会話だけで物語が進むのだろうかと不安でしたが、間違いなく「中古でも恋がしたい!」がするすると分かり易く耳から入ってきました。Good Job! 脚本が原作者の田尾さんなのでずれることがなかったのでしょう。
新宮が尊郷という悪役に対峙することで男を上げ、綾女を大切に思う気持ちをはっきりさせた原作とはスポットライトの当て方がちょっと違います。綾女が襲われそうになったという事実のみ語られ、尊郷達は出てきません。妹の聖美が初めから良くしゃべって状況理解を進めてくれ、小谷先生もしっかり登場しますが、あくまで新宮と綾女と初芝の三人の会話を中心に台詞を追加して構成されています。
綾女を取り巻く謎や不穏な空気があまり出てこないのでスパイス不足と思う方も居るかもしれませんが、綾女のキレッキレからデレに変わったしゃべり方は実に破壊力があります。CVの内山さんの魅力を味わっていれば他は忘れます。
第一章:お前の理想になってやる(22分11秒)、
第二章:さっきみたいな全校放送でお前の趣味をバラす(25分44秒)、
第三章:へーい、お茶お待ち! あっ、やっぱり噂の生綾女さんだ!(18分49秒)、
第四章:告白なんていつだって突然だよ(11分40秒)、
に分かれていて、原作第一巻のちょうど前半まで。綾女×新宮×初芝の状況は、原作比でラブラブ度50%アップと言ったところでしょうか。
ジャケットは、綾女と初芝と聖美がマイクの前でこのCDのレコーディングをしていて、後ろから新宮と外崎が覗きこんでいるところです。
チョイとお高い気もしますが、これだけの声優陣を集めての78分なら仕方ないかな。
この配役のまま、原作第一巻の最後の綾女の「満開の笑顔」をぜひドラマCD続巻で聞きたいものです。