好み、選択、バイアス、etc...といった書物は無数にあるが、自分がこれまで読んだ中では視点が最も多角的。
一見すると、具体例に即して特定の理論を説明しようとする最近の実用書に見えるが、本書は違う。結論を押し付けず、ケースに合わせた情報がひたすら提供され、このペースでいつ終わるのか、辞典を読んでいるような錯覚に陥る。分冊にすれば数冊になる内容量。
たまに読み返すと面白そう。サクッとは読めませんが、価値あります。
プライム無料体験をお試しいただけます
プライム無料体験で、この注文から無料配送特典をご利用いただけます。
非会員 | プライム会員 | |
---|---|---|
通常配送 | ¥410 - ¥450* | 無料 |
お急ぎ便 | ¥510 - ¥550 | |
お届け日時指定便 | ¥510 - ¥650 |
*Amazon.co.jp発送商品の注文額 ¥2,000以上は非会員も無料
無料体験はいつでもキャンセルできます。30日のプライム無料体験をぜひお試しください。
新品:
¥2,060¥2,060 税込
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon 販売者: quickshop 横浜店
新品:
¥2,060¥2,060 税込
無料お届け日:
3月31日 日曜日
発送元: Amazon
販売者: quickshop 横浜店
中古品: ¥248
中古品:
¥248

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
好き嫌い―行動科学最大の謎― 単行本(ソフトカバー) – 2018/6/19
トム ヴァンダービルト
(著),
桃井 緑美子
(翻訳)
{"desktop_buybox_group_1":[{"displayPrice":"¥2,060","priceAmount":2060.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"2,060","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xUvoR2jCTaHrc1VtY77APJAi9rmKovzQWg6sOoHUyemtxAf%2FIWv3oYJrzzQwPmiDBWAS6Jhi5%2F0jiuU8oLtNSY%2BstDJe4mJKev26WKQE3Um79B744RXVV9eGNs%2F6R44tfZYfSM0DBUxTgCM8kXhnEVL%2BomAWdLHFGpVotQEOhRlFTCfwsu7e9RE%2BaowUiI9t","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"NEW","aapiBuyingOptionIndex":0}, {"displayPrice":"¥248","priceAmount":248.00,"currencySymbol":"¥","integerValue":"248","decimalSeparator":null,"fractionalValue":null,"symbolPosition":"left","hasSpace":false,"showFractionalPartIfEmpty":true,"offerListingId":"xUvoR2jCTaHrc1VtY77APJAi9rmKovzQJ0pg%2BEJIZx%2FQRQzoU9U7inP4HxVbSnGY%2Bxna2bMhX4N%2FUqt4kABUWJZrs3qagnUyzVRVZ%2F3V0IkRrnpYBrQTZGQtG%2FnCkCD6Sl8sWDHTTsRc0noovWyj9GktodooGkHuu%2FdwwnYnf%2B4NGGW6XNNNyFmAYcjGiUyh","locale":"ja-JP","buyingOptionType":"USED","aapiBuyingOptionIndex":1}]}
購入オプションとあわせ買い
楠木建氏(一橋大学教授)推薦
「『すべてを説明でき、それゆえ何一つ説明できない』という
人の好みを徹底して科学的に説明する。
『好き嫌い』が大好きな著者ならではの快著」
人の好き嫌いは説明できない、というのが常識だ。
しかしビッグデータ、IoTの時代、企業が的確に顧客の好みを見ぬいていると、
私たちはうすうす勘づいてもいる。
本書の著者は心理学から哲学、社会学、生物学、行動経済学までを取材し、
さらに人がものを選び選ばせる現場への潜入をも敢行する。
ネットフリックス、イェルプ、スポティファイ――
そうした媒体で用いられる手管を知ることで見えてくる意外な真実とは?
