レビューメディア「ジグソー」

lenovo ThinkPad X100e "AMDプラットフォームのカッチリシンプルノートPC!"

10/04/24 更新終了。



先日zigsow管理人様からプレミアムレビュー当選のお知らせをいただき、次の日品物が届きました。

zigsow様並びにlenovo社にはこのような機会を設けていただき感謝しています。

実はこのzigsowというサイトとプレミアムレビューはtwitterのとあるつぶやきで知って参加させていただきました。
そのつぶやきというのも、lenovo社に勤めていらっしゃる土居さんのつぶやきだったので、AMD派の私にとっては偶然ながらも何かを感じずにはいられませんでした。



さて前置きはここまでとし、本題に入りたい。



★梱包と内容。
infychan行きで届く荷物(ぇ
infychan行きで届く荷物(ぇ

送られてきた箱。


便利なガムテープの貼り方
便利なガムテープの貼り方

貸し出し用のためか、ガムテープで留められていながら、何度か開け閉め出来る様になっていた。


ご開帳
ご開帳

PC本体は箱の中で浮いた形になっており、衝撃にも強そうだった。


ThinkPadとその仲間達
ThinkPadとその仲間達

付属品も必要最小限だった。
PCの付属品によくある分厚いマニュアルもなく、HDDにリカバリ領域があるためリカバリディスクも付属しない。
ある程度の事項を説明した薄いマニュアルとペラ一枚のもの(ショートカットキーなどを説明したもの)があったが内容は少なく、少々そっけないように感じた。



★外観
白い肌を思わせる外装
白い肌を思わせる外装

白と黒のツートンカラーのものが届いた。色名はアークティック・ホワイト。

パールの輝きとハーフマットの落ち着き
パールの輝きとハーフマットの落ち着き

外観はのっぺりとした白い色ではなく、細かい青みがかかったシルバー系のパールが入った清潔感のあるものだ。
本体は両手に乗せて余るくらいだろうか。

おまけ:量販店店頭にあった黒版(ミッドナイト・ブラック)。
質感はパームレスト部と同じだった。
残念ながら赤版(ヒートウェーブ・レッド)はレノボ・ショッピング限定なので実物が無いので確認できなかった。
黒天板。
黒天板。



角に現れるハイライトはモデルの磨き上げた脚を思わせる
角に現れるハイライトはモデルの磨き上げた脚を思わせる

表面の隅にはThinkPadのロゴが斜めにあしらわれている。
PC後部に飛び出ている黒い部分はバッテリーである。残念ながらこのデザインはスマートとは言い難い。
ただし、このバッテリーは17+という6セルバッテリーなので、型番17の3セルバッテリーであればメーカーからの画像(このページ左上)のようなスッキリとした外観となるだろう。ただしバッテリの持ちは犠牲になってしまうが・・・

人の敷いたレールに沿うだけの生き方はもういやだ!
人の敷いたレールに沿うだけの生き方はもういやだ!

バッテリーの勘合部。
黄色線のところが互い違いになりレールとして機能し、赤矢印で示したへこみにバッテリー側の爪が引っかかって固定される。

このバッテリにはゴムの足がついているので、きちんと爪がかからないままに本体を引きずるように手前に引くとバッテリ電源が遮断されてしまうのである。
バッテリ脱着の際にはロックがきちんとかかっているかを再度確認する等の注意をしていただきたい。


次はPCを開いて内面を見てみよう。

外装とはまた違った表情
外装とはまた違った表情

PC内面は外装に使われている少し青めのパールの入った白とは違い、マットブラックで覆われたキーボードとディスプレイが現れる。

紅一点とその仲間達
紅一点とその仲間達

ここでまず気づくのは赤く目立つポインタとクリック用の3つのボタン、これはThinkPad伝統の装備であるトラックポイントである。
そしてこのX100eはトラックポイントのみならず、一般的なノートPCに使われるタッチパットも装備され、うれしいことにマルチタッチ対応なのである。
Windows7搭載マシンであれば、マルチタッチは必須装備であろう。残念ながらトラックポイントのみではマルチタッチの機能を生かせそうにはない。

日本庭園を思わせる飛び石デザインキーボード
日本庭園を思わせる飛び石デザインキーボード

PC下面全体に目を移すと、最近流行のアイソレーションデザインを採用したキーボードが大きな面積を占める。
ここまでは外装のパールホワイトとの質感的なつながりを感じられないが、それを感じさせるのがパームレストだ。

表があるように裏もある
表があるように裏もある

タッチパッドの左右に位置するパームレストは内装と同じく黒を基調としているが、細かいパールが入っているのだ。
そのパームレストに挟まれているのがタッチパット。

コントロールの要。あなたならどっち?
コントロールの要。あなたならどっち?

