レビューメディア「ジグソー」

できれば透明なケースに入れたいオーバークロックマニア向けマザーボード

 P67チップセットを使ったATXマザー。オーバークロック前提の仕様で、CPUが内蔵するビデオ回路は使用しない(足を引っ張るため)。こりゃちょっと大変なものを頂いたぞ。
 内容物一覧。SLI接続のためのケーブルがある。二枚挿せということか。付属SATAケーブルは6本でラッチ付き。これは他のメーカーも見習って欲しい。SATAケーブルは他のケーブルとからむと抜けやすいからだ。右下の黒い物体は謎だったのだが、WiFi+Bluetoothモジュールだとわかった。どうりでケース前面パネルに両面テープで貼れと書いてあったわけだ。
SATAコネクタは基板の側面についている。これは横方向にすることでケーブルを抜けにくくするための工夫だろう。また、レガシーポートは一切ない。
DP67GB
DP67GB

今回準備できたのは
CPU: Corei3 2100
MEM: SILICON POWER DDR3-1333 4GB×2 (Dual Channel)
HDD: Seagate SATA 160GB 3Gb/s 7200rpm
VGA: ASUS NVIDIA GeForce GT240+最新ドライバ
OS: Windows7 pro 64bit SP1
電源:KEIAN BullMAX KT-520RS 520W
DVDドライブはUSB接続の物で代用した。(BIOSの設定でUSB起動の優先順位を上げておく)
以上、予算と手持ちの関係でこうなった。SATA 6Gb/sとUSB3.0は試せなかった。
DP67GB TESTBENCH
DP67GB TESTBENCH

このようにテスト用の台に組んで実験してみた。

まず眼をひくのが基板上のドクロ。HDDのアクセスに応じて眼窩が赤く光る。
DP67GB SKULL
DP67GB SKULL

これ、BIOSで設定できる。内蔵周辺機器扱いらしい。
DP67GB SKULL BIOS
DP67GB SKULL BIOS

ドクロの輪郭を白く光らせてみた。
DP67GB SKULL
DP67GB SKULL

これはドクロの左側にあるステータスLED。すべて光っていれば正常。異常があればその部分で止まり、BIOSで回復可能な程度であれば左端が赤く光る。
DP67GB STATUS
DP67GB STATUS

電源、リセットボタンとDIAG表示の7セグメントLED。
DP67GB DIAG
DP67GB DIAG

これだけ見ればわかるとおり、かなり基板上は賑やか。チップセットのヒートシンク下にも青色LEDが埋めこまれている。基板上に電源、リセットボタンがあるのはオーバークロックのトライ&エラーをやりやすくしてくれる。
 安定運用もできそうだが、これは明らかにマニア向けマザーボード。Dellで言えばALIENWAREみたいなものか。
 なお、OSインストール後の付属DVDによるドライバインストールは非常に楽だった。IDとパスワードを設定しておけば、勝手に再起動して全てのドライバをインストールしてくれる。ここもよく工夫してある。
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ではオーバークロックに挑戦してみる。今回はCorei3 2100なのでTurbo Boostは使用できない(BIOSからも選択できない)ので、100MHzのバスクロックでどこまで行けるかやってみた。
オーバークロックの基本だが、いじる項目は一回につき一箇所だけ。問題があれば元に戻し、何がネックになっているか考えて設定を変える。面倒でもこの基本を守らないと何をやっているのかわからなくなってしまう。
測定にはWindowsエクスペリエンスインデックス、Superπ(シングルスレッド用)、Prime95(負荷テスト用)、CrystalMark 2004R3を使用した。Superπ+Prime95の同時実行で一時間ほど動作すればOKと判断する。

 テスト環境は基板むき出し、室温22℃。

・デフォルト(3.10GHz BUS=100MHz 計算値)での測定値。これが基準。
☆Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.1 Intel Core i3-2100 @3.10GHz
メモリ(RAM) 7.5 8.00GB
グラフィックス 6.7 NVIDIA GeForce GT 240
ゲーム用グラフィックス 6.7 4095 MB の 利用可能な総グラフィックス メモリ
プライマリハードディスク 5.9

