所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。キャラクターソング。キャラクターは作品の中で語られるのが基本ですが、作品では見せない面や内面を深掘りするのに、そのキャラクターとして歌う曲。その曲を聴いてキャラクターの理解を深めるという意味では重要な役割を持ちます。またキャラクター担当声優の表現力を味わうのにも適しています。そんな主要キャラ用に創られたキャラクターソングをご紹介します。

そして「芋づる式洲崎綾 Part7」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾（あやちゃん／ぺっちゃん／あやっぺ）関連。12月といえばあやちゃんのバースデイということで、それに向けてこの1年で増えてきた彼女の参加した作品や楽曲、Webラジオのイベントやそれらの関連商品まで、幅広く芋づる式にご紹介するシリーズレビューの．．．7回目の番外編（あやちゃんはこのCDには参加していないので）。

「RELEASE THE SPYCE」。2018年末に放送された、なもり×タカヒロコンビによる「女子高生×スパイアクション」オリジナルアニメ。視覚・嗅覚・味覚が優れた女子高生源モモが、正義の私設情報機関にスカウトされ、悪の組織と戦っていくという物語。その私設情報機関ツキカゲは師弟制度を採用しており、自分が見込んだ弟子を育て、心と技を受け継いでいく．．．という設定。

その主人公ペアのキャラクターソングがこちら。

安齋由香里演じる嗅覚が優れるモモは、「アシタノニオイ」を歌う。♪挨拶／キホン／修行／Keep On／ひた向きさだけなら負けません！（よっ！）♪とコミカルに、かけ声つきで歌われる曲で、結構ふわふわしている感じ。すごくストーリーに沿った歌詞で、モモ視点でのツキカゲでの活動と、雪への憧れが語られている。♪憧れだけじゃまだ足りない／努力と友情と師弟愛（ふぅー）／もっともっと近づきたい／一人前になるまで／Let’s　精進（精進！）／ずっとずっと大好きなこの街／守るため／みんなで♪曲は、自己のオリジナル曲ではエレクトロ系の楽曲を創るfu_mou（フモウ）。打ち込みのタテノリのリズムの雰囲気はそれらしいが、もっとかわいらしく、中華系？

師匠の半蔵門雪（CVぬーぬーこと沼倉愛美）が歌うのは、ダイナミックで爽やかな「心はきっと」。曲は佐高陵平なので、先行イメージソングの「SPICY THE LIFE」

とおなじ（あちらはy0c1e（よしえ）名義だが）。♪絆を受け継いで／魂を信じた／キミの目はあの日と変わらない／これから／ずっとずっとずっと／さよなら／ずっとずっとずっと／忘れない♪という部分は、アニメ最終話を観たあとは涙なしでは聴けない．．．

そのアニメのオープニング曲「スパッと！スパイ＆スパイス」が、「モモ＆雪 Ver.」として収められる。6人歌唱のオリジナルと比べると、やや直線的に鋭くなった感じ。また、♪そうしましょ！♪というコーラスとかけ声の中間のような部分が歌詞にあるが、その部分の遊びも少なくやや生真面目。主人公師弟と言うことで、王道で攻めたと言うことか。しかしそれ故、かっこよさは際立っている。

「心はきっと」のかっこよさ、爽やかさが、雪の潔さを良く表していて、また歌詞のストーリーとの絡み方が素晴らしく、制作陣の心意気を感じた作品。特にアニメ最終話のラストカット（Cパート）まで観てからもう一度聴くと．．．こみ上げるものが。

雪、イケメンだなぁ．．．

いままでアニメキャラクターなどのイメージソングで、自分のイメージと全く違和感なく「ぴったり」というのはなかなかなかったけれど、久しぶりに感じた完全合致の曲でした。

【収録曲】

1. アシタノニオイ：源モモ（CV安齋由香里）
2. 心はきっと：半蔵門雪（CV沼倉愛美）
3. スパッと！スパイ＆スパイス -モモ＆雪 Ver.-：源モモ（CV安齋由香里）,半蔵門雪（CV沼倉愛美）
4. アシタノニオイ -instrumental-
5. 心はきっと -instrumental-

「アシタノニオイ」～「心はきっと」SPOT