レビューメディア「ジグソー」

ミドルレンジと侮れない!省電力ATXマザー

※相変わらずマザーの見た目とか変なトコばっかり冗長に書くので実際の動作とかに関しては後半まで飛ばしちゃってくださいな。

 

 【購入経緯】

先日アップしたWD Black 4TBのレビューで唐突に使われたこのZ77マザー。

お前いつの間に用意したんだ状態ですが、見事キャンペーンに踊らされたのだ。


 MSIの指定マザーを購入すると美星藍タンブラーとクッションがついてくるという秋葉原らしい地域限定キャンペーン。マザーは間に合っているが、これは欲しい!メリークリスマス!



 …という邪な理由でマザーの選択を始めるが、ここで更にキャンペーン発動。指定モデルだとMSI謹製のベイアクセサリMulti Connect Panelが付属とな。単品販売もされているが3000円くらいする。どうせ買うならココも追加だ!

という訳で店頭にある選択肢はZ77A-GD55 / Z77A-GD65 / Z77 Mpower。

GD65とGD55はほぼ同じ基盤を使用し、追加SATA3・IEEE1394・PCIexpress Gen3対応本数の違いがメイン。私の用途だとあまり使わない機能な上に、GD65の値段を出すならMPowerまでいってみたい。

なので店頭で最終的に悩んだのはMPowerとGD55。イベントデモ機でも使用されていたMPowerはなかなかきになる。OC向けというのも遊ぶのには楽しそうだ。機能面でも無線LANとBluetoothが上乗せされ…ってオイ。それMultiConnectPanelの機能じゃねえか。それじゃあMultiConnectPanel繋ぐ意味あんまねえじゃん!

何気に有線LANの仕様も異なる。Z77A-GD55はさりげなくインテルの82579Vを搭載しているのに対してMPowerはRealtek RTL8111E。そんなにLANに拘りがあるわけじゃないが、GD55意外とすげえ!って事で決定。


キャンペーンのおかげで付属品の容積がヤバイ。実はこのマザーの流れでイベントでノベルティ頂いたりと、クリスマスプレゼントキャンペーンでイヤフォン当たったりとオマケが凄い事に。

 

 

 

【本体・付属品】

 


 

しかし「本来の」付属品はシンプルで、SATA3ケーブルが4本、SLIブリッヂケーブルに解説書一式など。解説書は多言語マニュアルで、若干機械翻訳臭が残るが判りやすく、UEFI項目の解説もしっかり網羅。それとは別に多言語クイックインストールガイド、また英語のみだがWinXPをインストールする際の注意点(AHCIとか)が記述された別紙もあり親切設計。


 パッケージは日本向けのものが使用されており、多言語併記ではなく全て日本語。B75MA-P45は海外共通の英語パッケージで、本体の写真が無かったのだが、こちらは写真付きで各機能やスペックもわかり易く表記されいて好印象。



 基盤自体は先述の通りGD65と共通で、一部に空きパターンが見られる。いつぞやのOEM向けモデルMSI P55-SD60程ではないがスッキリ感。

 


 

ヒートシンク類はミリタリークラスを意識したのかブロック状で突起物が少ない無骨なスタイル。

 

 GD65と同じように見えるヒートシンクだが、ヒートパイプが簡略化されている。とはいえ廉価モデルのB75MA-P45と比べると明らかに凝った作り。

波を思わせる流線型ヒートシンクのASUS P8Z68-V PRO/GEN3や、三角とメッシュを取り込んだシャープなASRock X79 Xtreme6とはまた違った魅力だ

…え、そんな事どうでもいいって?デザイン差見てニヤニヤする為に使用するマザーメーカー分散してるんだよ!!!

ココまできたらGIGABYTEの現行マザーも欲しくなってくる!P55までしかないし!!