人間の「好き嫌い」を左右する原則を解剖し、その底知れない面白さを説く。
ビジネスの場から日常で迷ったときまで幅広い役に立つ、現代人必読の書。
「『すべてを説明でき、それゆえ何一つ説明できない』という
人の好みを徹底して科学的に説明する。
『好き嫌い』が大好きな著者ならではの快著」
人の好き嫌いは説明できない、というのが常識だ。
しかしビッグデータ、IoTの時代、企業が的確に顧客の好みを見ぬいていると、
私たちはうすうす勘づいてもいる。
本書の著者は心理学から哲学、社会学、生物学、行動経済学までを取材し、
さらに人がものを選び選ばせる現場への潜入をも敢行する。
ネットフリックス、イェルプ、スポティファイ――
そうした媒体で用いられる手管を知ることで見えてくる意外な真実とは?
人間の「好き嫌い」を左右する原則を解剖し、その底知れない面白さを説く。
ビジネスの場から日常で迷ったときまで幅広い役に立つ、現代人必読の書。
- 本の長さ424ページ
- 言語日本語
- 出版社早川書房
- 発売日2018/6/19
- 寸法13.3 x 2.1 x 18.9 cm
- ISBN-104152097744
- ISBN-13978-4152097743
よく一緒に購入されている商品

対象商品: 好き嫌い―行動科学最大の謎―
¥2,060¥2,060
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り1点 ご注文はお早めに
¥1,870¥1,870
最短で3月31日 日曜日のお届け予定です
残り1点(入荷予定あり)
総額:
当社の価格を見るには、これら商品をカートに追加してください。
ポイントの合計:
pt
もう一度お試しください
追加されました
一緒に購入する商品を選択してください。
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
◎著者紹介
トム・ヴァンダービルト(Tom Vanderbilt)
ブルックリン在住の作家、ライター。テクノロジー、サイエンス、カルチャーに詳しく、
Wired、Slate、The New York Times、The Wall Street Journalなどに寄稿する。
著書に『なぜとなりの車線はすいすい進むのか』、Survival City、The Sneaker Bookなどがある。
◎訳者略歴
桃井緑美子(ももい・るみこ)
翻訳家。訳書にボール『枝分かれ』、
ストーン&カズニック『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2』(共訳)、
スクワイヤーズ『ローバー、火星を駆ける』、フェイガン『歴史を変えた気候大変動』(共訳)、
プレイター=ピニー『「雲」の楽しみ方』、トウェンギ『自己愛過剰社会』など多数。
トム・ヴァンダービルト(Tom Vanderbilt)
ブルックリン在住の作家、ライター。テクノロジー、サイエンス、カルチャーに詳しく、
Wired、Slate、The New York Times、The Wall Street Journalなどに寄稿する。
著書に『なぜとなりの車線はすいすい進むのか』、Survival City、The Sneaker Bookなどがある。
◎訳者略歴
桃井緑美子(ももい・るみこ)
翻訳家。訳書にボール『枝分かれ』、
ストーン&カズニック『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史 2』(共訳)、
スクワイヤーズ『ローバー、火星を駆ける』、フェイガン『歴史を変えた気候大変動』(共訳)、
プレイター=ピニー『「雲」の楽しみ方』、トウェンギ『自己愛過剰社会』など多数。
登録情報
- 出版社 : 早川書房 (2018/6/19)
- 発売日 : 2018/6/19
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 424ページ
- ISBN-10 : 4152097744
- ISBN-13 : 978-4152097743
