レビューメディア「ジグソー」

ヘッドホンユーザーにおすすめ!マザーだけがASUSじゃない!

秋葉原行でIYHしたもの、第二弾。

ASUSというとマザーボードやVGAカードというイメージが多いと思うが、結構多くのサウンドカードを出している。
現在通販で確認出来るだけでも9種類、サウンドカードで一番有名と思われるCreativeも14種だ。
ただ手頃な値段でゲームに向いているサウンドブラスターの様なヒットを出せていないので、あまり一般化していない様に思える。

その割と多めなラインナップの中でも、1万~1.5万くらいのミドルレンジ帯のカードがこの XONAR Essence STX。
XONARというのは、CreativeでいうSoundBlasterの様な物らしい。ソナー?ゾナー?えっくすおなー?おそらくソナーだろう。
価格.com,サウンドカード
価格comランクの常に上位に居るXONAR DGは、安価(2500円ほど)かつ(サウンドカードのメーカーとしてはさておき)ASUSという自作ユーザーには馴染みのあるメーカーの製品で手軽にオンボード環境からランクアップ出来る、ということで流行っている様だ。

特に飛び出たポイントが無い為にあまり有名では無いこのEssence STXだが、以前からサウンドカードどれが良いかと比較をしていたとき、「ヘッドホンで使うなら」結構いい物らしいという記事を何度も見、去年にSHUREのヘッドホン SRH840を買ってから尚更気になっていた。

ゲーマー向けエントリーモデルとしては鉄板のCreative SoundBlaster X-Fi Titaniumなども購入候補には挙がっていたのだが、Creativeおなじみのドライバに一癖あるのは相変わらずの様、また周りにユーザーが多すぎて同じのを買うのもちょっと…ということで、後はサウンドカードが本格的に欲しくなったときどう背中が押されるかなという感じだった。笑
先日の秋葉原行で特価9980円の本品を発見、お目当ての電源が買えなかったのもあり、つい買ってしまった。

新丸印のよく分からない900円のサウンドカード以来初のサウンドカード、まず結構凝った内容物が気になる。
サウンドカード本体と取説、ドライバディスク、変換コネクタなどはまだわかる。
それらに加えて、背景のA3版ポスターが2枚、テスト結果+鑑定書の様な物までつく。
豪勢な金の紐付きの鑑定書的な物。英語。
豪勢な金の紐付きの鑑定書的な物。英語。
各個体ずつのテストをした物ではないだろうし、要るのかな?これ。

お次はカード本体。
豪華?な見た目
豪華?な見た目
金色メッキの端子とブラケット、ライオンらしい絵が特徴的なシールドが目を引く。
PCとの接続はPCI Express x1、端子は出力がRCA,φ6.3mmヘッドホン、S/PDIF同軸&光 入力がφ6.3mmヘッドホンのみ。
ローエンド~ミドルレンジ帯に多い3.5mmイヤホン端子が1つも無い辺りが、何となくお高いカードっぽい。
そしてφ6.3mmのヘッドホン端子をカードに搭載しているのが、このカードの最大の特徴と言ってもいいだろう。
まさかの
まさかの
このカードはサウンドカードとしてはかなり希な補助電源を必要とする。ビデオカードに用いる6ピン12Vではなく、IDE HDDに用いるペリフェラル4ピン端子。
ノイズが多い(らしい)PCI Express,もっと言えばマザーボード経由ではなく、少しでもノイズの少ない電源ユニットから直の電源を取る為らしい。
この補助電源を挿さないとインストール中に「補助電源が刺さっていない」旨のメッセージが出て、インストールを先に進めることが出来ない。

またシールドの中には、交換可能なオペアンプが搭載されているというのもこのカードの特徴の一つ。
半田レスで作業が出来るそうなので、敷居も特に高くはないだろう。
私は載せ替える予定は無いが、今後機会があればやってみたいともおもう。

ヘッドホン端子といい補助電源といいオペアンプ交換可能といい、既に面白い点が多いカードだ。

このカードは現在こそWindows7に標準対応しているが、私の買った物は初期のロットの物らしくWindows7対応が謳われていなかった。
付属のドライバディスクにはWindows7向けのドライバが入っていなかったので、ASUSのホームページからドライバをダウンロード、インストールした。

