私自身がキットと同じような爪を持つ実機同サイズ(双腕ではない)のコマツ重機オペレーターで興味があり、予約を早々にしてのキット購入です。
普段はAFV WW2~現用機 1/35 1/48 メインの中年モデラーです。
部品点数の大半はやはりメインとサブの腕部分にあり作りこみのモチベーションが盛り上がります。
先ず箱出し状態での各種パーツの出来は、バリなど目立つ部分はほとんど無いように思います。Pラインもひと目で分かるようなものは無いように思います。うまく誤魔化してるんでしょうか。
各部分モールドなど仕上がりは良く出来ており、そこも再現するの?ていうような場所にも手が入れてあり気合が入ってますね。
ですので一部これは未処理のゲートなのか細かなモールドなのか、さては後に繋がる接合用の出っ張りなのか悩むポイントが幾つかあります。
その細かなモールドゆえゲート処理やPライン処理で薄いモールド部分を消してしまうミスも発生しやすいかと。
あと個人的な意見ですが、流し込みタイプの接着剤は必要不可欠です。粘度の高い接着剤ははみ出しや汚れの原因となりますし、仮組みして確認しながらの作業だと位置決めから本番まで流れがズムーズです。
特にガラス部分はハメ込みからサイドに薄っすらと流さないと曇ります。
さて現状組み上げ(残すところ車体下部走行部分)で気になる点としては
・運転席キャビン周りの組み立てでフロントガラス部分と本体キャビンの接合がピタリ一致しない
・キャビン周りのガラス部分の縁取りの黒い部分がデカール処理なのですが、スキル不足なのか成功する自信がない→筆塗りで回避
・オペレーターのお姉さんのフィッティング(足が浮いている、操作レバーに腕がもっていけない、身体の傾斜が謎)→加工でやや回避
・メインの油圧シリンダーが縦二分割→繋げてヤスリ処理で回避(砲身のような横割りしなかったのは謎)
・シリンダーロッドがメッキじゃない→せめてメッキパーツにして欲しかった
・メイン腕の油圧グラップル(挟む爪)の内側が肉抜きになっておりパテ埋め必須(気にならなければ無問題)
・とにかく細かい部品に右往左往(ランナー切り離し然り、組み立て然り)可動部分に差し込むピンがこれまた滑りやすく紛失の危険大。
と己のスキル不足も露呈すような点になっていますがご容赦を。
とは言え各部色分けされたパーツなども相まって素組でも見栄えのするモデルで好印象です。
塗装を考えた場合も油圧ホースなど後付可能かと思われますので腕の見せどころもあります。キャビン周りだけは塗装しながら組み立てが必要でしょう。
またデカール類に関してはこれは圧倒されるクオリティです。危険警告マークや諸注意書きや色々と細かく再現してあり、ルーペで拡大すると本気度が伝わってくる出来です。これは本家日立がクオリティチェックでもしてるんですかね?
実機が分かる人なら気になる部分、油圧駆動周りの再現も高く一部金型一体なパイピング表現もありますが満足な仕上がりでニヤリとさせます。あと1/35スケールというところもグッド!同梱の操作マニュアルと各部紹介カードもイイですよ!
可動部分は実機同様ですが、おもちゃ的な雰囲気は全くありませんのでご注意を。
追記→2016/1/3 加筆修正
足回りについてはタミヤ戦車の転輪レベルではありません。補助転輪は一体成型です。部品点数とコストを考えれば致し方なしかと。
履帯については各レビュアーさんの仰るとおりで、成形が甘いですね。
完成後に気付いたポイント→メイン、サブともにアームとブーム下側合わせ目が目立ちます。
シリンダーロッドメッキは同社メッキフィニッシュで。前もってシリンダーの穴をメイン(サイズ失念)、サブ(1.5mm)ほどピンバイスでグリグリしておかないと肉厚になって詰まります。(掘りすぎにも注意)
塗装前の準備として、油圧ホースの組み付けタイミングは取説4番の油圧ホース以外は全て後付可能でした。(ただし油圧ホースは腕周りユニットを本体に組み付ける直前までで取り付けしておかないと厄介かもです。)
このためメインサブともに本体に一番近い可動ピンは最後まで取り外しできるように仮組みしておくことをオススメします。
あれこれ書きましたが、とても楽しめるキットだと思います。