- 寸法 : 13.3 x 2.1 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 341,768位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 416位マーケティング・セールス一般関連書籍
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2018年8月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2018年10月25日に日本でレビュー済み
テーマ設定に惹かれて衝動買い。
人の好き嫌いに関して著者が感じた疑問を解き明かすべく、心理学や行動経済学や統計学などの様々な観点から多角的なアプローチを試みる。
著者が特定の分野の専門家ではないためか、アプローチの切り口は様々で、特定の分野から深堀ると言う事は無い。
学術的なエッセンスを取り入れた好き嫌いに関するエッセイと言う感じで、理解が特段深まると言う事はなかった。
系統だった理解をしたい人は「選択の科学」や「ファストアンドスロー」といった、研究者が直に語った本で学んだ方が良いと思う。
ただ、様々な問いを立てるきっかけをもらえたと言う意味では、良い本で個人的には「好き」。
読みながら特に考えさせられたのは、自分自身の本書に対する評価がどのように決まっているのか?ということ。
Amazonの星評価について分析する件では、多くの評価が他のレビュアーの評価を大きく受けていることなどが議論され、自分自身のこの本への評価自体も、本屋で衝動買いをして読み始めた時と、アマゾンの星評価(当時の星は3だった)を見た後で、大きく変わっているなと実感。
評価についての文章を評価しながら読むと言う体験は新鮮だった。
人の好き嫌いに関して著者が感じた疑問を解き明かすべく、心理学や行動経済学や統計学などの様々な観点から多角的なアプローチを試みる。
著者が特定の分野の専門家ではないためか、アプローチの切り口は様々で、特定の分野から深堀ると言う事は無い。
学術的なエッセンスを取り入れた好き嫌いに関するエッセイと言う感じで、理解が特段深まると言う事はなかった。
系統だった理解をしたい人は「選択の科学」や「ファストアンドスロー」といった、研究者が直に語った本で学んだ方が良いと思う。
ただ、様々な問いを立てるきっかけをもらえたと言う意味では、良い本で個人的には「好き」。
読みながら特に考えさせられたのは、自分自身の本書に対する評価がどのように決まっているのか?ということ。
Amazonの星評価について分析する件では、多くの評価が他のレビュアーの評価を大きく受けていることなどが議論され、自分自身のこの本への評価自体も、本屋で衝動買いをして読み始めた時と、アマゾンの星評価(当時の星は3だった)を見た後で、大きく変わっているなと実感。
評価についての文章を評価しながら読むと言う体験は新鮮だった。
2019年1月24日に日本でレビュー済み
好きとはいったいどういうことなのだろうか。
好きということを突き詰めて考えたときに、たどり着く結論は、要するに私たちは自分の好みのことを何もわかっていないということだ。
つまり、好きということは簡単だけれども、それがなぜ好きかと問われると途端に難しくなるということだ。
好みということを考えるときに、重要なことは、私たちは見るとあらかじめ予期しているものを見るのであり、予期していないものは見えないということだ。
このことは、よく見るものを好きになり、好きなものをよく見るということに関連している。
つまるところ、好みというものはよくわからないが、よく見るものは好きになる。
より意識するかしないかということは、好みにもかかわってくる。
どんなものにもバイアスがかかっているということ。
改めてそのことを感じた。
好きということを突き詰めて考えたときに、たどり着く結論は、要するに私たちは自分の好みのことを何もわかっていないということだ。
つまり、好きということは簡単だけれども、それがなぜ好きかと問われると途端に難しくなるということだ。
好みということを考えるときに、重要なことは、私たちは見るとあらかじめ予期しているものを見るのであり、予期していないものは見えないということだ。
このことは、よく見るものを好きになり、好きなものをよく見るということに関連している。