タッチパットはパームレストからは一段低くなっており、操作領域のフィードバックや誤作動を嫌った設計のように見える。
よく見ると奥側へ若干下がっているのがわかるだろうか。手前側のボタン根本の高さを稼ぎ、奥側のボタン押下時の逃げを作った結果か。
上部はトラックポイントのクリックボタンに圧迫され左右に長くなっており、一番手前にあるこれもまた細長い左右クリックボタンと併せ、その風貌からはメインのインターフェースのようには思えない。やはりThinkPadはトラックポイントがメインなのだ。そう主張しているように感じた。

漆黒のパネル。
漆黒のパネル。

ディスプレイ部。
キーボードと同じくマットブラックのベゼルの上部中心にカメラが装備されている。
ディスプレイ本体は11.6インチワイド。アンチグレアパネル採用で目に優しそうである。
バックライトはLEDだ。そのためか色調が青みがかかったように見える。
また、ATiのCCCにて色調を調節しても好みのものに合わせられなかった。バックライトのせいだろうか、何かクセがあるようである。


内装再び
内装再び

再び内部全体に視線を戻すと、かなりシンプルに作られた内装に気づくだろう。
インジケータランプらしきものは見あたらない。
ここで大型電気量販店に並ぶ一般的なノートPCを思い出してほしい。パームレスト部にベタベタ貼られたステッカーやテカテカと光るインジケータ類が自己主張をしていた様が思い浮かべられるでのはないだろうか。
正直に言ってそういったPCはデザイン的にも機能的にもうるさい。(ステッカーははがせば良いのだが・・・)
対してこのX100eはThinkPadのロゴ、エナジースター、Windows7、そしてlenovo ENHANCED EXPERIENCEのステッカーがあるのみだ。(せっかくAMDのシステムを積んでいるのにそれさえも・・・)
このシンプルさはMacと通じるものがあるのではないだろうか?(Macはエナジースターのステッカーさえ同梱してあるらしい)
装飾的な物が苦手な私からすると非常に好ましく思う。

さて先ほどインジケータが見あたらないと書いたが、実は必要最小限ながら搭載されているのである。
電源スイッチ部、そして手前側面だ。
控えめに点灯する様は蛍を思いおこさせる。
控えめに点灯する様は蛍を思いおこさせる。

電源スイッチ部は点灯でON、消灯でOFF、そしてスリープ時にはゆったりとした明滅を繰り返す。
手前側面にはバッテリインジケータ、スリープインジケータがある。
バッテリインジケータはPC起動時にバッテリ残量によって緑、黄色、黄色の明滅と色とパターンを変化させる。また、AC接続時にも点灯し、バッテリーの充電状況を知らせる
スリープインジケータはPCの起動状況により点灯/消灯する。


端っこの力持ち
端っこの力持ち

最後に外装両側面と背面を見てみよう。
向かって右サイドには手前から5in1マルチカードリーダ、電源供給能力が強化された黄色いパワードUSBポート、ケンジントンロックホールがある。
逆の左サイドには同じく手前からヘッドホンミニジャック、ギガビットイーサネットポート、USBポートx2、排気ダクトがある。
そして後側面にはバッテリーを挟みACアダプタポート、VGA出力端子がある。

ここで少し気づいた点だが、マウスなどをつなぐときは利き手と逆側のポートに接続することをお勧めする。
コネクタの出っ張りとケーブルが邪魔になり、マウス操作の妨げになるからだ。
パワードUSBポートも右側にあるので、右利きの方はストレージをつないだときに同じく邪魔に感じるかも知れない。


以上、普段の使用に際して目につく部分のレビューとする。



★PC内部
ここからはメンテナンスにも必要なPC内部を見てみよう。

X100eの秘孔
X100eの秘孔

裏側を見てみるとメモリやHDDへのアクセスは裏面の7割ほどを占めるパネル一枚を7本のネジを緩めて取り外せば良いだけだ。
この大きなパネルは紛失防止や部品点数の削減にも役に立っているようだ。


あべし!
あべし!