 


 拡張スロットはPCIを廃したスタイル。そもそもZ68やZ77はPCIをサポートしないのでこれが正しい姿。私みたいなレガシーカード使いには寂しいが実用性を考えればこれが一般的。
 PCIex16スロットの3本目だけ形状が異なるが、ココだけGen2までの対応で、残りの2本がGen3。GD65だと全てGen3対応となるが、私の場合これで十分。

 

スロット下にはファンコネクタも装備。これを含めてファンコネクタはCPUとSYS1~4の合計5個装備し、内PWMコントロール対応はCPUとSYS1/2の3個。CPUファンのみ任意の温度を指定したファンコントロールが可能で、SYS1/2は自動可変か固定。回転数指定の自由度はASRock Z68 pro3-M等に劣るがASUS P8Z68-V PRO/GEN3と同程度といったところ。


これまたGD65との差異となるSATAポート部。Z77が標準サポートするポートのみで、追加チップはない。また面白いのがUSB3.0コネクタが横向き実装という事。私が使ったマザーの中では初めてのタイプだ。USB3.0ケーブルは硬く取り回しが難しいので、ケースによっては配線をスッキリさせられるが逆にケースと干渉する場合もあるかもしれないので注意。今回使用したAntec P183では良い方向に作用してくれた。

 


 マザー下部にはUSB2.0やフロントパネルピンヘッダが集中する。このうち赤いUSBポートは電源オフ時も充電に使える給電ポートとなり、OS上のソフトウェア操作で高速充電モード(通信は不可)にも変更できる。

メモリスロットは一般的な両ラッチタイプ。片ラッチタイプに比べて長尺VGAとの位置がシビアになるのだが、メモリクーラーを確実に取り付けられるというメリットもある。




 メモリスロット脇にはオンボードスイッチ類を備える。ASUSやASRockのオンボードスイッチはケースに組み込んだ後押しにくい下部にある事が多いのだが、この位置ならスサノヲとかオロチみたいなトンデモクーラーつけない限り押しやすく、動作テスト中お世話になった。

そしてOC Genineボタンはオン状態だと文字が光るタイプ。ASUS P8Z68-V PRO/GEN3にも同様のスイッチがあったが、あちらはどっちがオンだか忘れてしまいそうになるのでコッチのタイプはありがたい。意味深な3本のピンヘッダは先ほど紹介したMultiConnect Panel用なのでそちらの登録で。


またその付近にはCPUの電源フェーズ稼動状況を表示するLEDがある。コイツがCPU負荷に応じてピカピカ光って楽しいのだが、UEFIやOS上のアプリケーションから停止も可能。


 その他ミリタリークラスIIIの★★★★★を標榜するだけあって、DrMOSIIによる電源管理によって消費電力と発熱を抑えているとか、高耐久パーツとか上位製品と同等の機能を備えている。

 


 背面IOパネルはシンプルな構成。D-SubとPS/2がついている方が安心できる私はレガシー。またCMOSクリアボタンもついている。コレ、ASRockだともっとでかいスイッチなのだが、こちらはペン先など細いものを突っ込んで押すタイプ。


 ASRockタイプのスイッチ、知人が自作PCを組む→完成後USBポートを使おうとして間違えてクリアボタンを押す→AHCIモードがIDEモードにリセットされてOS起動不能→私に電話というオチを経験し、また別の友人に譲ったマザーは事前にクリアボタンをプラ板で塞いでしまう始末。

←ASRock P67 Pro3 のクリアボタン(封鎖済)

 背面にあると便利だが間違って押すと面倒なものだけに、MSIの仕様は大歓迎だ。

 

 

 

【UEFI】 


 なんかもう基盤眺めただけで満足しちゃいそうだがUEFI等を見ていこう。


グラフィカルなUEFIは、従来型BIOSから配置をがらっと変えている。設定項目の少ないB75MA-P45では気にならなかったのだが、特にオーバークロック関連の項目が増えた事により少々複雑になっている。

