★ 『雨戸仙人』 （ネムキ2008年3月号）
律の伯父、開は青嵐を連れて古い妖魔が退治される現場に立ち会うが、青嵐に怯えて妖魔は逃げてしまう。逃げた妖魔は宿主を変えて、人に取り付く機会を狙っている。律の母はたまたま妖魔の居ついた家に行ってしまうが、雨戸仙人の話を思い出し辛くも難を逃れる。蝸牛の守護と絹の視える力がさりげなく描かれている。
★ 『見知らぬ妹』 （ネムキ2008年7・9月号）
司と同じ大学の女子大生の陽菜は、小さな女の子の夢を見る。その夢は陽菜が思い出せない過去の記憶と結びついている。中断された儀式をやり遂げようとする力と、それを止めようとする力。司が巻き込まれて、律は陽菜とその兄とともに現地に赴く。
★ 『三人法師』 （ネムキ2008年11月号）
「三」の数字は不吉。三人で写真を撮ると真中の人が死ぬ。三人でいると一人が神隠しに会う。律の母の知人の家で娘の婿が行方不明になった。行方を占う集まりに出向いた律は、婿と入れ替わりに囚われてしまう。その家には三人法師と呼ばれる木彫りの像があった。
★ 『一陽来復』 （ネムキ2009年1月号）
冬至の近いある日、律は祖母に頼まれて知人の知人を車に乗せることになった。初対面の初老の男とその孫の小さな女の子。車には赤い着物の人ではないモノも乗ってた。三丁目で人でないモノを降ろした際に、女の子は行方不明になり、男は首をつって死んだ。死んだ男の体から妖魔が律に乗り移り、冬至に向かって陰の気が高まる。そして青嵐と蝸牛の契約は終わった。
☆ あとがきマンガ 『夜行する遭難者』
作者が高尾山で遭難しかけた話。
（感想）『一陽来復』で律の身に大きな変化が訪れる。事なかれ主義の律もこれを機会に変わっていくのだろうか？今後の展開が楽しみだ。
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