☆Superπ3355万桁 11分07秒

CrystalMark 2004R3 197939

 では、バス周波数を上げていく。106MHzでWindowsの起動画面が止まった。このマザーボードではバックパネルにボタンがあり、赤く光った状態だとデフォルト値で起動してくれる。ただし前回の設定は残っているのでとても便利だ。設定を修正し、もう一度ボタンを押して再起動すれば新しい設定が反映される。
 いまオーバークロックの影響を受けるのはバス周波数の倍数で動くCPUコアとDDR3-SDRAMのどちらか。まずはRAMを疑い、1.500V→1.520Vに上げてみる。CMOSのデバイスは電圧を上げるとディレイが改善されるが、あまり上げ過ぎるとデバイスの寿命を縮めたり壊したりすることがあるので少しづつ調整していく。RAMの心配をしたくなかったらDDR3-1333より速い物を買っておけばよかったのだが、今回は一般のものを、ということで。また、RAMが疑わしい場合は電圧を上げる代わりにRAM用クロックの倍率を下げてみるのもよい。これで動作すればRAMが原因ということだ。
 結果はOK。RAMの電圧を上げることにより負荷テストまで完了した。さらに上を目指し107MHzに設定する。
 107MHzではBIOSすら起動しなかった。例のボタンを押して回復してみる。RAMの電圧は1.520Vのまま、倍率を下げてみたが結果は変わらず。RAMがネックではない。ということでCPUの電圧を上げてみようとしたが、困ったことにCPUの電圧は動的に変化するので常に最大値というわけにはいかない。BIOSの項目にTDPで制限している箇所があるが、ここをいじっても効果なし。
 ここでリテールファンをポン付けしてあった所を見直し、セラミックグリスを塗ってみる。
CPU grease
CPU grease

 これは人から習った塗り方で、真ん中が盛り上がるよう米印のようにグリスを塗る。あとはフィンを押し付けることで真ん中から均等にグリスが広がるということだ。セラミックグリスの効果はあった!107MHzで起動し、負荷テストもパスした。たったこれだけのことで動く/動かないの差があるなんて。
 さらに上を目指す。108MHzではステータスランプの左端が赤くひかり、強制的にBIOSセットアップ画面が表示される。RAMの電圧を1.540Vにしたが効果なし。CPUの項目もTDPぐらいしかなく、これも効果なし。残念ながらCorei3 2100ではここまで。
 107MHzが上限と判断してベンチマークを取った。I/Oの電圧も一応いじってはみたのだが関係なかったのでデフォルトに戻している。アップロードしたCrystalMarkのコメントにはI/O電圧に言及しているがデフォルトでもほぼ同じだったので無視してください。

・OC107(3.31GHz BUS=107MHz 計算値)での測定値。
☆Windowsエクスペリエンスインデックス
プロセッサ7.2 Intel Core i3-2100 @3.10GHz
メモリ(RAM) 7.5 8.00GB
グラフィックス 6.6 NVIDIA GeForce GT 240
ゲーム用グラフィックス 6.6 4095 MB の 利用可能な総グラフィックス メモリ
プライマリハードディスク 5.9

☆Superπ3355万桁 10分24秒

CrystalMark 2004R3 209769

 セラミックグリスは使ったものの、リテールファンと定格のRAMでここまでできた。TurboBoostではCPUの倍率しか上がらないので、全体の性能を上げる今回のバス速度向上を試してからTurboBoostのチューニングをすればよい。
 しかしCorei3 2100はまったくこのマザーボードには向かない。やはりTurboBoost対応のCoreiシリーズでないととことん楽しめない。RAMもオーバークロック向けの物が必要だし、CPUクーラーも強力なものを、さらにケースとなるとこれだけ光り物が付いているマザーボードだから側面から内部が見える物が欲しい。普段は私は定格運用の人なのだが、オーバークロックを体験してみるとキリがないね。しかしマザーボードが要因と思われる障害は一度も見られなかったので安心して使用できる土台だと感じた。今最新のシステムをいじり倒したい方にお勧めします。

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