特にOC Geine関連。オートモードの場合はいいのだが、My OC Geine(OC Geinteモード中の設定を自分で指定するモード)にした場合が複雑。



 通常モード用の設定に加えて、MyOCGeine用の同じ項目が更に下位に存在する。もちろんメモリ周りの設定も2重にある一方、通常モード側にしかない電圧関連の設定もあるので、CO Geine中の設定は階層を行ったりきたりするハメになる。
またOC Geineモード動作中の場合通常モード側の設定の一部がロックされたりする。

中途半端に分けるくらいだったら完全にプロファイルを切り替えるようなカタチにしてしまった方がわかりやすいんじゃないかと思うがさすがにそれは難しいか。

OC GeineモードはCPU倍率が固定となり、ターボブースト機能を生かしたスレッド数に応じた倍率変化を行うには通常モードでOCする事になってしまう。2700Kなんかはターボブーストを有効にした状態でも結構クロックが上がるのでちょっと惜しい。

CPUコア電圧の項目もASUSやASRockと異なり「オフセット」という項目が無く、電圧を指定するのみになっている。

レビュー初出時にオフセットに近い挙動をすると書きましたが勘違いでした。

 

その他項目名もASUS等とは異なる名称を使っているものがあり、慣れるまでは少々戸惑ってしまう。OC設定自由度に関してはASUSやASRockに一歩譲る面があるのだが、変な設定をかまして起動不能になる心配も少ないだろう。あくまで実用向きといったところ。

 


 

【付属アプリケーション】


 通常のUEFI画面に限りなく近い見た目を持つUEFI操作ソフト「CLICKK BIOS 2」等、Windows上のアプリケーションも多く付属しているが、今回気になったのは「MSI Fast Boot」というソフト。



 その名の通りUEFIのブート速度を早くするもので、UEFI内にも同名の項目がある。これをオンにするとブート時にデバイスを読み込まず極力早くOS起動に移行するというもので、弊害としてキーボード入力によるUEFI設定画面起動ができなくなる。
その代わり再起動後に強制的にUEFI画面を起動する機能を備えており、どちらかといえばコチラの役目のほうが大きい。

FastBoot機能についてはなんか機能する時と通常の速度で起動する時があってまだ挙動がつかみきれていないのだが、再起動後の強制UEFI設定画面起動だけでも意外と便利なのだ。

ちなみにUEFIは通常状態で電源ボタンを押した瞬間からWindows起動開始まで22秒程度、FAST BOOT状態だとだいたい18秒程度で、ASRockのように極端に速い訳ではないが十分。


 

【消費電力】

 

さて、実際の動作については、Core i7 2700Kと組み合わせた。今回何より驚いたのがその消費電力の低さだ。それまでASUS P8Z68-V PRO/GEN3を使用していたPCなのだが、マザーボードを交換しただけで…





この差だ。アイドルで27W、Prime95で50W差とか何かの間違いじゃないかってくらい差が出ている。というかホント間違っているんじゃないかとデータを2度取ったレベル。

一応グラフ画像内にも注釈を添えたが、元々P8Z68-V PRO/GEN3は初期設定でも電圧等がOC重視に振られており、モデル自体も上位に位置する為、追加SATA3、Bluetooth、USB3.0チップ(Z68はUSB3.0をサポートしていない)、IEEE1394等オンボード機能も多いのが影響しているのだろう。上の基盤写真でも実装部品の数にかなりの差が見て取れる。

一方今回のZ77A-GD55は中位モデル故のオンボード追加チップの少なさに加えて、Dr.MOSIIによる電源フェーズ管理等で初期設定でもかなり省エネ志向に設定が振られているようで、既に下げられるだけ下げた状態になっているのだろう。

 

以前最小構成で計測したP8Z68-V PRO/GEN3のアイドル消費は40W、同じ条件で計測したIntel DH77DF(H77のITX)が23Wと17W差をつけていたがそれを越える低さだ。

時間があれば最小構成で計測してDH77DFとの比較もしてみたいが、もしかしたらITXマザー以下の消費電力を叩き出す可能性があるという事だ。とにかく手持ちの1155系マザーの中では消費電力が相当低い部類に入りそう。

