目の前で自分の愛犬が殺されてしまう。
普通に生活してる限りではこんなことは起こる筈もない。
それがこの作品では急に理不尽にもこのような衝撃的な予期せぬ事態が起こってしまう。
老人にとって、犬は家族同然であり、最愛の妻との最後の思い出でもあった。
その思い出が急に失われしまう。この喪失感は堪らないだろう...
そして、老人は過去にも家族にかかわる心の傷を負っているである。
毎回ながら理不尽な立場に追い込まれる主人公。
それでもその状況に負けずと勇敢にも立ち向かう姿は読んでて応援したくなる。
そして、ラストにはちょっとした救いが待っている。
もしかしたら、初めてケッチャム作品で淡い感動を覚えたかもしれない。
最後にケッチャムの作品はフィクションだが、
実際に遭った事件をネタにしてることが多い、今作のような事件がもしかしたら、実際にあったのかもしれない。

無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
老人と犬 (扶桑社ミステリー ケ 6-4) 文庫 – 1999/6/1
- 本の長さ275ページ
- 言語日本語
- 出版社扶桑社
- 発売日1999/6/1
- ISBN-104594027156
- ISBN-13978-4594027155
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。

著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2021年1月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大雑把なあらすじとしては、ショットガンで頭を吹っ飛ばされた愛犬の復讐に、
飼い主の老人が立ち上がるという話ですが、展開に次ぐ展開であきさせません。
ストーリーだけ追って読むと、それほどの作品に思えないんですが
この作家はとにかく文体が魅力的で、読みやすい上にかっこよく、
ずっと読んでいても退屈しません。ひきつけられてしまいます。
暴力や性、残酷さ、自問自答などがぐるぐるめぐり、パルプ・ノワール系の感覚で読めるので
ノワール好きにもおすすめです。
エルモア・レナードの「オンブレ」がさらりと会話に出てきたりするのも良いです。
エンタメ的要素もあり、非常におもしろかったです。
飼い主の老人が立ち上がるという話ですが、展開に次ぐ展開であきさせません。
ストーリーだけ追って読むと、それほどの作品に思えないんですが
この作家はとにかく文体が魅力的で、読みやすい上にかっこよく、
ずっと読んでいても退屈しません。ひきつけられてしまいます。
暴力や性、残酷さ、自問自答などがぐるぐるめぐり、パルプ・ノワール系の感覚で読めるので
ノワール好きにもおすすめです。
エルモア・レナードの「オンブレ」がさらりと会話に出てきたりするのも良いです。
エンタメ的要素もあり、非常におもしろかったです。
2023年5月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本を買う前に「老人と海」を、読んでいて…老人繋がりで、「老人と犬」を買ってしまいました。始めは、とても面白かったが、後半は期待していたほどではなかった。
2007年12月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジャック・ケッチャムの小説には救いがない、というのが定番だ。確かに読後にはやりきれない辛さだけが残るという側面がある(無論、それがケッチャムの小説の良さなのだが)。