爪が何カ所かあり、引っかかりが多少強いのでパネル全体を少したわませながら外せば破損することはないだろう。


裏に隠されたパッチワーク
裏に隠されたパッチワーク

パネルの裏面。
シールドのためのメッキだろうか。樹脂の上に銅色のメッキがされ、さらにその上にシルバーのメッキがされている。
一部メッキがかかっていないところはおそらくBluetoothモジュールの電波を遮断してしまわないためだろう。
一昔前のノートは一枚シールドの金属パネルがあったように記憶しているが、これが不要になることからコンパクト化に一役買っているメッキであるようだ。


職人気質の隠れた気遣い
職人気質の隠れた気遣い

ここでパネルのネジに注目したい。
写真はパネル裏側の一本のネジを写したものだが、このネジが手の込んでおり、ネジ山は先から長さ半分ほどしか切られておらず、首側は一段細くなりネジ山はない。
そしてネジの首元にはEリングがはめられており、脱落を防止するようになっているのだ。
小さなネジはどう慎重に作業していても無くしがちであり、最悪の場合PC内部に落下、知らずに電源を入れてしまうとショートし故障という道をたどることもあるだろう。
こういった機構はノートのメモリ増設初心者のみならず、普段から自作PCの組み立て等でネジを回すことの多い我々からも歓迎されるべきものであろう。
たかがネジ、されどネジ。この点は大きく評価したい。


X100e丸裸
X100e丸裸

ネジの話で脱線してしまったが、視線を本体に戻そう。
開口部が大きいのでパネル一枚をはずすことでPC内部が一望できる。
ざっと説明すると左上から時計回りにHDD、ノースブリッジ?、CPU?、メモリスロットx2、ハーフサイズのmini-Express(無線LANカードが挿してある)、ICカードスロット、mini-Express(空き)、その下にBluetoothといった並びである。
また、写真下部のメッシュ部分には左右にスピーカーが仕込んである。
※保守マニュアルを参照したところ、それぞれの位置に間違いはなかった。


以下それぞれを解説したい。

やさしくね
やさしくね

まずはHDD。
本体裏蓋と共締めで固定されているので、この状態ではSATAコネクタのみでその位置を保っている状態だ。
左にずらすようにすることでSATAおよび電源コネクタから抜けるようになっており、そのままコネクタと逆側を持ち上げれば取り出せる。(写真はすでにずらした後である)
※注 保守マニュアルには右手に見える樹脂製のベロを持ち上げて取り外すとあるが、レビュー機は個体差からかコネクタ部が引っかかり外せなかった。


HDD跡地
HDD跡地

HDDを取り外した後の本体。
銀色に見えるのはキーボードの底のパネルだ。
裏から手で押してみてもその剛性の高さがうかがえる。
キーボード自体も構造材として構成されているのだろうか。


デリケートな子
デリケートな子

HDD本体。
HGST製、HTS545025B9A300というモデルで、250GB 5400rpm、1プラッタとのことだ。
他社と性能の差があるかはわからないが、やはり日本の企業の名前が入っていると心なしか安心だ。


ボディになおも守られる主要部
ボディになおも守られる主要部

マザーボードがよく見える。
1本の薄型ヒートパイプでファンのあたりにあるヒートシンクへ熱を運んでいるのだろう。
エアフローとしてはファンの表と裏、両方から吸気して右側のダクトへ排気しているように見える。
写真左側に見えるチップはノースブリッジだろうか?だとすれば対する右側はCPUか。


向かい合わせか背中合わせか・・・
向かい合わせか背中合わせか・・・

メモリスロット。
2本スロットがあり、OEMでおなじみのFOXCONN製のスロットを採用している。
コンパクトノートでありながら、メモリをオンボード実装とせずに、きちんと2本スロットとして搭載してくるあたりはユーザーの自由度を考えてか、非常にありがたい仕様である。


ここにもシャイな子が
ここにもシャイな子が

メモリスロットの左側、ボディーの下に隠れてもう一つチップが。
これにはヒートパイプなどは接触していないので、おそらくサウスブリッジであろう。


秘密の機能?
秘密の機能?

