購入してから結構な期間使ったのでレビューしておきます。
ハイブリッドの5ドライバを詰め込んだ金属筐体なのでそれなりに重さ大きさがあります。見た目は綺麗でかなり上質です。
ケーブルは実売8000円の8芯銀メッキ銅ケーブル"LC-3.5C"が付属しています。耳に沿うように熱収縮チューブでカーブがつけてあるので扱いやすいです。
装着時に密閉とフィット感を得るのに苦労したのですが、軸の長い"Sedna Earfit"を大きめのサイズで蓋をするように装着する事でうまくいきました。
Fiioのフラッグシップとしてどんな音楽にも対応できることを目指したということで、基本的にフラット・ナチュラルで若干ドライ寄りな音作りです。
見通しが良く奥行きも出ており、タイトだがクリーンで深い低音、自然な中音域、くっきりした高音といったバランスです。
高音域が刺さるほどではないがちょっと硬いかなと思う瞬間があります。
ここが好みに合うか、もしくはアンプ・イヤピース・後述するフィルタ交換による調整などで受け入れらればお買い得なイヤホンだと思います。
例えば真空管アンプに代表されるようないい意味での甘さを持つ上流とのマッチングは最高です。
このイヤホンには3種類のフィルターが付属していて高音の量を調整できるようになっています。
ノズル内にある高音用BAの音だけを減衰させることで音のバランスを調整する仕組みになっているので、中低音はほぼ変化しません。
基本的なイヤホンのキャラクターは大きく変えず、3kHzから上の高音の量を調整するようです。
・低音型 赤フィルター - 高音の量を5dbほど減らす 決してウォームではない
・バランス型 黒フィルター - 高音の量を2~3db減らす 標準搭載
・高音型 緑フィルター - 高音をそのまま通す 量は増えるものの最も滑らか
実際に聴き比べると、標準搭載の黒フィルターと比較して、高音の量が増えている緑フィルターはよりナチュラルで自然です。
タイトルに書いた「チューニングが後一歩」というのはこのフィルターの話です。
高音用BAの音を素通ししている緑フィルターで自然な音が実現されている事に比べて、減衰させている黒フィルターで僅かでも硬さが出てしまうのは惜しい、もう少し頑張れたのではと思いました。
緑フィルターを持ち上げるような事を書きましたが、最終的にはやはり好みの問題ではあります。
海外のレビューでも「緑フィルターがスムーズで最高」という私と同様の意見以外にも「標準が普通に一番」「赤フィルターに銀線ケーブルがちょうどいい」というような多様な声が見つかります。
私自身たまにフィルターを入れ替えて変化を楽しんでいます。
総合的には十分よく出来たイヤホンだと思います。店舗などの試聴機は恐らくバランス型の黒フィルターが装着されているでしょうから、高音部分が好みに合わないと思ったら是非別のフィルターも試してみてください。
製造元リファレンス | FIO-FH7-B |
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カラー | ブラック |
コネクタ | ケーブル |
材質 | アルミニウム |