つまるところ、好みというものはよくわからないが、よく見るものは好きになる。
より意識するかしないかということは、好みにもかかわってくる。
どんなものにもバイアスがかかっているということ。
改めてそのことを感じた。
2018年8月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
翻訳があまりにひどいので、他の方のレビューを確認したら、やはり同じ内容の書き込みがありました。ちゃんとした本でこんな翻訳を使用するなんて、どうしてでしょうか、と思いました。翻訳がひどくても気合いで読もうと思いましたが、全然頭に入ってきません。
2018年7月31日に日本でレビュー済み
「赤が好き」「ピーマンは嫌い」、こういった好き嫌いは極めて「個人的なもの」に思える。
しかしそもそも、そうした「好き嫌い」はどのようにして決まっているのか。
この問題を突き詰めて考えていくと、実は自分自身の好き嫌いを自分自身がよく分かっていなかったという事実に行きつく。
好き嫌いは当然に経験や文化、そして情報への依存性がある。「女の子はピンク色が好き」というイメージはあるが、1920年ごろはピンクは「男の子の色」だった。ケチャップの味の評価を求めると、バニリンを含む粉ミルクで育った人は、バニリンをわずかに含むケチャップの方が美味しいと答えた(母乳で育った人は逆だった)。楽器の見えない環境でヴァイオリンを弾くと、プロ演奏家でもストラディバリウスよりも新品のヴァイオリンをよいと答えた、盛り付けを綺麗にした方が料理を気に入った人は増えたが、料理を食べた量は変わらなかった、等々。
「期待される満足感と食事中の満足感は、食べなれたよく知っている料理を選んだ方が大きい。しかし記憶に残る満足感は、新しい料理を選んだ方が強いだろう」というのはなかなか示唆的である。
しかし、同じ料理を食べ続けたときの美味しさの感じ方の予測はほとんど当たらないし、食べた料理のどこが美味しかったか語ってもらっただけでその料理を好きになりまた食べたくなる度合いが増加したりするなど、記憶や期待は一方でかなり曖昧である。
知識も好みを左右する。未知の料理は、どういう料理かを知らされただけで、その情報がたとえ「得体のしれない宇宙食です」だったとしても、その料理を好きになりやすい。予期と覚悟をさせるという意味もあり、スープと流動食を与えると、「スープだ」と言って出されるとスープの方を、「流動食だ」と言って出されると流動食の方をよいと感じるという。音楽でも、クラシックを「ポップス」として流したときの方が「クラシック」として流したときよりも好まれたという、ラジオ番組を利用した実験がある。
同じものを食べても、同時に胃に糖分を注入された時の方が、その食べ物を美味しかったと記憶する。それどころか、同じものを浸す他食べさせられていると、最初は嫌いだったものさえだんだん好ましく感じてくる(これは「単純接触効果」と呼ばれ、食品に限らず幅広くみられる)。
趣味の対象で階級が分かれる(クラシックを好むのは中流以上、など)というのはブルデューの主張であり、趣味によるクラスタリング(音楽は特に顕著だという)は確かになかなか有効である。
しかしその一方で、現代のように幅広く音楽にアクセスできる状況では、ハイブロウ(教養人)も幅広い音楽に接してカントリーなども好むようになっているという「雑食性」が起きている(逆の方が起きにくい)。ちなみにハイブロウでも好みにくいのはラップとヘビーメタルだという。
顔に関する判断能力はかなり本能的なものだが、美しい顔も何度も見ていると快感は減っていく。しかし歪んだ顔に対する恐怖・嫌悪反応は何度見ても弱まらないのだという(一方、歪んだ物体はすぐ慣れる)。
一方、完全に左右対称な顔というのも不自然で、人工的にそういう顔の画像を作ると見た人の多くは二度見するという。
心を動かされる絵画作品を見ているときの脳活動は、(外部刺激の取得や応答をしていないで)自分のことを考えているときの脳活動で活発化する部位と同じ(デフォルトモードネットワーク)だという。(ただし視覚部分も活発になっている)
体操の審判にビデオを見て競技評価をしてもらうと、同じ演技でも前に下手な演技を見たか上手な演技を見たかで影響を受ける。ただし、同じ国の人と言われた場合には、前の演技がうまい方が高い点がついたが、違う国の人と言われた場合には、前の演技が下手な方が高い点がついた。