ハーフサイズmini-Expressには無線LANモジュールが挿してあり、その脇にはICカードスロットが。

秘密の機能がオープン
秘密の機能がオープン

カバーをスライドさせるとこのように開く。
このICカードスロットは、いったい何につかうのだろうか?
近々日本通信社が「通信電池」なるSIMカード(プリペイド式なのだろうか?)を発売すると発表していたが、そういったものであろうか?
もしくは空いているmini-Expressスロットに3G回線通信モジュールなどと併せて使うのであろうか。
海外では色々な通信サービスがあるようだが、日本国内ではどういったサービスが展開されるのであろうか。
色々気になる装備である。


ルームシェア募集中
ルームシェア募集中

そして左下のmini-Expressスロット。
ここには何も挿さっていないが、アンテナ配線が来ているので、無線通信モジュールが取り付けられるのだろう。
先のICカードと連携したモジュールが取り付けられるのだろうか。
WiMAXモジュールが取り付けられればサービス対象域内であれば高速通信が楽しめるのではないだろうか。
他にも動画再生支援モジュール(Broadcomのハードウェアエンコーダなど)があればマルチメディア性能の強化ができるだろう。
発熱があるようなのでそのほか部品への影響が気になるところだが・・・


ルームシェア募集人
ルームシェア募集人

mini-Expressスロットのスペースの隣にはこぢんまりとしたパーツが一つ見える。
何かと思ってはずしてみるとこれはBluetoothモジュールだ。
近距離の無線通信なのでアンテナ等の接続はいらないのだろう。
残念ながら対応機器を持っていないので今回はこの機能を試すことが出来なかった。



★使い勝手
まず特筆すべきはキーボードであろう。
アイソレーションデザインはミスタイプが防げるというほどではないが、ミスタイプをすればすぐにわかる。
普段は通常のデスクトップ用、しかもフルストロークのキーボードを使用していることからまだ慣れていないが、このわかりやすさはありがたい。
ミスタイプをしてもすぐに対処が可能だからだ。
また、キータイプ時にタッチパッドのロックがかかるのが良い。
キータイプ時にタッチパッドに触れてしまってもクリック動作として認識されないので、不意なクリックが防止できる。
そしてキーボードパネルの剛性の高さ。これもまた一般的なノートPCと実際に触ってみて比べていただきたいのだが、パネルがほとんどたわまないのである。
一般的なノートPCはキーの底打ち位置からさらに押し込むと、パネルがたわみ沈み込む。このたわみはキータッチに大きな影響を与えるのは明白である。

キーの押下力としては、最初は重く、ある点から一気にキーが落ちるタイプである。
押下力については好みもあると思うが、メッセンジャーなどのチャットや、MMORPGなどのゲームでの使用、さらには執筆活動に至るまでこのキーボードのカッチリ感はプラスになるのではないかと思う。

店頭などで見かけることがあれば、ノートPC購入を検討している方もそうでない方も是非ともこのキーボードを触って頂きたい。

キー配置についてだが、フルサイズキーボードのように左手前の角にCtrlキーがあれば良いと思い、FnキーとCtrlキーを入れ替えたいと思っていたが、レビューなどを見てみるとBIOSから切り替えられるようだ。
それに合わせてキートップも入れ替えたいところだが、壊してしまいそうだったので今回は断念した。


次にトラックポイントである。
これはあまり使用したことがないので詳しいレビューは歴代ThinkPadを使っている方に譲るが、私なりの使用感を述べようと思う。
慣れの問題もあるだろうが、このトラックポイントの出っ張りはじゃまに感じることが多い。
キーボードで文章を打っている時にG、Hキーを打つとき、また逆に私自身のクセでもあるが、右手でG、左手でHキーを打つことがありそういった場合は特にトラックポイントの出っ張りが触れて気になる。感覚としてはかなり出っ張っているように感じるのでもっと高さの低いものがあればと思う。
オプションで数種類のゴムカバーがあるようだが、この点に応える物はあるのだろうか?
正直に言ってポイント動作の正確性、素早さはマウス>タッチパッド>トラックポイントの順に優れていると思うので、あまり気になるようならトラックポイントを無効化して使うことになるかもしれない。

そしてタッチパットだ。
形状は先にも述べたように左右に長い長方形だ。
トラックポイントをフルサイズで確保するにあたりこのような形となっているのであろう。
ただし、タッチパッドを軽視しているわけではなく、ステータスインジケーターの廃止、
小型の電源ボタンを採用するなどしてできうる限りキーボードを画面側へ寄せ、標準的なトラックポイントを配置しながらも最大限タッチパッドの面積を確保した結果であるように感じた。

ポインタ系に関してさらなる要望としては、トラックポイントをオミットし、タッチパットの面積の拡大を図ったり、逆にタッチパットをオミットしトラックポイント使用時の誤作動を未然に防止するようにしたりするパーツなどがあればユーザーが選択できるのでベストと言えるのではないだろうか。

