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旅に出る前に「落語で予習」は如何? 春風亭一之輔の落語のたくり貼

これは春風亭一之輔師匠が書き下ろした小説・エッセイ・落語論ではありません。

 

東京は摩天楼が立ち並ぶ不夜城。 

世界有数のサイバーメガシティです。 634メートルの高さを誇るスカイツリーから遠く富士山も

見えますが、足元には下町風情が残る町並みが同居しています。

 

江戸(明治)落語の舞台は、その下町のように今も東京に残っているのでしょうか?

実はあるんです。

 

落語の風情を感じることができる様々なスポットを、毎日新聞学芸部所属・濱田元子女史が

春風亭一之輔師匠と共に歩き、写真に収め、のたくった(ほっつき歩く・油を売る所作)様子を納めた連載があります。

 

それは2013年4月から毎日新聞で連載中の「ぶらっと落語歩き」。

 

そこから季節ごとに厳選した20編を元に

一之輔師匠が書き下ろした「ひとりごと」を交えて再編集した作品です。

名づけて「春風亭一之輔 落語のたくり貼」

 

 

更新: 2016/01/16

百川

日本橋浮世小路に存在した料亭「百川楼」で、店に奉公に来たばかりの百兵衛さんと、祭りの四神剣を質から出す相談をしている魚河岸の若い衆との間で持ち上がる騒動を面白おかしく描いた古典落語です。

 

コレド室町の北側にある路地を入ると、かつて百川楼があった場所が推定されます。

今は跡形もなくなっているようですが、当時の風情を伝えるのは福徳神社。

都会の喧騒の中ですが参拝の方が絶えません。

更新: 2016/01/16

花見の仇討 もしくは崇徳院

上野で趣向を凝らした花見を企む若い衆。

偽の仇討芝居を企むのですが、本当の仇討が行われると勘違いした侍が現れて、大騒動が持ち上がるというお噺が「花見の仇討」

 

上野のお茶屋で偶然知り合った若旦那と綺麗なお嬢さん。

ほとんど口を交わすこと無く別れたのですが、恋の病に冒されて床に伏してしまいます。

会えなければ死んでしまう。 でもどこのどなたかは判らない、

唯一の手がかりは「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ」

崇徳院様の和歌だけ、、、。

更新: 2016/01/16

文七元結

ご存知古典の名作人情話

京都の鴨川と違い、隅田川なら、飛び込むと死んじゃうと思います。

更新: 2016/01/16

牛ほめ

伯父さんの普請をほめにでかけた与太郎が、台所の柱に節穴があることを知っていて

「大丈夫、この節穴には秋葉様のお札をお張りなさい。穴が隠れて火の用心になる」と

仕込まれていた台詞でお小遣いを儲けます。

その後、またご自慢の牛を見て

「その穴に、秋葉様のお札をお張りなさい。穴が隠れて、屁の用心になるから」

 

更新: 2016/01/16

目黒のさんま

これは目黒でも白金台の庭園美術館ですが、

落語は

普段は鯛のお頭付きしか食べたことが無い殿様が、鷹狩ででかけた目黒の山中で農夫が焼いていた

秋刀魚を食べたところ、思いの外旨くて気に入ります。

しかし城中で秋刀魚を食べる機会はありません。 たっての所望で配膳部が秋刀魚を調理しますが

まるごと炭で焼く等という料理法は取れないので、出てきたものは似ても似つかぬ、そして肝心の味も酷いものとなります。

そこで殿様は「やはり秋刀魚は目黒に限るのう」

更新: 2016/01/16

愛宕山

旦那と太鼓持ちが芸者衆を連れて京都の西にある愛宕山を目指す噺。

土器投げの代わりに小判を投げる旦那、それを求めて断崖絶壁を飛び降りる太鼓持ちの噺。

更新: 2016/01/16

粗忽長屋

おめえがこんなところで土左衛門になってるから、連れて来てやったんだ。

周りにご迷惑をかけやがってこのやろう、ちゃんと礼をしろってんだ。

ほんとだオレが死んでいる。

でもそれならオレはいったいダレなんだ?

更新: 2016/01/16
満足度

師匠のサインを頂戴してます

昨年の6月に大阪大丸心斎橋劇場で行われた「春風亭一之輔どっさり回るぜツアー」でサインを頂戴しております。

最後はまさかの「麻のれん」 

目が不自由な按摩さんのお噺です。 落語は演者そのものが浮かび上がる芸。

決して人を見下す方では務まりません。 素晴らしい高座でした。

更新: 2016/01/16
実用性

出かける前に読めば面白さ倍増間違いなし

上記の愛宕山は、上方落語ですので、この本には収録されていません。

 

「はてなの茶碗」清水の茶店

「胴乱の幸助」 柳馬場押小路 を巡るのたくり貼も読んでみたいです。

 

各地に現存する落語の舞台

どんな目的で身延山や大山参りをするにしても、まず落語で予習してからというのは如何でしょうか。

きっと旅の味わいが濃くなると思います。

 

この本を見て「ぜひ訪れたく」なったのは

江東区にある「横十間川親水公園」 

そこでは「船徳」よろしく「和船のろこぎ体験」が出来ます。

残念ながら前回の上京時には「おやすみ」だったのですが、次こそは!と意気込んでおります。

 

  • 購入金額

    1,782円

  • 購入日

    2015年05月頃

  • 購入場所

    Amazon

13人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (3)

  • 北のラブリエさん

    2016/01/16

    文七元結は年が明けちゃいましたね。
    粗忽長屋はSFみたいで。

    いずれも訪ねてみたくなりました。
  • フェレンギさん

    2016/01/16

    北のラブリエさんは北海道の方ですよね。
    未だ日光より北へ出向いたことが無いんです。
    落語由来の地名は思いつきませんが、ぜひ「行ってみたいよ、食べてみたいよ、飲んでみたいよ、見てみたいよ 北海道」でございます。

    上手くまとまらなかったので省いたのですが、両国にある江戸東京博物館が落語の世界を体験させてくれました。 こちらもオススメでございます。
  • 北のラブリエさん

    2016/01/17

    ぜひいらっしゃってください。
    釧路の秋刀魚は刺し身にして食べるといいので江戸城内でもおいしくいただけます(*´ω`*)
    ・・・当時は鮮度が問題か・・・

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