興味深い話は他にもいろいろあり、レビューを読んだ人は「肯定的意見には追従し、否定的意見には懐疑的になる」ということ、可もなく不可もない(記憶に残りにくいレベルの)食品ほど続けて食べさせられても飽きにくいという話、インターネットはロングテールの掘り起こしもするがヒット曲をよりヒットさせていること、味の判断と好き嫌いの判断は別であり両者を混ぜるとむしろ味の判断能力が落ちること、など、さまざまな面白い指摘がある。
全体としては話題を集めている側面もあるが、「好き嫌い」という謎に正面から挑んでさまざまな研究結果を紹介してくれており非常に面白い一冊だと思う。
しかしそもそも、そうした「好き嫌い」はどのようにして決まっているのか。
この問題を突き詰めて考えていくと、実は自分自身の好き嫌いを自分自身がよく分かっていなかったという事実に行きつく。
好き嫌いは当然に経験や文化、そして情報への依存性がある。「女の子はピンク色が好き」というイメージはあるが、1920年ごろはピンクは「男の子の色」だった。ケチャップの味の評価を求めると、バニリンを含む粉ミルクで育った人は、バニリンをわずかに含むケチャップの方が美味しいと答えた(母乳で育った人は逆だった)。楽器の見えない環境でヴァイオリンを弾くと、プロ演奏家でもストラディバリウスよりも新品のヴァイオリンをよいと答えた、盛り付けを綺麗にした方が料理を気に入った人は増えたが、料理を食べた量は変わらなかった、等々。
「期待される満足感と食事中の満足感は、食べなれたよく知っている料理を選んだ方が大きい。しかし記憶に残る満足感は、新しい料理を選んだ方が強いだろう」というのはなかなか示唆的である。
しかし、同じ料理を食べ続けたときの美味しさの感じ方の予測はほとんど当たらないし、食べた料理のどこが美味しかったか語ってもらっただけでその料理を好きになりまた食べたくなる度合いが増加したりするなど、記憶や期待は一方でかなり曖昧である。
知識も好みを左右する。未知の料理は、どういう料理かを知らされただけで、その情報がたとえ「得体のしれない宇宙食です」だったとしても、その料理を好きになりやすい。予期と覚悟をさせるという意味もあり、スープと流動食を与えると、「スープだ」と言って出されるとスープの方を、「流動食だ」と言って出されると流動食の方をよいと感じるという。音楽でも、クラシックを「ポップス」として流したときの方が「クラシック」として流したときよりも好まれたという、ラジオ番組を利用した実験がある。
同じものを食べても、同時に胃に糖分を注入された時の方が、その食べ物を美味しかったと記憶する。それどころか、同じものを浸す他食べさせられていると、最初は嫌いだったものさえだんだん好ましく感じてくる(これは「単純接触効果」と呼ばれ、食品に限らず幅広くみられる)。
趣味の対象で階級が分かれる(クラシックを好むのは中流以上、など)というのはブルデューの主張であり、趣味によるクラスタリング(音楽は特に顕著だという)は確かになかなか有効である。
しかしその一方で、現代のように幅広く音楽にアクセスできる状況では、ハイブロウ(教養人)も幅広い音楽に接してカントリーなども好むようになっているという「雑食性」が起きている(逆の方が起きにくい)。ちなみにハイブロウでも好みにくいのはラップとヘビーメタルだという。
顔に関する判断能力はかなり本能的なものだが、美しい顔も何度も見ていると快感は減っていく。しかし歪んだ顔に対する恐怖・嫌悪反応は何度見ても弱まらないのだという(一方、歪んだ物体はすぐ慣れる)。
一方、完全に左右対称な顔というのも不自然で、人工的にそういう顔の画像を作ると見た人の多くは二度見するという。
心を動かされる絵画作品を見ているときの脳活動は、(外部刺激の取得や応答をしていないで)自分のことを考えているときの脳活動で活発化する部位と同じ(デフォルトモードネットワーク)だという。(ただし視覚部分も活発になっている)
体操の審判にビデオを見て競技評価をしてもらうと、同じ演技でも前に下手な演技を見たか上手な演技を見たかで影響を受ける。ただし、同じ国の人と言われた場合には、前の演技がうまい方が高い点がついたが、違う国の人と言われた場合には、前の演技が下手な方が高い点がついた。