ここからはディスプレイ。
対角11.6インチワイドディスプレイは解像度が1366x768とHDパネルである。パネルサイズからすると高精細であり、パッと見は美しく見える。
だが、24インチのWUXGA(1920x1200)大型ワイドや15インチXGA(1024x768)で慣れた身としてはドットピッチが細かすぎて文字も小さく、調整を要するように感じた。
マルチタッチによる拡大、縮小が使える場面では良いが、それが効かないソフトなどでは文字の小ささが疲れなどにつながりそうである。


最後にインストールソフトだ。
OSは、Windows7 Home Plemiumがインストールされている。
非力なCPUで駆動しながら、Aero機能の無いWindowsXPやWindows7 StarterではなくWindows7 Home Premiumを積んでおり、後述のAero無効化の効果からすると標準設定ではレスポンスが悪い。
初心者はAero機能を有効にしたまま使ってしまいそうなので注意が必要かも知れない。レスポンスを重視するのであれば設定を変える必要がある。
Windows7の中で一番軽いであろうStarterは機能制限が多すぎるのでこのクラスでは搭載すべきではないだろう。

今回初めてWindows7を使用したが、おおかた違和感なく使用できた。大きな不満はないが、また大きな利点も見つけられなかった。
32bitOS搭載であるため、互換についての不具合も少ないだろうし悪くはないが、リッチなリソースを持たない小型ノート以下にはまだWindows7でなければならない理由は見あたらない。
すると妥当なのはやはりWindowsXPへのダウングレードだろうか。

また、Adobe Flash 10.1β3もインストールしてみたが、これも効いたようでFlash Playerを利用した動画の閲覧でCPU負荷が10%ほど減少し、ハードウェアアクセラレーションの効果がみられた。
これだけ効果が出ているので、一刻も早い正式版リリースを望みたい。(Adobeによると2010年前半のリリースとされている)

省電力マネージャなどはグラフィカルで直感的に操作できる。
プロファイルの保存が複数可能であったり、細かく調整できるのがありがたい。

Fnキーと組み合わせて使えるショートカットキーだが、これが非常にやっかいだ。
どうしても他の処理に手間取ると反応が遅くなり、操作をしても多大な待ち時間を要することが多々あった。
音量をミュートにしたいのになかなかミュートされず、何度か操作した後に数十秒たってから操作した分だけミュートとその解除が繰り返されたり、輝度調整もレスポンスが悪かったりと非常に「待たされる」ものであった。
せっかくインジケータも少なく無駄なキーも省きシンプルな構成なのに、それらを転換したソフトウェアのレスポンスが悪いというのはX100e最大の欠点だろう。
デュアルコア化で解決されるのだろうか?ソフトの熟成で改善されるのだろうか?
この点は是非lenovo社にはがんばって頂きたい。

そのほか無駄と思われるソフトは入っていない。
自らインストールソフトを選び、環境を構築していく様は自作PCに近い感覚だ。


★性能
注目の性能だが、マルチコアが主流の現在にはシングルコア1.6GHzというスペックはやはり物足りない。
今時の使い方であれば多少クロックが低くてもデュアルコアCPUが欲しいところである。
動画やゲーム、web閲覧など複数のウィンドウを開いて作業をする場合に、内容や負荷によってはもたつく場面がある。
フル負荷がかかっているときなどは応答がなくなり、そのうちに同じ指示を複数してしまいプログラムの複数起動などが起きたりしてもどかしく思うことがあった。

試しにAero等のグラフィックオプションを切ってみた。
すると、思いの外レスポンスも良くなり快適になった。CPU負荷もベースから減少するためか、ながら作業でももたつきが少ない。これが本来のパフォーマンスだろうか。
AeroはGPUに負荷がかかっているかと思ったが、CPU負荷が結構かかっているらしい。ON/OFFでこの違いが出ると言うことは、AeroはシングルコアCPUには重荷なようだ。
画像ファイルのアイコンサムネイル表示は便利なので設定したがこれくらいならパフォーマンスに影響はないようだ。

動画を再生しながらバッテリ駆動に切り替えてみた。
もたつきは多少見られるが割と大丈夫そうだ。CPU負荷は100%張り付きだがこの原稿を打つほどのCPUパワーはきちんと割かれているらしい。
ただし、読み込みの問題なのかCPUパワーの問題なのか、動画の再生に読み込みが追いついてこなくなってきた。
動画のウインドウを最小化したり他のウィンドウで隠してしまえばCPU負荷は格段に下がり、最大50~60%ほどに。