しかし、この小説に個人的には、冷静に静かな闘志を心に堅く決め、老犬の復讐を行った老人の硬派な生きざまが、感情表現を限りなく抑制した筆致で、ハードボイルドスタイルで描かれたある種の好感さえ抱ける小説だった。
〜理不尽な行為は許せない。それは苦しめられた人間から戦いを挑まれるのを当然のこととして、ケッチャムは老人を静かに勇気を内に秘め、強い意志をもって貫徹する魅力ある人物を見事に描ききったと思う。〜大部分の現実ではこんな生き方はできない。人は色々なしがらみの中で物事をあきらめ、忘れてゆこうとする。
しかし、自分にとって代えがたいものが理不尽な奪われ方をしたら・・・・。
ケッチャムファンの方には異論があると思うが、僕はこの作品が映画化されるのを見てみたい。
主役はもう少し年齢を経たロバート・デ・ニーロでぜひ見てみたい。
そんな色々な思いを含め、僕はこの小説がかなり好きなのだ。
しかし、この小説に個人的には、冷静に静かな闘志を心に堅く決め、老犬の復讐を行った老人の硬派な生きざまが、感情表現を限りなく抑制した筆致で、ハードボイルドスタイルで描かれたある種の好感さえ抱ける小説だった。
〜理不尽な行為は許せない。それは苦しめられた人間から戦いを挑まれるのを当然のこととして、ケッチャムは老人を静かに勇気を内に秘め、強い意志をもって貫徹する魅力ある人物を見事に描ききったと思う。〜大部分の現実ではこんな生き方はできない。人は色々なしがらみの中で物事をあきらめ、忘れてゆこうとする。
しかし、自分にとって代えがたいものが理不尽な奪われ方をしたら・・・・。
ケッチャムファンの方には異論があると思うが、僕はこの作品が映画化されるのを見てみたい。
主役はもう少し年齢を経たロバート・デ・ニーロでぜひ見てみたい。
そんな色々な思いを含め、僕はこの小説がかなり好きなのだ。
2011年6月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誤解を恐れずに言っちゃえば、
ケッチャムのファンは、なんとなく後ろめたい。
かの有名な「オフシーズン」を読んで、
慄然愕然呆然でダラダラ冷や汗とヨダレを流しながら
立ち尽くし、そのあげく
「隣の家の少女」で決定的にケッチャムのファンになった私はなおさらだ。
でも、ひそかに抗弁してたんですよ。
ケッチャムは、それだけじゃない!
あるんだよ!100人の小説家のうち1人しかもってない、
特別な、なにかを持っているんだよ!
最初にそれを確信したのは、「河を渡って」(「閉店時間」収録)を読んだとき。
そして、「老人と犬」ですよ。
ホラー!言っただろ!
ケッチャムは、わかってんだよ。
人の気持ちを揺さぶるってことの本質を!
おい、犬のカタキ討ちのために、孤独なおじいちゃんが
命をかけるんだぜ!
それだけでも泣けるじゃないの。
今のうちに読んどいてよ。
間違いなく映画化するから。
主役はもちろんクリントイーストウッド。
吹き替えは山田 康雄で(それはムリか)。
ケッチャムのファンは、なんとなく後ろめたい。
かの有名な「オフシーズン」を読んで、
慄然愕然呆然でダラダラ冷や汗とヨダレを流しながら
立ち尽くし、そのあげく
「隣の家の少女」で決定的にケッチャムのファンになった私はなおさらだ。
でも、ひそかに抗弁してたんですよ。
ケッチャムは、それだけじゃない!
あるんだよ!100人の小説家のうち1人しかもってない、
特別な、なにかを持っているんだよ!
最初にそれを確信したのは、「河を渡って」(「閉店時間」収録)を読んだとき。
そして、「老人と犬」ですよ。
ホラー!言っただろ!
ケッチャムは、わかってんだよ。
人の気持ちを揺さぶるってことの本質を!
おい、犬のカタキ討ちのために、孤独なおじいちゃんが
命をかけるんだぜ!