さて、肝心の音。
現在のPCまわりの音環境は以上の状態、そこにXONAR EssenceSTX(以下XONAR)を加えて聞き比べてみた。
各もちものはページ最後のもちものリンクを参照。
今までオンボードの光デジタルのみ使用だったのですべてAVアンプを通して聞いていたが、XONAR本体にヘッドホン端子がついているので、ヘッドホンはAVアンプ経由,XONAR直繋ぎと2パターンで聞いてみる。
よりシンプルの方が比較をし易いと思うので、スピーカー+サブウーファー環境ではなくヘッドホン SRH840での聞き比べをメインにしてみたい。
使用したソフトはWinamp、曲は最近よく聞いているFate/ZeroのOP
やAvril Lavigneのアルバム,Let Goの中から選曲した。


■オンボード光デジタル
まずはメインマシンのマザーボード DX58SO2オンボードのRealtek HDオーディオ - AVアンプの光デジタル接続。
同オンボードのアナログ出力(3.5mmイヤホン端子→RCA赤白に変換)と比べると雲泥の差のクリアな音。
ここ最近は一番よく聞いているなのでどこがどう、というよりかは「至って無難」という表現しか出来ないのが残念。所謂ドンシャリと言われる様な高音・低音突出も無く、かといってドラムやベースも太さがあり心地良い。
アンプの機種差を意識したことが無いのでアンプによる差違を生めないが、使用しているAVアンプ,YAMAHA DX530も素直にデジタル→アナログ変換を行えている優秀なアンプという事なのだろう。


■XONAR 光デジタル
次に、今回購入したXONAR - AVアンプの光デジタル接続。
XONARの光デジタル出力はS/PDIF同軸出力と端子が共通なので、同軸ではなく光デジタルを使う場合は付属のコネクタを使って端子を同軸→光角形に変換する必要がある。
同軸→光角形変換
同軸→光角形変換
音楽を流してみると、…ん?端子ちゃんとオンボードから換えたかな、というのが第一印象。それくらいに、オンボードとの差違がすぐと感じられなかった。
よくよく聞いていると、オンボードの時よりも音がスリムに鳴っている様な印象を受ける。特に低音,バスドラムの様な音は、若干ボリュームが減った変わりにシャキっとしているイメージだ。
しかしオンボードから劇的に変化、とは言いづらいのも確か。より聞くのはヘッドホンではなくスピーカーなだけに残念だ。

まぁ今の2通りの聴き方はDDC,デジタルな音声データをデジタルな音声信号に変換するという物が違うというだけなので、基本的にデジタルデータをデジタルデータにする過程ではノイズが乗ったり、データが欠けたりという事はない(筈)。オンボードだからクロックの精度がどう、とかそんなレベルの話だ。
肝心なのはその先の直接音に関わるデジタル信号/データからアナログ信号に変換する過程なので、現在PCからアンプに光デジタルなどデジタル接続している場合は、サウンドカードの効果の程が劇的という状況にはならない様に思える。


■XONAR ヘッドホン端子
前座でデジタル→アナログの変換過程の大事さを書き、事前評判に加えてさらにハードルが上がった感のあるXONARのヘッドホン端子に直接ヘッドホン接続での視聴。
インパクトこそないものの、すでに割りとクリアなオンボード/XONARのデジタル接続よりさらにクリアな音に。
バイオリンが綺麗に響いて、ドラムスの音も篭るような音ではなくビシッっとした音になった。
慣れてくると高音がより出てくる様になったが、高すぎて耳に障るような不快な音ではない。アーティストの声がより鮮明に聞こえるイメージだ。
解像度が高くなった、とでも言えるだろうか。今まででも十分に色々な音が聞けていたSRH840だが、さらに各音が目立ち、それでいて五月蝿すぎずバランスのいい音は聞いていてとても楽しい。

ただ、このヘッドホン端子経由でも劇的な変化でおぉ、とインパクトを受けるレベルの物ではなかった。
インパクトレベルの話であれば、私が初めて手にした900円のサウンドカード今回視聴のメインに用いたヘッドホンから初めて音楽を聞いた時以上の感動ではなかったのが正直なところ。
もっとも、前者はオンボードのRealtekアナログ出力からCreativeのSoundBlasterに変更してノイズの少なさや音のクリアさ,さらにオンボードとはまるで違う音の出方(高音低音が強調されるいわゆるドンシャリ)でとてもインパクトがあった、また後者は試聴に試聴を重ねて選んだ物,私の所持オーディオ機器のなかではかなり高価な部類に入ったこと,さらにモニターヘッドホンという新たなジャンルの物だったこともあるので、一概に価値(費用対効果?)の評価は出来ないのだが。