次にメモリだが、標準で2GB積んでいるので必要十分である。32bitOSなのでもう2GBを追加した計4GBがベターだろう。これ以上は64bitOSを積む必要がある。
標準の搭載メモリは1GBx2ではなく、2GBx1なのでもう一枚メモリを追加すればデュアルチャネルとすることができ、要領も帯域も確保できる点はユーザーフレンドリーで良いと思う。(純正品以外で組む場合は組み合わせるメモリとの相性を気にする必要があるが・・・)

※追記
先日デュアルコアCPU搭載モデルが発売された。
Athlon Neo X2 L335とTurion Neo X2 L625のモデルが追加され、選択の幅が広がっている。
ただし、両CPU共にAthlon Neo MV-40と同じ65nmプロセスなので省電力化は望めないかもしれない。
しかし、省電力マネージャにて低クロック&デュアルコアの組み合わせで使用すれば現状からかなりの改善になるのではないだろうか?
非常に興味のある点であり、出来れば今回のシングルコアX100eとの比較レビューをしたく思うほどだ。



★連続稼働時間
標準の3セルバッテリーではなく、6セルバッテリーが装備されているのにもかかわらず3時間程度でバッテリーが切れてしまう。
CPU-Zで確認したところ、SocketAM2(電気的なスペックかと思われ、実装は恐らくSocketS1か基板直結)でプロセスルールが65nmなので、さらに微細化された45nmプロセスのAthlonII X2のモバイル版を搭載したものがでれば改善されるのではないだろうかと感じた。
やはり省電力性についてはプロセスが進んでいるIntelに分があるように感じた。
32nmプロセスのモバイルプロセッサを搭載したマシンはいかなる性能を発揮するのであろうか。楽しみである。



★携帯性
少しの間ナップザックに入れて持ち歩いてみたが、少し重く感じる。出来ればもっと収まりの良い、肩掛けタイプのバッグに収納して持ち歩くのが良いだろう。
長時間の持ち歩きには向かないかもしれない。
使うとしたら出かけて連れ回すような使い方ではなく、デスクからデスクへ、プレゼン用に使ったり、固定デスクのない(席の決まっていない)大学や会社等において短距離移動をする場面で使うのが良いのではないか。

みんな大好きマクドナルド!あれ?ハンバーガーが無いじゃないか!!
みんな大好きマクドナルド!あれ?ハンバーガーが無いじゃないか!!

マクドナルドのコンセント付きの座席を利用してみた。
すぐそこにコンセントがあるためにACアダプタのケーブルが長く余ってしまうので、こういった場合は短い物を用意した方が良いかもしれない。

くるっと回すと口をあけます
くるっと回すと口をあけます


これは店側の点だが、電源コンセントはプラグを入れて回転させることによって、シャッターが開くようになっているので、未使用時に万が一飲み物をこぼしたりしても漏電しづらくなっている。
なるほど、と思わせる仕組みであった。

電源付きの席の電源利用率はぼちぼちか。私を含めてPC利用が2台、携帯電話利用が1台。郊外の駅近くでこれくらいであれば、都内のビジネス街であればもっと多く人が利用しているのであろう。

もう一度Fnキーの機能を試してみたが、特に負荷がかかっていない時のレスポンスは上々だ。
マウスカーソルを振るだけで省電力モード(800MHz駆動)でCPU負荷が100%に、フルパワーモード(1600MHz駆動)で70%まで上がることからもわかるとおり、やはりもたつきの原因はCPUパワーの問題なのであろう。



★静音性、発熱
基本的に静かなPCである。
ファンの回転数が上がってもドライヤーのような音はせず、小径ファンが内蔵されているため、高めのフィー音を伴う控えめな排気音がするのみだ。
ただし、そのときのPC底面部の温度はかなり高く、主観で50度ほどの感覚である。
熱源が左側に集中しているために、右側よりも左側が熱を持つ。
以上はAC電源接続時、フルパフォーマンス時である。

AC電源をつないだ時に設定したパフォーマンス寄りの設定(初期設定では内蔵電源使用時と同じなので手動で設定)では上記のようになるが、内蔵電源使用時の初期設定では優秀な静音性を示す。
もともと静かな動作音が、内蔵電源モードにするとクロックを落とし発熱を少なくすることでファンの回転数が上がらなくなる。
そして発熱も少なくなるので、フル負荷でも底面は45度以下くらいの温度に感じた。



