が良く白の色抜けが良くなった結果、全く同じ画質設定なのに明るすぎると感じたほどでした。

 

それ以来ほんの少しだけ映像ケーブルの存在も意識するようになっていました。もっとも、今まで使っていたケーブルをわざわざ入れ替えるほどにはなりませんでしたが。

 

 

話は変わり、入手価格だけの問題でリビングのTVをPanasonic VIERA TH-43FX500に入れ替えたわけですが、このTVは今までの旧式TVとは異なり、インターネットの動画配信サービス閲覧用のアプリが内蔵されています。今まではAmazon Prime Videoなどを観るときにはPlayStation4の内蔵アプリを使っていたのですが、TVにも同じ機能があることに気付いてTVの方のプレイヤーを使うようになりました。

 

するとTVのアプリとPS4のアプリとで、画質が全く違うことが気になりました。発色もノイズ感も、一言でいえばTV内蔵の圧勝なのです。TVの方が世代が新しいのは事実ですし、配線等も必要としない分画質面で有利なのは確かですが、画質を気にしない私が見ても気になるほどというのもどうかと思い、ここで普段使っているケーブルの質の低さが気になったということで、ある程度のグレードのケーブルに入れ替えてみようと思い立ち、一定水準を超えた製品の中で実売価格が最も安かったWIREWORLD ISLAND6 IHH6/0.5mを購入してみました。

 

 

ちなみにWIREWORLD社について、日本ではあまりメジャーでは無いと思うので少し説明を入れておきます。

 

WIREWORLDは1992年にアメリカで設立されたオーディオを中心とする高品位ケーブルを製造するメーカーです。日本ではNASPECが代理店となります。

 

WIREWORLDの製品は「ノーコンタクト・ノーカラーレーション」、すなわち伝送ロスをゼロとすることを究極の目標として掲げていて、それに近づけるために様々な技術開発を行っているそうです。元々は二重同軸構造という特徴があった同社製品ですが、ケーブルを曲げたときにも伝送ロスが発生しないよう研究を重ね、丁度このSeries6製品から上位製品ではHelix DNAという新たな構造を採用するようになりました。これはいかなる状態でもケーブルを均質に保つよう考案された技術とのことです。このISLAND6はローエンド製品であるため、これには該当しませんが…。

 

生憎私はこれまで同社製品を使ったことがなく、オーディオ製品の実力については何ともいえません。ただ、日本ではともかく海外市場での評価は高いブランドのようで、少なくとも大外れはないだろうと思い購入してみたわけです。

更新: 2020/05/11
総評

TV側との画質の相性があまり良くなかった

現在WIREWORLDのオーディオケーブルは第8世代を意味するSeries 8へと進化していますが、HDMIケーブルについては前世代のSeries 7までしか製品がリリースされておらず、代理店の製品情報も第7世代のHDMIケーブルが生産完了へと移動され、新製品の情報も掲載されていないことから、後継製品が出る予定はないのかもしれません。

 

日本で海外製のオーディオ・ビジュアルケーブルというと、どうしてもaudioquestというメジャーブランドがあり、価格や性能でも競合しやすいものであるため、なかなか展開が難しかったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

元々の価格は0.5mで11,550円と書かれていて、ローエンドとはいえそこまで安い製品でもありません。

 

 

 

 

 

 

 

パッケージ上部には構造図が掲載されていますが、こちらは旧世代の同軸構造を採用していることが判ります。もっとも、比較的古い製品ではありますが20Gbps転送には対応していて、4K映像にも対応できるそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早速、TH-43FX500とPlayStation4の間のケーブルを、ISLAND6に交換してみました。交換前のケーブルはノーブランド品で、秋葉原辺りで1m300円程度のものを買ってきたものだったと思います。

 

 

すると一見して画質は大きく変わったことが判ります。ただ、TH-43FX500は元々Panasonicの4K表示対応TVとしてはローエンドに当たる製品であり、率直に言って上位製品と比べると画質が良いTVではありません。

 

設置後しばらく調整は色々追い込んでみたのですが、元々赤の発色にかなり癖があり、表示する色によって得手不得手が結構分かれるTVという印象です。

 

そしてこのTVにISLAND6を組み合わせると、一つ一つの色の存在感が強くなり、今まで感じていた発色の淡泊さはかなり改善します。しかし、いただけないのはTVが苦手としている赤が強くなる結果、赤の色味の悪さがより強調されてしまうというです。

 

また中間色の表現も傾向が随分変わり、今までの傾向と違いが大きく違和感がどうしても残ってしまいます。チューナー受信時の色を優先して調整しているので、このケーブルに合わせて再調整しても他のソースで困るでしょうし。

 

 

私のように画質に無頓着な人間が使っても、やはり高品位ケーブルはそれだけの実力は発揮してくれたと思います。ただ、持ち味が合わないと残念ながら手放しで褒められるような結果にはなりませんでした。この類いのケーブルを買う前に試すことは難しいので、結果論になってしまうわけですが…。

 

ケーブル単体としては十分に納得できる性能は持っているのだと思います。

  • 購入金額

    1,980円

  • 購入日

    2020年05月10日

  • 購入場所

    オーディオ逸品館

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