興味深い話は他にもいろいろあり、レビューを読んだ人は「肯定的意見には追従し、否定的意見には懐疑的になる」ということ、可もなく不可もない(記憶に残りにくいレベルの)食品ほど続けて食べさせられても飽きにくいという話、インターネットはロングテールの掘り起こしもするがヒット曲をよりヒットさせていること、味の判断と好き嫌いの判断は別であり両者を混ぜるとむしろ味の判断能力が落ちること、など、さまざまな面白い指摘がある。
全体としては話題を集めている側面もあるが、「好き嫌い」という謎に正面から挑んでさまざまな研究結果を紹介してくれており非常に面白い一冊だと思う。
2018年8月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
全体的に翻訳のレベルが低く、内容が頭に入ってこない。原文を読んだ方が内容を理解できるのでは?と感じることもしばしば。上あまりに翻訳のレベルが低いため、購入したことを後悔するほどの本。他にも以下のことが気になった。
・英語表現独特の言い回しをそのまま日本語に訳しているため理解しにくい。
・訳者の方針なのか、無駄にひらがなの表現が多い。なぜ漢字を使わないのか理解に苦しむ。
・翻訳された本にありがちなように、本書も邦題が絶望的までにひどい。
・英語表現独特の言い回しをそのまま日本語に訳しているため理解しにくい。
・訳者の方針なのか、無駄にひらがなの表現が多い。なぜ漢字を使わないのか理解に苦しむ。
・翻訳された本にありがちなように、本書も邦題が絶望的までにひどい。
2018年8月5日に日本でレビュー済み
好き、嫌いを決める決定的根拠はない、ということを多角的に観察した本。
著者は、科学者でも大学教授でもなく、ライターというのが新鮮。
思い入れや批判もなく、丁寧に経済面や心理面からの考察を参考にしている。
著者が言うように、文化的背景、経験が好みを決めるとするならば、この本の著者は、ブルックリンに住んでいることを考慮したい。
偉大な分析書、たとえば、『サピエンス全史』は、イスラエルから見た世界感だった。
本書を読んで消費の予測はつかないということははっきりした。しかし、流行の兆しがでたときに、いち早くそれに気づく方法がわかる。さらに、どうして瞬く間に広まってしまうのかは、自分の「好き、嫌い」に照らしわせながら読める。
著者は、科学者でも大学教授でもなく、ライターというのが新鮮。
思い入れや批判もなく、丁寧に経済面や心理面からの考察を参考にしている。
著者が言うように、文化的背景、経験が好みを決めるとするならば、この本の著者は、ブルックリンに住んでいることを考慮したい。
偉大な分析書、たとえば、『サピエンス全史』は、イスラエルから見た世界感だった。
本書を読んで消費の予測はつかないということははっきりした。しかし、流行の兆しがでたときに、いち早くそれに気づく方法がわかる。さらに、どうして瞬く間に広まってしまうのかは、自分の「好き、嫌い」に照らしわせながら読める。
2018年11月15日に日本でレビュー済み
人は何故それを好きなのか?あるいは嫌いなのか?
なぜ私は黄色を好きでピンクを嫌いなのか?いつから?どれくらい?
わかっているようでわからない、「好き嫌い」のお話。
事例は主に現代アメリカだが、古今東西通じる仕組みがそこにはあり、
様々な人や企業に当てはめて考えられ、面白かった。
ただ、「好ききらい」「好き嫌い」などの表記の揺れが目立ったり、
訳によって余計なわかりにくさが加わっていたり、
邦訳出版に際しての粗が、読んでいて気になってしまった。
(この”上げて下げる”投稿の仕方も、本書における「好き嫌い」の行動規範にある。)
なぜ私は黄色を好きでピンクを嫌いなのか?いつから?どれくらい?
わかっているようでわからない、「好き嫌い」のお話。
事例は主に現代アメリカだが、古今東西通じる仕組みがそこにはあり、
様々な人や企業に当てはめて考えられ、面白かった。
ただ、「好ききらい」「好き嫌い」などの表記の揺れが目立ったり、
訳によって余計なわかりにくさが加わっていたり、
邦訳出版に際しての粗が、読んでいて気になってしまった。
(この”上げて下げる”投稿の仕方も、本書における「好き嫌い」の行動規範にある。)