★家族レビュー
せっかくのレビューなので家族それぞれに使用感を聞いた。
私の家族は父、母と弟との4人家族だ。
せっかくなので3人に使用感を聞いてみた。
簡単ではあるが、同じような年代、使用環境にあるかたは参考になるのではないか。
ひな形を作成し、それに記入してもらう形とした。年齢とPC使用歴も付記しておく。

・父 50代 仕事で普段からPCで作業をしている。
・母 50代 PCに詳しくはないが、普段から触れているので一通りの操作はできる。
・弟 20代 日常的にPCを使用しているが、ハードなどは詳しくなくスペックなどには頓着がない。


☆使用した用途、ソフト
父:FireFoxにてページ閲覧程度、二角取り
母:FireFoxにてページ閲覧程度、ネットトレーディングソフト
弟:FireFoxにてページ閲覧、動画鑑賞


☆見た感じ
・デザイン
母:すっきりしていますが簡素すぎず、とても良いと思います。
弟:スッキリしていて良い。
  ボディカラーの白ThinkPadのiの丸の赤が日の丸みたいで良い。
  ワンポイント的な赤丸をコンセプトにするのなら、
  トラックポイント以外にも、何か印等(例えばfとjのキーのエンボス)を赤くしても良いのでは。

・色
父:白黒のコンビネーションは10年前の感覚。
母:以前使っていたノートパソコンが黒、グレー系だったので、白系の機器は新鮮です。
弟:パールがかった白で綺麗。他のカラーバリエーションを見ると、漆の赤・黒、陶器の(もしくは豆腐の?)白なのかなと思ったので、日本の文化をコンセプトにしたカラーバリエーション(出来れば桜色、抹茶色などの中間色)がもう少しあれば、選択肢が増えて尚良い。
  また、ボディを一色のみではなく、明度の違う同系色のラインで何かしらのデザイン(地模様)がボディ全体でなくとも有れば良いと思うが、その際は、著名なデザイナー/イラストレーターとコラボレーションしたものの方が良さそう。
  例えば、白地に薄緑のラインでカンバラクニエ(イラストレーター)の地模様が入ってるもの等あったら一目惚れすると思う。

・重さ
父:こんなもんでしょう
母:軽いので、持ち運びに便利です。
弟:見ためより重いという印象を受けない。ちょうど良い。

・見やすさ
父:可もなく不可もなく
母:横幅が広いので、チャートを並べて見るのに重宝しています。
弟:良くもなく悪くもなく。


☆使い勝手
・キーボード
父:キーが大きく使いやすい タッチもOK
弟:普段デスクトップパソコンで使用しているキーボードにくらべ、ストロークが浅いので、違和感を感じた。
  本体の厚みからしたら妥当か。

・ディスプレイ
弟:少し小さいと感じるかも知れないが、家の中や外へと持ち運べるサブ機として考えると十分な大きさ。

・タッチパッド、トラックポイント
父:ポインティングデバイスクリックボタンが重複していて無駄であり、迷う。IBMの遺産は今や不要。
弟:タッチパッドは特に使いにくいということはないが、普通のマウスに慣れた身としては狭い。
  トラックポイントで独自性を出したいのかも知れないが、そもそもが使いにくいので、不要なのでは。
  似たような機能のニューロポインタがついた携帯電話機(NEC製)を使用しているが、このような機能は携帯電話機のディスプレイのように小さいもので使用するからその便利さが活きるのであって、
  今日日のノートパソコンの画面サイズを考えると不要に思える。
  その分タッチパッドをどうにか広くしてくれた方がさらに使いやすそう。

・開きやすさ、ボタンなどの操作系
父:両手であけなければ開けられない点はこの種のPCとしてはいただけない
  ボタン一押しで開くなど工夫が必要 
母:開ける時、左右のボタンに触れてしまうのが、不便です。
弟:開くときに、他のノートパソコンのようなラッチが無いため、
どうしてもトラックパットの左右クリックボタンに指を引っかけてしまうため、破損させてしまいそうで恐怖を覚える。
そもそもトラックポイントの必要性を感じないため、左右クリックボタンが2段ある必要性も感じにくいので、タッチパッド、左右クリックボタン回りのデザイン、配置を改善したほうが、あけるたびに怖い思いをしなくて済む。


☆ソフト、設定
父:標準的であり、過不足はない。


☆性能
・速さ
父:全体的に遅い。
弟:特に家のパソコンと比べて大差無い。
  無線接続のためか、少し動画の読み込みが遅いように思えた。
・温度
弟:そこまで長時間使用しないため、気にならない。