確かに他社製マザーでも設定を調整すれば省電力化を狙えるのだが、買ってそのまま設定不要で省エネというのは実用マシンとしてなかなかのアドバンテージを持つだろう。

 

 


 

【簡易オーバークロック】

 

私自身ガッチガチにオーバークロックするわけではなく、実用範囲の発熱で収まる程度にCPUの倍率を変更する程度だが、その辺も見てみよう。

更に今回はDDR3 2400のメモリ(OCMEMORY OCM2400CL10D-8GBN)も用意。


 
こちらもキャラクターに釣られて買ったように見えるがキニシナイ。

しかし残念ながら、2700Kとの組み合わせでは2133動作までしか設定が出ない。「動かない」のでは無く、はなから「選択肢が出ない」のだ。

…まあ、設定項目意が表示あれるASUS P8Z68-V PRO/GEN3でもi7 2700K+DDR3 2400の起動には成功せず2133止まりだったので大差ないんだが。

とはいえP8Z68-V PRO/GEN3で行っていた4.8GHz常用の設定はZ77A-GD55でも通用したので同等の安定性は備えているようだ。むしろ電圧指定のOC状態でも消費電力は低下している。

 


 という訳で早々に3770Kに換装。最初からコッチ使っとけとなりそうだが、倍率弄って遊ぶには2700Kの方がカンタンで楽しいんだよなあ…何より蜘蛛&スサノヲを外すのが大変で。

 

今度はずらりとメモリクロック指定項目が。2400動作も拍子抜けするほどカンタンにしてしまった。
 やっぱりCPUクロックは2700K時より下がって、TB無しの4.5GHzまでが実用範囲。4.6GHz以上にしようとすると途端に1.3V以上の電圧を要求する事になり、安定性・熱共に厳しくなる。念のためメモリクロックを1600に下げても大差無かったので、これはどちらかといえば使用した3770Kの特性だろう。

しかしここでOC GeineIIが活躍する。起動前にスイッチでオンオフすれば4.5GHzモードと定格ターボブーストモードを切り替えられるようになった。何コレ楽しい。ついでにOC Geineモードで起動不能な設定を指定してしまったとしてもスイッチをオフにするだけで定格に戻るのだから安心感がある。

 

 

 

【まとめ】


 はっきり言ってキャンペーンに釣られて購入したマザーではあったが、この消費電力の低さは想像以上。上位マザーと同じ基盤やインテルLAN、DrMOSIIを持ちつつ、追加機能を程よく削り、価格と消費電力を抑えているこのZ77A-GD55は派手さは無いものの、この実用的なパフォーマンスは何だかんだで気に入ってしまった。


UEFIの設定を弄り回して楽しむにはASUSやASRockの同価格帯の方が自由度がありそうだし、OC向けとされる同社のMPowerも気になってくるが、これはこれでまた別の魅力を感じるマザーだ。

定格や軽いOC程度に収めたゲーミングはもちろん、この低消費っぷりとIntel LANは、常時稼動の簡易サーバーマシンなんかにもいいかもしれない。


余談だが今回遂にP183-MSIの中身がMSIになった。今までMSI仕様のケースなのにMSIのパーツが1個も入っていないというヒドイ状態だったんで!

 

フロントドアをあけてもMSI!!

 

ケースのロックキーもMSI!!

 

 

壁紙もMSI!!(紙袋の写真を人力補正)

 

当然クリスマスセットもゲット!

 

…だめだこいつ、早くなんとかしないと。

  • 購入金額

    13,980円

  • 購入日

    2012年12月15日

  • 購入場所

    FreeT

コメント (7)

  • kazgbさん

    2012/12/24

    ここまで拘って自作してると羨ましく思えますね。。。

    あと足りないのは・・・グラボか!?
  • カーリーさん

    2012/12/24

    ぶっちゃけメモリの方が気になってたりして・・・
  • Vossさん

    2012/12/24

    ・・・・・・・・・・・あれ? なんかサムネの表示がヘンだぞ・・・・
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