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PCで音楽をよりよい状態で聞きたくてスピーカー+アンプのセットからサウンドカードまで意識して買うようになり、音環境の良し悪しはそれぞれの機器の良さの積であるように思えてきた。
そして、耳に近づくほどそれらのポテンシャルの上限は大きくなる。
いくらサウンドカードを数万する物にしても、100均のイヤホンや画面に付いているスピーカーで聞いたのではほとんど無意味に近い。
逆にオンボードのアナログ出力でも、数万レベルのスピーカーで聞けば画面付属のスピーカーとは音の違いを明確に感じられると思う。
他機器の足を引っ張ることもあり、また他機器を更に価値のあるものへとさせる効果があるので、和ではなく積だということだ。

前述の考えで今回のXONARが超高評価に至らなかったというのも確かにあると思うが、実際にインパクトの感じづらい音だった(よりバランスのいい、高音低音の強調が少ない)、また初めてサウンドカードを手にした頃よりも機器が充実し環境も確実に良くなってきた事で耳が肥えてきたというのもあると思う。
環境が良くなっていることはもちろんいいことだが、意を決して調達したサウンドカードでも効果を薄く感じるというのは、ちょっと悲しいものがある。
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試聴感想の後にだらだらと書いてしまった所為でXONARはいずこになってしまったが、ヘッドホンで音楽を聞く人には気に入る物ではないかと感じた。
値段相当の効果?と聞かれると他のサウンドカードとの聴き比べをしていないのでなんとも言えないが、よりクリアで聴き応えある音はとても聞いていて楽しい。
ただ、デジタル接続するのみという場合には微妙なところ。ヘッドホン端子を用いずデジタル接続しかしないという人には、買わなくていいんじゃないかなというのが本音。
まだRCA出力の試聴はしていないが、近いうちにしてみようと思う。

この製品はSoundBlaster X-Fiの様にゲーマー向けというわけでは無い様だが、実際にBattlefield3で使ってみたところ、少なくともオンボード出力より劣ってると感じることはなかった。
銃声は澄んで聞こえるし、どこで音がなっているかというのも聞き取りやすい。
よりゲームで優位になるというわけではないが、ゲーマー向けと謳っていない製品だがゲームをするのに全く向かないというわけではない。
ゲームについても、ゲームをよりよい環境でという趣向では他の製品があるのかなという印象だ。

またPCオーディオに一歩踏み出した感のある、今回のASUS XONAR EssenceSTX。
どこにお金をかけるべき、重点を置くべきというのを改めて考えさせられたいい機会だった。

…素直にヘッドホン出力には感動したのだが、他に言及したい事が多すぎてなんだかかなりマイナスな空気のレビューになってしまったのが残念。
いいものなんですよ?普通に。笑

ASUS,XONAR Essence STX製品ページ


●使ったものリスト
試聴に用いたPC

図中のAtomサーバPC

ヘッドホン

AVアンプ

AVアンプとセットのスピーカー

主に使った音源

音楽プレイヤー

  • 購入金額

    9,980円

  • 購入日

    2012年04月頃

  • 購入場所

    秋葉原 TSUKUMO

31人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • harmankardonさん

    2012/05/14

    やはり,買われましたか.

    PCIeならこれかな?と目を付けていましたが,気になると止まらなくなりそうなので,PCの音は妥協する事にしています.

    でも,欲しいです.
    USB-DACアンプが欲しいです.
  • miraさん

    2012/05/14

    >harmankardonさん

    買っちゃいました 笑

    ゲームへの効果をメインにしない、値段も1万円少々となると、これ位なんですよね。
    とりあえずPCIeのサウンドカード、というのであればASUSの最近出たXONAR DGXやDSX系もいいみたいですよ。
    人気のXONAR DGのPCIe版ですから、安定してコストパフォーマンスのいい性能が出せそうです。

    どうしてもPCで管理するのが一番ラクなので、最近はPCを音源とした音環境しか考えなくなってきてしまいましたね。
    USB DACもいいですよねー。最近流行っていますものね。
    私もカードかUSBDACか悩んだのですが、目の前に特価があってDACは沼に片足を突っ込んでしまいそうだったのでやめました。笑
  • ネイエフさん

    2012/05/14

    だいぶ安いですね~
    このカードも候補でしたが
    入力端子の関係で私はSE-300PCIEになりました
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