・動作音
父:割と静かである。
弟:気にならない。


☆そのほか
父:好みからすると、高性能でありながらコンパクトなノートPCが良い。
  サイズはこのままでCPUをマルチコアにし、多少廃熱が多くても良いので、速いマシンでの作業をしたい。
母:寒い時期、コタツで暖まりながら使用でき、これなしの生活は考えられなくなってきました。



なじみがないせいか、やはりトラックポイントの評価は低いようだ。
しかし全体的には評価は良好であり、その便利さ、コンパクトさに良い印象を持った様だ。
ちなみに家で普段使っているPCは父、母がもちものにあるサブマシンを。弟が個別におなじくもちものにある弟機を使用している。
スペックのみ載せているが、比較対象の参考になるかと思う。

サブマシンはこちら。



弟機はこちら





★満足度
性能は少々不満があるが、作りの良さなどに好感が持てる。
デュアルコアモデルも発売となり、その性能への期待も込めて満点の5点としたい。


★総評
正直に言ってCPUパワーの不足がつきまとう。
ビジネス向けだ!といわれればWindowsXPへのダウングレードと併せて問題無いと思われるが、コンシューマ向けでこれはいただけない。
やはりWindows7搭載でAeroを効かせて動画鑑賞をしたりという用途を条件とするともっとCPUパワーが欲しい。そういった向きには先日追加されたデュアルコアモデルを選択したいところだ。

サイズもコンパクトなのでサブマシンにしたり、たまの持ち歩きに最適であろう。
バッテリーの持ちは6セルを積んでいてもイマイチであり、この重さを長時間もって回るのは少々辛い。電源が確保できるような場所の間を行き来する街の遊撃手(古い!)のようなPCとして使いたいと感じた。

作りの良さはIBMから続くThinkPad。ソフト、ハード共に気を配られているのを感じるので使っていても中身をのぞいても気づくことが多くあり楽しい。
もっと長い時間使い込んでみたくなるPCだ。


ネットブックより良い性能のものを探している方や、15インチクラスのPCよりももう少しコンパクトなものを探している方にはこのクラスのPCは良いと思う。
あとは用途に応じて省電力のシングルコア版をとるか、パワーのデュアルコア版をとるか選択すればよいだろう。
バッテリーも持ち歩く頻度や重量に応じて17と17+ができる。
ミニノートでもノートPCでも無い中途半端なサイズだが、それゆえに構成内容によってその性格を変えられるという点が一番の強みだと感じた。
交換の出来ないCPUや色をはじめに決めておけば、あとは不満な点が出てきてからSSDへの換装やメモリの増設、無線通信モジュールの搭載など、構成は思いのままだ。



X100eを手に入れたならば是非あなた色のX100eをその手で作り上げて欲しい。



以上、私infychanから見たlenovo ThinkPad X100eのレビューとする。







★レビューを終わって
zigsowへの参加もこのレビューへの参加が目標だったので、レビュアーに選んでもらった時にはとても嬉しかったです。
初めてPC本体全体のレビューをしたので、とりとめのない文章になってしまったかもしれない・・・やたら長いし・・・
Windows7自体を初めて触ったので、色々試したかったんですがグラフィックオプションを切るくらいしかやらなかった・・・今回はPCの評価だからイイかな?
実はAMD VISONを謳うこのX100eですが、肝心のHD動画再生をするのを忘れてしまいました・・・そのほか地デジチューナーを取り付けてのフルセグ視聴などもやってみたかったのですが・・・
今回のレビューで一番印象に残ったのは家族レビューコメントにもあるとおり、母がこたつでPCを触れると喜んでいたことです。ノートPC、やっぱり導入したいところですね。
ノートはおろか、ThinkPad自体が初めてに近く、ソフト/ハード共に気を配られているのを感じるので使っていても中身をのぞいても気づくことが多くあり非常に興味深いマシンだと思いました。
作り手さんの意図をどれだけ汲めているか(はたまた大間違いに解釈してるか?w)はわかりませんが、製品に込められた意図が伝わってくるものはCOOL!ですよね!

※街の遊撃手:総評にあるこの一文はいすゞ ジェミニという車のCMキャッチコピー。アドレスを貼っておくので興味のある方はご覧ください。CG等のごまかし一切無しの力作!
       http://www.youtube.com/watch?v=ybEBjdMi334


最後に、このレビューを書くにあたりご協力頂いた方々にお礼を申し上げます。



10/04/24 更新終了。以降は誤字、脱字などの修正のみとする。


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