それだけでも泣けるじゃないの。
今のうちに読んどいてよ。
間違いなく映画化するから。
主役はもちろんクリントイーストウッド。
吹き替えは山田 康雄で(それはムリか)。
2013年1月29日に日本でレビュー済み
どう評価したらいいのか……。
レビューするのが難しい作品です。
娯楽小説としては分類しにくいし、文学作品とも言い切れない。
あらすじにある通り、少年たちに犬を殺された老人が復讐する話です。
ストーリーだけ語っても、この作品の魅力は上手く伝えられないと思います。
なぜなら、文章力が素晴らしいからです。
老人の友人も、少年たちの家族も、情景も含めて全てが目前に迫ってくるようなリアルさがあります。
なので、物語の登場人物も、実在する人物のような錯覚を覚えてしまいます。
老人の取った行動は、狂気だったのか、それとも正義だったのか。
あなたにはどう見えるでしょうか。
初めて読みましたが、不思議な魅力のある作家だと思います。
レビューするのが難しい作品です。
娯楽小説としては分類しにくいし、文学作品とも言い切れない。
あらすじにある通り、少年たちに犬を殺された老人が復讐する話です。
ストーリーだけ語っても、この作品の魅力は上手く伝えられないと思います。
なぜなら、文章力が素晴らしいからです。
老人の友人も、少年たちの家族も、情景も含めて全てが目前に迫ってくるようなリアルさがあります。
なので、物語の登場人物も、実在する人物のような錯覚を覚えてしまいます。
老人の取った行動は、狂気だったのか、それとも正義だったのか。
あなたにはどう見えるでしょうか。
初めて読みましたが、不思議な魅力のある作家だと思います。
2011年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近犬を飼い始めた事もあって、かなり心情的には老人にのめりこんで読みました。
理不尽に愛犬を奪われた怒りはわかるけど、この老人の、何もかもが不利な状況の中、「悪い事は悪い」と突きつけるその力は、どこから来るのか?
それでまた、出て来る「敵」が、本当に絵に描いたような「人間のクズ」で、どうしてこんな奴らがまともに道の真ん中を歩いているのかわからんくらいの憤りを感じつつ、物語は進んで行きます。そのストーリー運びは無駄がなく、謎解きなどに関係なく、淡々と進んで行きます。
やがて明かされる老人がそうまでして「正しい事」を求める理由。
さらに展開してゆく事の顛末。
「正しい事」を頑固に、病的と言っていいほど頑なに追い続ける老人と、それをことごとく踏みにじる者に訪れる「結末」。
ジャック・ケッチャムというと、暴力・残酷な描写を期待する向きがありますが、この作家の「売り」はそれだけではない。
書き手のして確かな計算と、ストーリーテラーとしての才能を強く感じた次第です。
従来のジャック・ケッチャムのイメージでバイオレンスを期待する方はがっかりするかも知れないけれど、この作家がバイオレンスだけが売りではない、書き手としての才能のある人だと強く感じさせる佳作だと思います。
理不尽に愛犬を奪われた怒りはわかるけど、この老人の、何もかもが不利な状況の中、「悪い事は悪い」と突きつけるその力は、どこから来るのか?
それでまた、出て来る「敵」が、本当に絵に描いたような「人間のクズ」で、どうしてこんな奴らがまともに道の真ん中を歩いているのかわからんくらいの憤りを感じつつ、物語は進んで行きます。そのストーリー運びは無駄がなく、謎解きなどに関係なく、淡々と進んで行きます。
やがて明かされる老人がそうまでして「正しい事」を求める理由。
さらに展開してゆく事の顛末。
「正しい事」を頑固に、病的と言っていいほど頑なに追い続ける老人と、それをことごとく踏みにじる者に訪れる「結末」。
ジャック・ケッチャムというと、暴力・残酷な描写を期待する向きがありますが、この作家の「売り」はそれだけではない。
書き手のして確かな計算と、ストーリーテラーとしての才能を強く感じた次第です。
従来のジャック・ケッチャムのイメージでバイオレンスを期待する方はがっかりするかも知れないけれど、この作家がバイオレンスだけが売りではない、書き手としての才能のある人だと強く感じさせる佳作だと思います。
2016年12月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
その冒頭で出くわす愛犬の死は彼が人生の過程で経験した理不尽な出来事に対する怒りをも呼び起こす。淡々と真実を欲して耐えて行動する姿は以外でもありながら過去に体験した自身の息子の裏切りの真実を求め続けてきたやり場のない怒りの深さを現しているようだ。それにしても銃というのは厄介な存在というべきで、なぜなら素手ではなんら力を持たない人間という生き物に、まるで王者にでもなったかのような錯覚をもたらすのだから…自分の身を守るためと云うがその分不相応な力は弱者の盾にすぎないのではないだろうか?